KBSドラマスペシャルの2012年作品。孤独な老人と、どこにも居場所のない高校生、2人の交流を描いた物語で、なかなか秀逸な脚本だと思います。
【ややネタバレ注意】ヨンエは息子と絶縁状態で連絡もつかないということでしたが、30年前に夫の暴力から逃れるために家を捨て、たしかに絶縁状態ではあるものの、息子は実は母の保険料を払っていて、完全に縁が切れていたわけではなかったようです。ヨンエも息子の職場での名前(ナイトクラブではテバクと名乗っている)を知っていたわけですし。自分が施設に入ればそういう負担もなくなるからと、誰にも迷惑をかけるまいとしていたんですね。息子を捜すポスターをあちこちに貼りますが、息子の写真ではなく、自分の写真で「お母さんに会いに来なさい」としたのも、息子に迷惑がかからないようにということだったわけです。なるほど。そして、ドンハが自分に無関心な母(息子のアレルギーも知らずきゅうりを食べさせようとするなんてひどい!)に弁当もつくってもらえなかったと語りますが、それがヨンエには息子の言葉と重なるのでした。自分を必要としてくれる人がいることで「しっかりしないと」と思い至るヨンエ。この老人と高校生の2人がたがいに共感するところがグッときます。
タイトルの「曲がり角」は、ドンハと手をつないで歩くヨンエが「この曲がり角を一歩踏みだせば世界が広がっている」と語るラストシーンから。このラストが現実(=過去)なのかはわかりませんが、少なくともドンハにとって希望を感じさせる終わり方でした。その前が「え、そんな……」という展開なんですけど。
エンディングに流れるのは、なぜかDeath Cab for Cutieの"Marching Bands of Manhattan"。
KBSドラマスペシャル「曲がり角」
原題 모퉁이(曲がり角)2012年10月14日放送/1話完結/KBS
KBS WORLDにて放送
脚本 イ・ジュヨン(「ユリの絆創膏」「そんな愛」)
演出 キム・ヨンジン(「恋をしましょう」「ユリの絆創膏」)
キム・ヨンリム……イ・ヨンエ
ヨン・ジュンソク……チェ・ドンハ 高校生
ユン・ユソン……ドンハの母
キム・ヨンチョル?……テバク=キム・ジョンファン ヨンエの息子
パク・ヒョンジョン……ユ・ジャヨン 総合愛情福祉館の職員
パク・ヘジョン?……総合愛情福祉館の女性職員
チュ・ドンヒ……総合愛情福祉館の職員
ト・サンウ……テウン ドンハの同級生
チャン・ホジュン……福祉館の少年
キム・ギョンラン……福祉館の老人
ハン・ソンヨン……区役所?の職員
パク・ソンギュン……警察官
ホン・スンモ……ナイトクラブの従業員
演出 キム・ヨンジン(「恋をしましょう」「ユリの絆創膏」)
キム・ヨンリム……イ・ヨンエ
ヨン・ジュンソク……チェ・ドンハ 高校生
ユン・ユソン……ドンハの母
キム・ヨンチョル?……テバク=キム・ジョンファン ヨンエの息子
パク・ヒョンジョン……ユ・ジャヨン 総合愛情福祉館の職員
パク・ヘジョン?……総合愛情福祉館の女性職員
チュ・ドンヒ……総合愛情福祉館の職員
ト・サンウ……テウン ドンハの同級生
チャン・ホジュン……福祉館の少年
キム・ギョンラン……福祉館の老人
ハン・ソンヨン……区役所?の職員
パク・ソンギュン……警察官
ホン・スンモ……ナイトクラブの従業員
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