2016年12月31日

私の心は花の雨【あらすじ】091-最終話

【091】ヨニはジュリアと名乗り、ミンギュは首を傾げながらも納得した。一方、コンニムは落ち込み、ギテクは悔し涙を流す。しかし、スチャンに買収されていた少年の母がコンニムの誠実さに触れ、アメリカ大使夫人にスチャンの指図だったと証言。晴れてヨナ堂が納品することになる。

【092】ゲオクはスチャンに激怒。ドクスとギスンの結婚をヨンジが承諾し、挨拶に来たギスンをゲオクも気に入る。しかしドクスが結婚したら会社を任せるという話を聞いたイルランは憤慨する。一方、ヨニはソナ事件の再審請求に必要な証拠としてスチャンのカフスボタンを手に入れる。

【093】ギテクはギスンが挨拶に行ったことに激怒。ゲオクに結婚させたいと言われるが、敵であるミン家に嫁がせるわけにはいかないと猛反対する。一方、イルランとスチャンはドクスに罪を着せるため二重帳簿を捏造。策略に引っかかったドクスはゲオクの前で会計管理台帳を手にし…。

【094】帳簿の筆跡はドクスのもので、部屋からはスチャンが仕組んだ大金まで出てきた。マングは嘘を証言する。罠だと気づくドクスだったが、ゲオクにも信じてもらえず、退職を受け入れる。一方、イルランがジュリアのエッセイ出版記念パーティに招待され、そこに現れたヨニに驚く。

【095】動揺するイルラン。スチャンはヨニの監視を依頼する。一方、ヨンジはイルランとスチャンに叱られておねしょをするようになってしまった。ヘジュは「コンニムと親戚になりたくない」とドクスとギスンの結婚に反対。そして、スンジェの写真に写っていた女性がヨニと気づき…。

【096】ヘジュは本物のヨニの存在を知っていたイルランに激怒。しかしゲオクには言えない。イルランは「あなたのためだった」と必死に説得する。一方、うなされるヨンジを見てドクスは家を出ていく決意をした。ヨニがイルランとスチャンに会い、わざとパスポートを置いて席を立つ。

【097】スチャンはジュリアがヨニではないと確信し、安心する。美星製菓の売上低下がヨナ堂のせいだと知ったヘジュはスチャンに当たる。一方、ドクスがスチャンの部屋で不倫現場の写真を見つけ、パク看護師を問いつめる。そこへヨニがやって来た。パク看護師はヨニに気づくが…。

【098】パク看護師がヨニに声をかけようとするが、スチャンから電話。ドクスに脅されているとゲオクに嘘を話し、ゲオクはドクスに失望する。ヨニには姑が生きていることだけを伝えた。一方、ドクスとヨンジはヨナ堂で暮らすことに。イルランに資金提供を頼まれたヨニは美星製菓へ。

【099】美星第二工場の建設現場へ営業に行くが、ヘジュは新商品の納入を断られた。コンニムの肩をもつソノにヘジュは逆ギレする。一方、ミンギュとヨニが一緒にいるところへヨンイムが現れて大騒ぎに。ギテクが承諾し、ドクスとギスンは結婚を挙げた。ゲオクは陰から見て涙を流す。

【100】イルランは第二工場を担保にヨニから資金を提供してもらった。一方、新たな契約をとりつけたヨナ堂は工場を見つけるが、スチャンが妨害。さらに店舗を明け渡すよう言われる。ガンウクはソノにスチャンの息子と打ち明けた。パク家に招待されたヨニはつい昔の喋り方をして…。

【101】ソノが言い繕い、ヨニはソノに正体を打ち明ける。そしてヨナ堂の店舗と工場はヨニが買い取った。一方、ガンウクはコンニムに指輪を贈り、キスをする。イルランとスチャンはジュリア=ヨニと気づいた。ソナの死んだ現場にスチャンが駆けつけると、ヨニが「人殺し」と現れる。

【102】ヨニはソナの墓に復讐を誓う。美星製菓に検察の捜査が入り、罠だったことに気づいたイルランはミンギュを頼る。しかしヨニの正体を知ったミンギュは口ごもる。ゲオクが激怒。イルランとスチャンは本社を担保に借りた金でヨニに返済するが、ヨニの手には本社の登記簿が…。

【103】イルランとスチャンが本社を担保にしていたと知り、ゲオクは激怒。ヘジュはもう終わりだと絶望する。一方、ヨニはみんなに正体を打ち明けた。ヨニに土下座までしたイルランだが、許されるはずもない。チョン宅から産着を盗みだし、ヨニに本物のソナは生きていると告げる。

【104】イルランに脅され、ヨニはやむなく株主総会を中止に。イルランとスチャンはゲオクにもう一度チャンスを与えられた。スチャンのソナ殺害を知ったガンウクはヨニに土下座。2人は号泣して抱きあう…。イルランに3年間の渡米を条件に娘に会わせると言われたヨニは道で倒れ…。

【105】ヨニを病院へ運んだのはジェイムズという実業家。アメリカで養子になったという。ヨニは復讐を諦め、渡米を決意している。一方、コンニムは工場が勝手に小麦粉を変えていたことに気づき、商品を回収。信頼を取り戻すため路上でパンを配っていると、ジェイムズが足を止める。

