1985年、慶尚道の女子高で教師をしているテナムは生徒から「変態」と嫌われている。ある日、テナムは『将軍夫人の危険な愛』という小説を手に入れ、夢中で読み耽る。それを拾ったスンドクから学校中に人気が広まるが、その本は物語の途中で「つづく」となっていて、2巻はどこにも見つからない。スンドクは続きを執筆し、それを知ったテナムも黙認して密かに楽しみにしている。ところが、その本は淫乱図書として禁書扱いなのだった……。
タイトルの「真っ赤な」というのは、いわゆる「アカ」をかけてるんですね。スンドクの父親が民主化運動で捕まって自殺したという設定で、同級生の母親が「アカの娘と関わるな」と言う場面があったりします。終盤にはデモの風景もありました。時代設定が1985年から1987年で、盧泰愚の民主化宣言の頃までが描かれます。2015年のKBSドラマ脚本公募の当選作だそうで、映像化には多くの演出家の手が挙がったとか。
物語として先生が最後には生徒を守るのだろうとは想像がつくものの、スンドクが教師扱いすることのなかったテナムをようやく探し当て、ある言葉をかけます。そのラストシーンにはうるっときました。うぶすぎる女子高生たちには大爆笑。ミジャはコンドームが何かわからず両親にしつこく尋ねて叱られ、挙句には隠した食べ物だろうとキレたり、スッキは恋人がポケットにバナナを隠してると思って股間に手を突っ込んだり(笑)。教室では誰も子どもができる仕組みを知らず、スンドクの話に大騒ぎ。今じゃ考えられませんが、当時だったらそんなものでしょうか。
劇中に流れるのはApril 2ndの"그리워하네"。どのアルバムにも未収録で、調べてみたら、このドラマのための書き下ろしのようです。ナム・ヘスン(남혜승)音楽監督は「もう一度ハッピーエンディング」や「嫉妬の化身」でも彼らを起用してますね。あと、Queenの"Under Pressure"が流れたりもします。
ドラマスペシャル「真っ赤な先生」
原題 빨간 선생님(赤い先生)2016年9月25日/1話完結/KBS
KBS WORLDにて2017年1月1日に日本初放送
脚本 クォン・へジ
演出 ユ・ジョンソン(「額縁になった少女」「髪を植える日」)
イ・ドンフィ……キム・テナム 数学教師
チョン・ソミン……チャン・スンドク 女子高生
イ・ミニョン……ヤン・ミジャ スンドクの友人
パク・セワン……スッキ スンドクの友人
キム・ミス……ミスク スンドクの同級生
キム・ナムジン……スンドクの母
パク・ソジョン……スッキの母
ナム・ミジョン……ミジャの母
???……ミジャの父
キム・ミンソク……ミジャの兄
キム・ミンソク……サング スッキの恋人
ムン・ジホン……サングの友人
キム・ジョンホ……校長
チョ・ヨンジン……教頭
イ・チェウン……パク・チュヨン 新任の音楽教師
シン・ジェフン……イ先生
イ・ユジュン……ソ・ヨンス テナムの友人、警察官
パク・フン……国家安全企画部の要員
チン・モ……国家安全企画部の要員
???……テナムの見合い相手
イ・ミョンハ……テナムの見合い相手
チョン・スジ……チェ夫人 小説『将軍夫人の危険な愛』の登場人物
イ・ジェギュン……キム将校 小説『将軍夫人の危険な愛』の登場人物
チュ・ソンファン……将軍 小説『将軍夫人の危険な愛』の登場人物
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