冒頭で「実話をもとにしたフィクションです」と出るのですが、どこまでが実話で、どの程度の脚色がなされているのか、気になります。駐仏韓国大使館や外交通商部の職員たちがあまりにも無責任でひどいんですが、あれも誇張なしなのだとしたら、驚くべき無能ぶりです。大使館の職員が僻地に飛ばされるところで会場からは笑い声が起きましたが、まったく笑えません。また、マルティニークでの夫婦の再会をテレビ局が追っていたのも現実なのであれば(ドキュメンタリ番組で紹介されたのは事実のようです)、むしろその映像を見たいと思いました。
もちろん麻薬と知らずにしたこととはいえ密輸に加担したことは事実であって、ジョンヨンが罪を償わなければならないのは当然です。が、あまりにも不当な扱いを受ける姿は痛々しい……。そして、ようやく受けられた裁判で「私は罪人です」と口を開いたあとの「家族に対しても償いたい」という言葉がグッときました。
信用できない政府、インターネットを通じて声を上げる市民……というところが、実に韓国らしい感じがします。
それにしてもカン・ジウちゃん、さすが。2年ぶりの母との再会の場面には泣かされました。