【106】ジェイムズは良心的なヨナ堂に感心する。和信百貨店のベーカリーにコンニムとヘジュが応募。ギテクはガンウクがスチャンの息子と知って愕然とする。チュンシムもどうしても許すことができない。ガンウクは家を出ることを決意。コンニムは泣きながら引き止めようとするが…。

【107】ガンウクはコンニムの手を振りほどいて去った。一方、ジェイムズは百日紅の刺繍の夢を見ている。強盗に遭ったジェイムズをガンウクが救出し、2人は2年ぶりの再会を喜ぶ。和信百貨店の面接に向かうコンニムは倒れた老母を助け、ヘジュは無視。ジェイムズはそれを見ていた。

【108】和信百貨店のベーカリー事業はヨナ堂に決定した。一方、ゲオクはヨンジがすっかりなついたギスンに感謝する。ヘジュは父の写真を確認し、イルランとスチャンにジェイムズのことを話した。彼がスンジェではないかと思うイルランは戦争写真展で話しかけるが、そこにヨニが…。

【109】ヨニはスチャンに手を引かれて脅され、ジェイムズに会うことはできなかった。韓国医学協会からの手紙もスチャンによってすり替えられてしまう。一方、ガンウクがジェイムズの仕事を手伝うことに。病院跡を訪れたジェイムズの前に、ジェイムズ=スンジェと信じるゲオクが…。

【110】ゲオクとスンジェは泣きながら抱きあう。帰宅したイルランは絶句するが、記憶喪失が怖かったのだとごまかした。スチャンは自分の居場所がなくなるのではないかと焦りはじめる。スンジェが家に招待されたことでスチャンがイルランにキレると、ヘジュは「父さん!」と止める。

【111】美星製菓も和信百貨店も手に入れたいヘジュは「娘として最初で最後のお願い」とスチャンに懇願。イルランも説得し、スチャンの協力をとりつける。一方、ガンウクはコンニムと再会するが、おたがいに指輪をしていないと気づく…。ヨニが「娘を返して」とミン家へ怒鳴り込む。

【112】イルランが百日紅の刺繍のハンカチに気づき、スチャンがそっくりのものを捏造。スンジェはイルランを記憶の女性と思い込んでしまう…。一方、ヨニにソナの足の特徴を問われたイルランは、コンニムを家に招いて右足の裏にほくろを見つける。コンニムが本物のソナなのだった。

【113】コンニムがヨニの娘と知ったヘジュは憤慨する。一方、イルランにソナのほくろを言い当てられたヨニは娘に会わせてくれたら債券を渡して渡米すると約束。チュンシムもヨニが娘と再会できることを喜ぶ。しかし、ヨニのもとにある肌着を見てコンニムがソナと気づいてしまう…。

【114】チュンシムは心の準備ができず、コンニムがヨニの娘だとギテクにも話せない…。一方、ヘジュが和信百貨店の食品事業部で働くことになり、ガンウクは不快感を露わに。コンニムの企画書を破ったヘジュにスンジェは失望する。そして、コンニムがチュンシムに拾われたと知り…。

【115】コンニムは捨てられたと知って密かに涙を流す。一方、ヘジュはスンジェに信頼されるコンニムに嫉妬し、誤って階段から落ちたことをコンニムのせいに。警察沙汰になり、和解に応じなければ前科者だと脅される。ギテクがスンジェに土下座するところへコンニムがやって来て…。

【116】スンジェが告訴は取り下げたが、カフェ入店は取り消しに。一方、ソン女史が逮捕され、ヨニはアメリカで3年待つことを受け入れた。黙って発とうとするヨニにコンニムが気づき、2人は再会を約束して別れる。戻ってきたコンニムにチュンシムはヨニの娘なのだと打ち明けた…。

【117】ヨニとコンニムはうなずきながら抱きあった。戻ってきた2人にチュンシムは泣いて謝る。一方、ガンウクはヘジュの企画書を受け取らず、目撃者を探す。そして清掃員がヘジュの嘘を証言。ガンウクがそれをスンジェに報告する。スンジェがヨナ堂に向かう途中、ヨニを見かけ…。

【118】スンジェはコンニムに謝罪し、ギテクに娘を叱るべきと諭される。しかしヘジュは嘘を重ねるばかりだった。コンニムは一度は断ったカフェ入店を引き受けることに。一方、ゲオクはコンニムに謝ろうとしないヘジュを怒鳴りつける。そしてイルランとスチャンの話を聞いてしまう。

【119】ヘジュは仕方なくコンニムに謝るが、説教をされて逆ギレ。しかし、コンニムは謝罪を受け入れるとスンジェに伝えた。一方、ゲオクがスンジェの過去を調べはじめ、イルランは動揺。ゲオクはスチャンの画策でヨニを悪徳私債業者と思い込んでしまい「顔も見たくない」と告げる。

【120】スンジェの時計を質に入れたことでゲオクはイルランを疑い、スチャンが刺繍を捏造していたことを知る。そしてドクスと会い、イルランが偽物と確信。さらにスチャンが持っていた写真を見つけ、ヨニこそが本物だと気づく。ところが、ヨニに電話をしてるところへイルランが…。

