朝鮮名探偵 トリカブトの秘密

正祖16年（1782年）、腐敗官僚の横領を察した王は、朝鮮一の名探偵（キム・ミョンミン）に事件の背後を洗うよう密命を下した。彼は事件の手がかりとなるヒメトリカブトを探すため、妙な縁で知りあった犬商人のソピル（オ・ダルス）とともに積城へ赴く。そこで大商団を率いるハン客主（ハン・ジミン）と出会う。彼女が黒幕ではないかと疑いの目を向けるが……。

　キム・ミョンミン扮する探偵キム・ミン（今作では名前が明らかになりませんが、続編で出てきます）は、推理は冴えているのにどこか抜けていて、はっきりいって卑怯（笑）。相棒がオ・ダルスですから当然のごとくコメディで、あちらこちらにギャグを散りばめています。ちょっと度が過ぎる感もありますが、そのバカバカしさを楽しむべきなのでしょう。
　ハン・ジミンが妖艶な大商人という役どころで、ちょっと意外。清純なイメージが強いので、胸を強調した衣裳というのも新鮮です。が、ただそれだけのキャラクターじゃないのでした。ウ・ヒョンもまたクセモノでしたね。最近こんな役柄が多いような。
　ストーリーがやや込み入っているものの、なかなか練られています。キムの仕事は、表向きは烈女監察（貞節を守った未亡人を称える「烈女」制度で、対象者が妥当かどうかを審査する）のためで、その対象女性がイム判書（イ・ジェヨン）の甥の嫁であるキム・アヨン。病死した夫の家を守るため、ヒメトリカブトの栽培を成功させ、その後に自害したことなっているのですが、貢納品の横領を調べる過程で、この2つに接点を見つけます。なるほど、なオチ。原作はドラマ「ファン・ジニ」や映画『朝鮮魔術師』などのキム・タクファンによる小説『烈女門の秘密』だそうです。

朝鮮名探偵 トリカブトの秘密

原題 조선명탐정: 각시투구꽃의 비밀（朝鮮名探偵：トリカブトの秘密）
2011年／韓国／116分／2011年1月27日公開（韓国）
日本劇場未公開

監督 キム・ソギュン（『オールド・ミス・ダイアリー 劇場版』）
原作 キム・タクファン（김탁환）『烈女門の秘密（열녀문의 비밀）』
脚本 イ・チュニョン、イ・ナムギュ

キム・ミョンミン……名探偵キム　史書編纂→烈女監察
オ・ダルス……ハン・ソピル　犬商人
ハン・ジミン……ハン客主＝キム・アヨン

イ・ジェヨン……イム・チャウン　判書、老論派の筆頭
キム・テフン……イム・ゴソン　イム判書の甥
イェ・スジョン……イム座主夫人
ユン・グクロ……イム・ユソン　イム判書の甥
ウ・ヒョン……パン氏

ナム・ソンジン……王　正祖
チェ・ムソン……義禁府 都事
チェ・ヒョサン……大提学

チョン・インギ……使道
ユ・ヒョンサン……パク・ポンダル　殺された戸房
チェ・ジェソプ……吏房
イ・チョリ……刑房
イ・ハンボム……工房
チョン・ジェソン……積城の使道

シム・ナム……奴婢
キム・スンテ……奴婢
ペク・ソンギ……奴婢
イ・ソルグ……奴婢
イ・チェウン……奴婢の娘
チョン・ウジン……奴婢の息子
ヤン・ハニョル……奴婢の息子

キル・グムソン……ハン客主の部下
ジンモ……ハン客主の部下
チ・スンヒョン……ハン客主の部下
キム・エノク……ハン客主の部下

ムン・ギョンミン……鍛冶屋
クォン・ヒョンミン……隣村の使道
チョン・ヨンギ……捕卒
イ・ナクチュン……イム判書の私兵

※ネタバレになる箇所は背景色になってます。範囲選択すると読めます