タイトルどおり“おいしいソウルをめぐる旅”に出たくなる一冊。有名店や流行の最先端を紹介するのではなく、歴史を感じられる老舗の味、地元で愛される市場を中心に紹介しています。食文化の歴史から、食にまつわる諺、食の歳時記、ご当地グルメなどなど、韓国料理にまつわる豆知識も豊富に掲載。なかでも「インスタントラーメンのはなし」がおもしろい。日本の明星食品が技術提供をして生まれたとは! 流行の変遷がわかるインスタントラーメンの歴史年表も興味深いところです。
すべてが観光で訪れるような場所というわけではなく、「旅で使える韓国語」のコーナーに飲食店で使えるフレーズがそれほど多くなかったり、初心者にはこれ一冊でというわけにはいかないかもしれません。でも、韓国旅行がしたくなること必至。次にソウルに行くときは、広蔵市場の「麻薬キムパッ」は絶対に食べようと思います。あらかじめ購入した葉銭を使って加盟店で好きな惣菜を盛ってもらう通仁市場の「お弁当カフェ」も体験してみたいし、日本でも減りつつある昔ながらの喫茶店「学林」にも行ってみたい! 色鮮やかな韓国料理の写真を眺めるだけでも楽しいけれど、やっぱり現地に行きたくなりますね。
藤田麗子『おいしいソウルをめぐる旅』
キネマ旬報社/1,300円+税/2013年6月4日発売
http://www.kinejun.com/
【目次】
Part 1 伝統の味を求めて
ソルロンタン/ビビンバ/牛サムギョプ/キムチチゲ/カンジャンケジャン/納豆チゲ/プルコギ/純豆腐チゲ/サムゲタン
Part 2 ソウルの市場めぐり
広蔵市場/東大門市場 焼き魚通り/孔徳市場/通仁市場/鷺梁津水産市場
Part 3 韓国だけの麺料理
ビビン冷麺/カルジェビ/あさりカルグッス/チャジャン麺/ちゃんぽん
Part 4 おやつの時間
コーヒーとチーズケーキ/あずきのデザート/なべ入りかき氷とアイス紅柿/トッポッキ/韓国のお餅/コンビニお菓子&街角おやつ
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