【121】すべてがバレて土下座するイルラン。しかし、胸を押さえるゲオクが薬に手を伸ばすと、その場を逃げだした。見舞いに来たミンギュがゲオクを見つけ、病院へ。倒れる前に代理人に指名されていたのはドクスだった。イルランがゲオクの呼吸器に手をかけたとき、スンジェが…。

【122】ゲオクの病状が悪化。緊急理事会でイルランが次期社長となるためスチャンは手をまわす。美星製菓売却の噂を聞いたドクスがスンジェに訴えるが、イルランの指示で家政婦が嘘をつき、信じてもらえない。すべてを語るヨニに、ゲオクは「ソナのお母さん」と言い残して息絶える。

【123】ゲオクの遺言状には全財産をドクスに継がせると書かれていたが、イルランが書き換えた。ドクスが偽物と主張するもののスンジェは信じない。イルランが社長に就任し、真相をつかんだミンギュがお祝いにやって来る。一方、スンジェは捨てられたハンカチを見つけ、不審に思う。

【124】スンジェはイルランの言動に不信感を抱きはじめた。一方、リストラに反対したソノが地方に飛ばされ、怒ったミンギュはスンジェの写真でイルランを脅す。スチャンは「俺の女だ!」とイルランに迫る。スンジェは家政婦の嘘がイルランの指示と知り、ついにヨニの顔を思い出す。

【125】スンジェはイルランが偽の妻と確信。ガンウクに話を聞かれたヘジュは、スチャンが実父と明かして1週間の猶予をもらうが、「私も被害者」と狂言自殺で同情を引く。一方、ギテクがコンニムを捨てたのはイルランと気づき、ヨニも彼女が犯人と確信。イルランを問いつめるが…。

【126】スンジェの誕生日。食卓に好物がひとつもないと言われてイルランは動揺する。コンニムのおすそわけの料理には好物ばかり入っている。一方、ミスター・チョが美星製菓を買うと口頭契約。コンニムに招待されたスンジェはヨニに呼び止められるが、気づかずスチャンに襲われ…。

【127】ガンウクに救われたスンジェは殺人事件として報道させた。会社の権利書をミスター・チョに渡して海外逃亡を企てたイルランは逮捕され、スチャンはひとり逃亡。しかしイルランは証拠不充分で釈放される。スンジェがコンニムの母がヨニと気づき、2人は駆け寄って抱きあう。

【128】抱きあうスンジェ、ヨニ、コンニム。ガンウクは指名手配中のスチャンに自首を説得。イルランが轢こうとしたコンニムを庇ってスチャンは絶命する。イルランは罪を認めて刑務所へ…。ヘジュはミンギュらと劇場前の屋台で働いている。コンニムとガンウクが新婚旅行から帰宅。終

2016年12月30日

私の心は花の雨【あらすじ】061-090

【061】ヘジュは自分がスチャンの子と聞いてショックを受け、入院。見舞いに来たソノさえも拒む。イルランに怪我をさせて密かに血液検査をすると、自分とスチャンだけがAB型だった。一方、コンニムとガンウクがばったり会い、2人で食事。ガンウクがコンニムに幼少期の話をする。

【062】ヘジュはスチャンを、そしてイルランをも拒絶。美星で生き残るため大学に退学届を提出する。一方、ドクスが新商品開発を任され、イルランは憤慨。スチャンの提案で新商品の社内公募を開催。美星製菓で働くことを決意したヘジュはコンニムに「また私が勝つ」と宣戦布告する。

【063】イルランはヘジュの退学に憤るが、スチャンは賛成だ。ヘジュはコンニムは芋のパンを思いつき、ヘジュはチョコのカステラを作ることに。一方、迷子のヨンジをギスンが見つけるが、誤解したドクスはギスンを怒鳴りつけた。コンニムの忘れていった企画書をヘジュが破り捨てる。

【064】企画書がなくなったことに気づくコンニムだったが、ヘジュが盗んだ証拠は見つからない。一方、ドクスのことを諦めようとしていたギスンのもとに、ドクスが謝りに来る。市場で倒れたゲオクを通りかかったヨニが助ける。なんとかコンニムも予選を通過し、ドクスと組むことに。

【065】ソノの描いたコンニムの絵を見たヘジュは2人が隠れて会っていたのかと憤慨し、コンニムに「一夜を共にした仲」と自慢する。ガンウクは「俺とはじめよう」とコンニムを抱きしめた。一方、本審で同点のコンニムとヘジュは研修生に。ヨニのもとにソナが見つかったと連絡が…。

【066】ヨニはソナとの再会に涙。一方、スチャンがガンウクの父であることがイルランにバレてしまった。ミンギュがイルランに婚約式を提案し、ソノは「コンニムさんを守ってくれ」とガンウクに頼む。アトリエにやって来たヘジュが先輩に嘘を頼んでいるのをソノが聞いてしまう…。

【067】ソノはヘジュの嘘に激怒。ヘジュは婚約を急ぐようイルランにせがむが、ソノに婚約する気はない。怒るイルランにヘジュは嘘を打ち明けた。一方、ミン家に招待されたギスンはヨンジに野菜を食べさせ、ゲオクに気に入られる。ソナは金目の物を盗み、コンニムには反発している。

