数年ぶりに再見。やっぱりいい作品ですね。
ソウルのど真ん中で漂流生活とはいささか荒唐無稽ですが、舞台となるパム島は生態系保全地域に指定されていて立入禁止なので、もしかしたらこんなことも可能かもと思わせます。絶妙。チャパゲティ(インスタントのチャヂャン麺)の粉末ソースを見つけ、自給自足で念願のチャヂャン麺を完成させるくだりは涙なしには見られません(笑)。
原題は『キム氏漂流記』。一見すると、むりやり恋愛に寄せた邦題のようですが、実はこれまた絶妙なタイトルかもしれません。主人公がふたりともキム氏で、ヒロインのほうも現実と妄想のあいだを漂流していたといえるわけですから。
民防(一斉に行われる軍事避難訓練。車両はストップ、歩行者も足を止めなければならない)が重要な役割を果たすところも韓国ならでは。奇想天外でありながらリアルでもある、韓国映画らしい韓国映画で、好きな作品のひとつです。