昼は父の遺した“ヨヌ修理店”で家電の修理を請け負い、夜はバーでアルバイトをしながら音楽活動をしているヨヌ(ハン・イェリ)が、交通事故に遭った母(キム・ヘオク)の代わりに1週間だけビル清掃の仕事をすることになった。そこで一流企業に勤める小学校の同級生のジワン(イム・セミ)と再会し、代わりに親の決めた見合いに行くよう頼まれる。断りきれずユナン(ハン・ジュワン)と出会い、心惹かれるが、ヨヌは本当のことを言いだせず……。
ハン・イェリの魅力が存分に発揮された短編ドラマでした。ヨヌがバーで歌うラストシーン、店のドアが開く音に続いてヨヌが笑顔を浮かべます。その直前のシーンはユナンへの電話で終わっているので、明示はされないものの、きっと、すべてを知ったうえでユナンがヨヌに会いに来たと考えるべきでしょう。ハン・イェリの素朴な歌とあいまって、さわやかな余韻を残して終わります。全編をとおして説明的じゃないところにも好感がもてました。
ジワン役のイム・セミは、いわゆる悪女役かと思いきや、憎めないとこもあったりして、「ショッピング王」なんかと同様の役どころ。ユナン役のハン・ジュワンはまだそんなに顔を知られていない頃ですね。バー“Arturo Domingo”の従業員(?)で、ヨヌに歌詞を書くよう勧めるギオ役は、ハチこと春日博文とのデュオ“ハチとTJ”のTJ。本名のチョ・テジュンでクレジットされてます。ちなみに、彼といっしょにいるウクレレ奏者はKEKOA(=イ・ドンゴル)で、この2人はTJ&KEKOAというユニットも組んでます。
この作品、音楽もいいんです。音楽監督は秋休み(가을방학)のチョン・バビ(정바비)。そんなわけで、自身の別バンドであるJulia Hartをはじめ、小規模アカシアバンド、Plastic Peopleと韓国インディシーンの人気バンドの楽曲が満載。あと、クレジットはされてませんが、ジワンが車内アナウンスで映画『マルコヴィッチの穴』について語る(そしてヨヌへのメッセージを込めてる)場面では映画のエンディングに使用されたBjorkの"Amphibian"が流れました。