【067】ソノはヘジュの嘘に激怒。ヘジュは婚約を急ぐようイルランにせがむが、ソノに婚約する気はない。怒るイルランにヘジュは嘘を打ち明けた。一方、ミン家に招待されたギスンはヨンジに野菜を食べさせ、ゲオクに気に入られる。ソナは金目の物を盗み、コンニムに反発している。

【068】ミンギュは美星製菓を手に入れるため婚約の話を強引に進める。一方、ガンウクがスチャンへの協力を拒んで殴られるのをコンニムが目撃。コンニムはガンウクの誕生日ケーキを作って迎え「そばにいたい」と伝える。ヘジュがコンニムの企画を盗み、ゲオクは2人に脱落を告げた。

【069】ソノが留学を決意し、ヘジュはコンニムを逆恨みする。一方、ガンウクはコンニムに計量スプーンを贈った。ゲオクはコンニムとヘジュにもう一度チャンスを与えることに。ヘジュはスチャンに関わるなと告げる。言い争うガンウクとスチャンを目撃し、ヘジュは2人が親子と知る。

【070】ヘジュは兄と知ったガンウクに協力を求めるが、断られる。一方、ゲオクがパク看護師と会い、彼女を覚えていないイルランを疑いはじめた。ドクスはパク看護師からイルランがヨニとは別人と聞き、当時の写真を借りることに。しかし、その写真はヘジュが先に見つけてしまう…。

【071】ヘジュは母がヨニではないと疑い、イルランという女性の調査を興信所に依頼する。ところが、ドクスの連れてきたパク看護師はゲオクの前で証言を覆した。スチャンに不倫現場の写真で脅されていたのだ。一方、ガンウクはミンギュの命令に従えずにいる。ヘジュは酔って荒れる。

【072】ヘジュは父の写真を破って過去を葬ることを選んだ。清掃員を買収して写真は捨てたと言わせ、イルランとスチャンは安心する。一方、二次課題はピーナッツクリームパン。コンニムはピーナッツアレルギーがあるとは言いだせない。ガンウクは最後の仕事として密輸を引き受ける。

【073】密輸現場に警察が現れ、ガンウクは逃走。負傷し、ソノがアトリエに匿う。コンニムは帰らないガンウクを心配するが、サニーから出張と聞かされて安心している。一方、ヘジュは美星製菓に雇われたソナと友人になり、コンニムの動向を探させる。そしてコンニムのレシピを破る。

【074】コンニムはピーナッツクリームパンを味見して倒れた。ゲオクもヨニもスンジェを思い出す…。ヘジュが美星製菓に入社するが、収賄が発覚し、対決は無効になった。一方、コンニムがガンウクの逃走を知ってソノにアトリエに連れて行ってもらうと、そこにミンギュがやって来る。

【075】ミンギュはコンニムに激怒。ソノはガンウクを守ってほしいと一度は帰らせたコンニムに鍵を渡し、ヘジュに内緒にするよう頼む。一方、ソナの母が元看護師のソ・ヨニと聞いて確かめにいくが、イルランはチュンシムと勘違いして安心する。ところが、自宅にヨニが招待されて…。

【076】イルランは隠れてゲオクとヨニの話を聞き、スチャンにソナを捨てたことを打ち明ける。一方、サニーとドチョルが酔って同じ部屋で寝てしまい、チュンシムに見つかる…。自首することを決意したガンウクをソノが止める。イルランはソナの肩の火傷を確認しようと更衣室を覗く。

【077】イルランはソナがスンジェの娘と確信。一方、ヘジュは社長室に忍び込んで製法を盗み見たうえ、コンニムに罪をなすりつけようとする。気づいたゲオクは激怒し、土下座しても許さない。ところが、気分の晴れないコンニムはもう一度、正々堂々と対決したいとゲオクに申し出る。

【078】スチャンが帳簿を書き換え、ソナは決済金額をミスしたことにされてしまった。イルランはヨニを美星製菓に来させないよう画策する。一方、ガンウクは中央劇場で裏帳簿を入手。スンジェの医学部の同窓会が開催され、そこでヨニはイルランとゲオクの姿を見つけて声をかける…。

【079】イルランは倒れたふりをしてヨニを説得。夫と結婚するため過去を隠したと言いくるめる。その一方でスチャンはソナからヨニとスンジェの写真が存在すると聞く。最終対決でコンニムはイカ、ヘジュは林檎を材料として選択。そして社員投票でコンニムのイカスミパンが選ばれた。

【080】コンニムは開発室へ勤務することに。ヘジュはミンギュにガンウクの居場所を密告。ガンウクは逮捕された。一方、スチャンは祖母を見つけてやるからとソナからスンジェの写真を手に入れる。ソナはチュンシムの部屋で百日紅の刺繍の肌着を見つけ、コンニムが捨て子と耳にする。

【081】ソナはコンニムがヨニの本当の娘ではないかと思いはじめる。一方、ガンウクを救うためソノは父に土下座し、ヘジュとの婚約の条件を呑む。工場勤務を命じられたヘジュは商品化の決まったイカスミパンのレシピをサミョン食品に渡す。ガンウクが釈放され、コンニムと抱きあう。

