世界各地にいる8人の“感応者(Sensate)”たちが、たがいに感覚や能力を共有し、正体のわからない敵と対峙するという物語。はじめこそ「どういうこと!?」と思いますが、遠く離れた者同士が助けあい、数々の困難を乗り越えていくストーリーにグイグイ引き込まれます。
国境どころかジェンダーさえ超越している8人。ゲイやトランスジェンダーも出てきますが、感覚を共有する彼らにとってはLGBTという枠組みすら無意味なわけです。いってみれば、パンセクシュアル (Pansexual/全性愛)。そんなスケールの大きさが素晴らしい。感応者ではないアマニタ(フリーマ・アジェマン)が活躍するところも。
シーズン2は2017年5月5日配信開始とのこと。楽しみです。
さて、韓国パートについて。
ペ・ドゥナは『クラウド アトラス』『ジュピター』に続くウォシャウスキー作品。全編英語の台詞で、当然ながら英語台本から字幕や吹替が作られているせいでしょう、英語表記がSun Bakとなっていて日本語字幕は「サン」なのですが、正しいのはパク・ソンです。韓国語が映る以上、これはいただけません……。ちなみに日本語吹替は「太王四神記」でキハ/カジン役(ムン・ソリ)を担当していた佐古真弓。序盤はあんまり出番がないなぁと思いましたが、彼女をフィーチャーしたタイトルのエピソード3「痩せっぽち女の優勢」から活躍。地下格闘技のリングで、うしろ回し蹴りに、飛びつき腕ひしぎ逆十字固め。めっちゃ強い! 企業の重役でありながら実は幼い頃から格闘技に通じていたという設定です。マ・ドンソク(クラブ用心棒役でエピソード4に数秒のみ出演)さえ瞬殺! さらっと全裸のヌードシーンがあったりも。後半にはソードアクションも披露します。
そのほかにも、おなじみの韓国人俳優がたくさん出てます。弟のジュンギ(日本語字幕は「ジュンキ」ですが、これまた発音的におかしいですね)役は歌手のイ・ギチャンでした。父の会長役にイ・ギョンヨン、武術の師匠役にミョン・ゲナム、刑務所で同房となるミンジョン役にユン・ヨジョン、弁護士役にチャ・インピョなどなど、何気に豪華な脇役陣です。ソンと刑務所で親しくなるスジン役のSara Sohnというのは、カヒやソン・ダムビも在籍したS-Blushの元メンバー。当時はソン・ミボという名で、結婚して現在、アメリカ在住らしいです。
余談ですが、エピソード10で再登場した弁護士(チャ・インピョ)がソンに差し出す万年筆はLAMY(オーシャンブルーっぽいからSAFARIじゃなくAL-star?)。ポップな弁護士ですこと。