【082】ソノの婚約の日取りが決まり、ガンウクはようやくミンギュから解放された。一方、サミョン食品がイカスミパン発売を発表し、ヘジュはコンニムの仕業ではないかと吹聴する。ソナが写真をスチャンに渡したと知ったヨニは美星製菓へ。ゲオクにソナの父の名を訊かれてヨニは…。

【083】スチャンが機転を利かせ、イルランの嘘はバレずに済んだ。サミョン食品の社員が声をかけられたコンニムは、内通していたのではないかと疑われる。ガンウクはスチャンを怪しんでいる。一方、ソナはスンジェとヨニの写真を確認。スチャンとイルランの話を聞いて逃げるが…。

【084】ソナは亡くなった。スチャンは証拠を燃やすが、ヨニが逃げるのを見たと証言し、逮捕された。ガンウクは「それでも人間か!」と涙を流し、コンニムが抱いて慰める。一方、イルランはソナの友人たちの話を聞き、ソナの肩を確認。火傷の痕はなく、ヨニの娘ではないと気づく…。

【085】イルランは刑事に金を渡してスチャンと面会。ファン部長を買収してアリバイを作り、ヨニがソナを解雇されてスチャンを恨んでいたとでっちあげ、スチャンは釈放された。ソナの最後の言葉を思い出したヨニはゲオクに写真について尋ねるが、イルランの策略で逮捕されてしまう。

【086】ヨニはゲオクの財布の写真を見せてもらうが、スチャンがすり替えていた…。コンニムがソナの遺品からスチャンのカフスボタンを見つけるが、スチャンはそれもファン部長の偽証で切り抜ける。一方、コンニム宅に忍び込んだイルランは百日紅の刺繍の肌着を見つけて愕然とする。

【087】マングが工場の配線に細工し、機械をショートさせたギテクとコンニムは解雇されたうえに損害賠償を請求される。ガンウクがコンニムに金と手紙を残して遠洋漁船へ。ヨニは罪を認めて刑務所に送られた…。3年後。ヨナ堂を興したコンニムはパンの配達中、ヨニの姿を見つける。

【088】ヨニは人違いだと去っていった。ソノが留学から帰国し、美星製菓に出社。ヘジュはパンの開発をしている。ドチョルは司法試験に落ち続けているが、サニーと結婚した。突然、ガンウクが現れ、みんな泣いて喜ぶ。コンニムとガンウクがヨニの面会に行くと、すでに出所したと…。

【089】ヨニが以前と変わらない姿で食堂に現れ、チュンシムは大喜びで迎え入れる。一方、美星製菓の売上減少を調べていたソノがヨナ堂を知り、コンニムと再会する。アメリカ大使館の職員がヨナ堂のパンを気に入る。ヨニはジュリアとしてイルランの目を欺き、あらためて復讐を誓う。

【090】アメリカ大使夫人に気に入られ、国際婦人会への納品業者はヨナ堂に決まった。ところが、イルランとスチャンが食中毒の噂を流し、クレームが殺到して騒動に。納品業者は美星製菓になってしまった。一方、ミンギュがようやく投資家との面会をとりつけるが、現れたヨニに驚く。

2016年12月29日

私の心は花の雨【あらすじ】031-060

【031】コンニムはガンウクを放っておけず、朝まで看病。ギテクはコンニムが外泊したと知って怒り、劇場から「すぐに辞めなさい」と連れて帰る。一方、イルランはヨニのことを知ろうとヨンイムに探りを入れ、ヘジュが見舞いに行ったことを知る…。泥酔したソノをヘジュが見つける。

【032】ヘジュはソノを家に送り届け、好きな相手がコンニムではないかと気づいた。ソノは「つらい想いをさせたくない」と黙っているよう頼む。一方、ミンギュはガンウクを自宅に呼び戻すことに。ガンウクはコンニムに心配されて笑顔。イルランとヨニが会うのをスチャンが見かけ…。

【033】スチャンはイルランがヨニの身分を奪ったと知り、共謀することに。イルランはヘジュはヨニの娘なのだと嘘を貫いた。一方、コンニムはガンウクの優しさに触れ、距離を縮めていく。それを見たソノはため息…。ヨニを監視していたスチャンはガンウクが一緒にいるのを見て驚く。

【034】ガンウクはスチャンに社長の家族に近づくなと警告。一方、ヨンイムはミンギュに映画の投資金を出してもらうが、劇場のトイレにハンドバッグを忘れ、ウニョンに盗まれてしまう。ところが金が出てきたのはコンニムの鞄。ガンウクが庇うものの、ミンギュはコンニムを追い出す。

【035】ソノがコンニムの無実を訴えてもミンギュは聞こうとしない。コンニムはウニョンが鞄に何かを入れていたのを思い出した。ウニョンと恋人のヒョンソプが言い争っているのを聞いて事実を知るが、ウニョンが妊娠していると聞いて、コンニムは罪をかぶったまま中央劇場を辞める。

【036】コンニムはソノに別れを告げ、泣きながら帰った。ソノに金のことを打ち明けられたガンウクは、コンニムを心配するが、チュンシムに塩をまいて追い返される。一方、ヨンイムは夫とヨニの浮気を疑いはじめた。ヨニが施設の奉仕活動に行くと知ったスチャンがイルランを止める。

【037】イルランはゲオクに火傷を負わせて病院へ。ヨニと鉢合わせせずに済んだ。一方、ヘジュはコンニムが仕事を辞めたことにほくそ笑んでいたが、ソノが次の仕事を探してあげていると知って怒る。コンニムはヘジュに美星製菓への応募を薦められ、面接でゲオクとイルランの前へ…。

【038】「信頼は目に見えないところから」と語るコンニムをゲオクは気に入る。コンニムが入社。ヘジュは身分を明かし、母を紹介して。そしてソノにコンニムの就職を伝え「彼女を忘れて」と告げる。一方、父を尾行したヨンジはサニーを睨みつける。ドクスはゲオクにヨニを紹介する。

【039】ゲオクはヨニとの縁に喜ぶ。イルランはスチャンのおかげで鉢合わせをせずに済んだ。一方、ヨンジは父の相手にサニーは許せないとギスンと同盟を組む。ヘジュはソノを振り向かせようと「コンニムには恋人がいる」と告げた。イルランがミンギュのライターをヨニの部屋に…。

【040】ヨンイムがヨニの部屋で夫のライターを見つけ、激怒。ミンギュが咄嗟にかばうが、ヨニは嘘をつけず、ヨンイムはますます疑う。一方、コンニムがソノを思い出して中央劇場へ。ソノとばったり会い、「行かないで」と抱きしめられる。それを見かけたヘジュは黙って立ち去った。

【041】ヘジュは「私を傷つけた」とコンニムを拒絶。説明しようとするコンニムだったが、ヘジュに無視され、その友人たちに侮辱される。一方、ミンギュが火傷をしたヨニに駆け寄ったところへヨンイムが帰宅。ヨニは憤慨するヨンイムに追い出され、チュンシムに食堂に泊めてもらう。

【042】ヨニはチュンシムに引き止められ、食堂で住み込みで働くことに。釜山に行ったと聞いたイルランは安堵する。一方、ひったくりに遭ったヘジュはガンウクに取り返してもらうが、お礼に金を渡そうとして呆れられる。ソノはコンニムとデートをするが、父に別れるよう命じられる。

【043】コンニムとヨニが再会を喜ぶ。ヨニはガンウクの好きな相手がコンニムと気づいた。一方、イルランはスチャンに家を要求されている。コンニムがスチャンの机に発注書を置いたが、それをイルランが奪って破棄。納品されていないとクレームがあり、スチャンはコンニムを責める。

【044】ヘジュも何も見ていないと嘘をつき、コンニムは悔し涙を流す。一方、ソノは劇場に難癖をつけたキム社長に毅然とした態度を見せ、ゲオクは感心してヘジュに交際を許可する。ガンウクはミンギュにソノの恋人を調べるよう命じられた。ソノとコンニムが抱きあうのを目撃して…。

【045】ガンウクはソノとコンニムの関係を知って涙…。一方、イルランが発注書の切れ端をスチャンの机に置き、それをドクスが見つける。ゲオクはスチャンを見限った。コンニムの濡れ衣は晴れ、ゲオクから謝罪される。いよいよ追いつめられたスチャンはゲオクの乗る車を故障させ…。

【046】車に轢かれそうになったゲオクを救ったのはスチャンだった。イルランはそれが彼の自作自演と見抜くが、スチャンはしらを切る。一方、コンニムと別れないというソノにミンギュは激怒。しかしコンニムはソノが大学生と知って怒るのだった。イルランが帰宅するとスチャンが…。

【047】スチャンはゲオク宅で一緒に暮らすことになった。一方、ソノとコンニムの待ち合わせを知ったヘジュは、嘘でソノをレストランに呼び出すが、ソノに「君とは付き合えない」と告げられて泣く。その夜、ソノは劇場前で老婆を追い払う父を非難。そこにコンニムがやって来て…。

【048】ソノが社長の息子と知ったコンニムはショックを受けて泣きながら去る。ソノは酔って自暴自棄になり、ガンウクもヨニの前で「胸が痛い」と泣く…。コンニムは「住む世界が違う」と戸惑うが、ソノは「乗り越えよう」とその手を取る。その一方、ヨンイムとチュンシムが喧嘩に。

【049】交際を知ったギテクがコンニムを連れ帰り、ミンギュはソノを部屋から出そうとしない。ガンウクが庇おうとするが、ミンギュは耳を貸さない。ヨンイムはソノとヘジュを交際させようとすると、イルランは「釣り合わない」と猛反対。ミンギュが部下をコンニムに家で暴れさせる。

【050】殴られたドチョルが意識不明の重体に。コンニムはチュンシムに責められる。ソノが泣きながら土下座するが、ギテクは「何かあったら殺してやる」と怒りを露わにする。警察に行っても相手にされない。ギテクが劇場に怒鳴り込み、ミンギュが手をあげたところへガンウクが…。

【051】悔し涙を流すギテク。ミンギュはガンウクがコンニムを好きと気づく。コンニムは自分を責め、泣いて謝るが、チュンシムは顔も見たくないと拒んだ。ソノは家を出て先輩のアトリエへ。一方、スチャンはヘジュの生後間もない写真を見て自分の子と確信し、イルランを問いつめる。

【052】イルランがすべてを打ち明け、スチャンは美星製菓がヘジュのものになるよう協力をもちかける。一方、コンニムはミンギュに金を突き返し、ガンウクは歯向かったことで殴られる。ドチョルの意識は戻ったが、コンニムは「もうやめましょう」と抱きしめるソノの腕を振りほどく。

【053】コンニムとソノはそれぞれの家族に別れたと報告。ヘジュは喜んでいる。ドチョルの治療費を払えず困惑するチュンシムにヨニが大金を差し出すが、実はガンウクが用立てたのだった。ヘジュがソノに冷たくされて泥酔し、劇場へ。ガンウクが家まで送り届けると、スチャンが…。

【054】スチャンはガンウクにヘジュはいとこの娘と説明。一方、イルランはゲオクがドクスを後継者に考えていると知って衝撃を受ける。ガンウクはソノが尾行されていることに気づき、「コンニムは俺が守る!」と宣言。チュンシムには毛嫌いされていたが、ヨニが治療費の件を明かす。

【055】スチャンの策略で決済ができず、ドクスはゲオクに責められる。コンニムがスチャンを見たと訴えるが、決定的証拠はない。その一方でスチャンはサニーに大金を受け取らせていた。サニーはドクスから届いたと思い込み、それを聞いたゲオクはますますドクスを疑い、問いつめる。

【056】ガンウクはチュンシムの計らいでコンニムの家で暮らすことになった。それを聞いたソノはショックを受ける。一方、イルランはスチャンが怪しいとドクスに吹聴するが、それは信頼を得るための策略。スチャンがガンウクに親子関係を口止めしようとしているところにヘジュが…。

【057】ガンウクは「初めから父親など存在しない」と突っぱねた。コンニムはスチャンの腕時計を思い出すが、それをイルランに話してしまう。一方、ヘジュが協力をもちかけ、ガンウクは「愛は所有じゃない」と呆れる。スチャンが雇った男をガンウクが捕まえ、美星製菓に連れていく。

【058】スチャンが手をまわしてあり、男は嘘を証言。コンニムはスチャンに謝罪した。一方、ヨニは娘のために買った洋服をコンニムに着てもらい、涙を流す。ミンギュがガンウクから話を聞いてヨニの子を捜すことに。スチャンがヘジュの大切にしている父スンジェの写真を破ろうと…。

【059】反抗するヘジュにスチャンは誰の娘か言いそうになるが、イルランが止めた。スチャンはヘジュの機嫌をとろうとするものの、ますます嫌われる。一方、泥酔したソノを見つけたヘジュはふたりが一夜を明かしたと思い込ませ、ソノは「好きになるよう努力する」と交際を申し込む。

【060】学園祭でヘジュはソノと腕を組み、コンニムとガンウクに見せつける。ヘジュはソノとの交際を知ったイルランに反対されるが、聞く耳をもたない。スチャンの説得でイルランも交際を許可した。その後、スチャンがイルランに「俺の娘だ」と話しているのをヘジュが聞いてしまう。

2016年12月28日

私の心は花の雨【あらすじ】001-030

【001】1950年。ヨニが妊娠し、スンジェは結婚を約束。知らせを受けたゲオクも喜ぶ。一方、イルランも妊娠したが、実は妻子のいたスチャンに捨てられてしまう。戦争が勃発。スンジェとヨニは大邱に避難する途中でイルランを同乗させた。ところが爆撃に遭い、スンジェが倒れ…。

【002】ヨニに手をつかまれるが、イルランは振りきって逃げだした。せめてゲオクに息子の死を伝えようと大邱を訪ねると、ドクスがスンジェの婚約者と思い込み、そのままなりすますことにする。ヨニとイルランはそれぞれ娘を出産。やっと大邱に辿り着いたヨニがイルランを見つける。

【003】イルランの無事を喜ぶヨニ。スンジェの実家を訪ねるつもりと聞き、イルランはなんとか阻止しようと画策。ヨニを尾行してソナを奪う。置き去りにされたソナをギテクが見つけ、連れ帰ってコンニムと名づけた。1971年、ソウル。コンニムはチュンシムの食堂を手伝っている。

【004】イルランはヨニになりますし美星製菓の常務となっていた。娘のヘジュは医師を目指す大学生。無関心をソノに責められ、学生デモに参加する。検挙されたソノは有力者の父ミンギュのおかげで釈放。止められなかったガンウクが殴られる。ガンウクはコンニムを思い出している…。

【005】ヘジュはソノが気になり、大学で捜す。一方、ミンギュに取立の仕事を命じられたガンウクが町でコンニムと再会。学生と思い込まれ、ソノから字を習うことを決意する。チュンシムが貸しだす空き部屋にサニーがやって来た。スチャンが中央劇場から出てきたイルランを見かけ…。

【006】ヘジュはソノに勉強を教えてもらおうとするが、ソノはドチョルに頼んで去ってしまった。ガンウクはソノに字を習いはじめる。一方、コンニムは父と兄の協力で大学検定に出願。大学構内で拾った財布を手にしていると、そこにヘジュが現れる。スリの仕業だったが、ヘジュは…。

【007】ヘジュはコンニムを疑い「こんな生き方はしないで」と去っていった。一方、ギテクはキムさんに土下座され、借金の保証人になってしまう。イルランのの提案で新商品の試食会を開くと、そこにやって来たスチャンが暴れだす。止めに入ろうとしたイルランはスチャンと気づき…。

【008】なんとかスチャンに見つからずに済んだイルランだったが、動揺を隠せない。一方、カサブランカが開店。ミンギュは警察署長からソノのことで忠告されて憤慨する。コンニムはチュンシムに産んでくれたことを感謝。妻に責められる博打仲間を見たスチャンはイルランを思い出す。

【009】イルランはスチャンを捜すよう興信所に依頼。一方、コンニムはガンウクと再会し、小説『傲慢と偏見』の話で盛り上がる。しかし牛乳にクレームが殺到し、販売所は閉鎖の危機に。キムさんの夜逃げが発覚する。スチャンが尾行していた興信所の男を捕まえ、イルランに電話を…。

【010】イルランは子は死んだと言うが、スチャンに脅迫され、仕方なく金を渡した。一方、牛乳配達所を閉めることになり、コンニムは最後の配達でヨニと言葉を交わす。警察から逃げたソノはガンウクの部屋に匿ってもらう。ギテクの取立にやって来たガンウクはコンニムに気づいて…。

【011】ガンウクは逃げるように去っていった。チュンシムは泣きながらギテクを責める。コンニムはドチョルに追い立てられたものの検定試験を受けられなかった…。イルランは興信所を閉めるよう大金を渡す。コンニムは学費として貯めてきた金をギテクに差し出した。ガンウクは泥酔。

【012】ソノを見つけたミンギュは激怒。仲間のリストを突きつけられたソノは休学届を提出した。それを知ったヘジュは落ち込む…。一方、ギテクはガンウクに土下座し、もう家には来ないと約束してもらった。中央劇場で働きはじめたソノは、ポスター貼りの最中、コンニムとぶつかる。

【013】コンニムはソノを変態と思い込む。ガンウクはカサブランカで働きはじめ、コンニムと再会。言い訳するが、「もう会いたくない」と言われてしまう。一方、大学でスリが逮捕され、誤解に気づいたヘジュは後悔する。コンニムが仕事を求めて中央劇場へ行くと、そこにはソノが…。

【014】コンニムは中央劇場のチケット売場に採用された。変態と疑うソノを警戒するが、本を読む姿にはいい印象をもつ。一方、ギテクは美星製菓に入社。ヘジュはコンニムに誤解したことを謝りに来た。スチャンはイルランの居場所を探して美星製菓へ。出勤したイルランの前に現れる。

【015】コンニムはソノに誤解したことを謝るが、その手から輸入雑誌が…。やっぱり変態だと脛を蹴り上げた。しかし、社長に怪我の理由を言わないソノを少し見直す。一方、ヨニはヨンジにマフラーを編んであげた。イルランは仕方なくスチョルに大金を渡す。そこにドクスが現れて…。

【016】イルランはスチャンを取引先の新任部長と紹介するが、ドクスは嘘に気づく。一方、コンニムは映画館で不良少年を追い帰すが、恨みを買い、帰り道でからまれる。ソノが現れ、一緒に逃げるが、コンニムは片方の靴を亡くした。ドクスが常務室でメモを見つけ、スチャンを訪ねる。

【017】ヘジュは中央劇場の社長がソノの父と気づく。コンニムはソノに借りた靴を返す。一方、ドクスが家にスチャンを連れてきた。慌てて帰宅したイルランはすべてがバレたと観念して土下座するが、スチャンは従兄だと言いくるめていた。コンニムがガンウクの部屋でスタンプを落とす。

【018】コンニムはスタンプの紛失を先輩に叱られ、ガンウクの部屋にメモを残した。一方、ギスンは美星製菓に化粧品を売り込み、口紅を買ってくれたドクスを好きになる。ドクスはその口紅をサニーに贈った。ゲオクがスチャンを招待させ、イルランはヘジュを水原工場に行かせるが…。

【019】スチャンはヘジュが自分の娘じゃないかと言いだし、イルランはむきになって否定する。一方、コンニムはスタンプを見つけてくれたソノに花を買うものの、渡せない。ソノはヘジュに選んでもらった靴をコンニムに贈り、ヘジュはショックを受ける。ミンギュはヘジュを気に入る。

【020】ガンウクと父のスチャンが10年ぶりに再会。ガンウクは母が倒れても博打をしていた父を今も憎んでいる。スチャンはイルランを脅し、ヘジュと2人きりで会う。一方、たがいに意識するコンニムとソノ。コンニムはソノがヘジュと交際しているわけではないと聞いて、つい喜ぶ。

【021】帰宅したヘジュがスチャンからの贈り物をイルランに渡す。それは真っ赤なネグリジェだった。スチャンはイルランに会社の椅子を要求する。一方、コンニムはソノの前でぎこちない。コンニムの靴に気づいたヘジュが好きな相手はソノと打ち明け、ソノはコンニムに告白するが…。

【022】コンニムはヘジュの言葉を思い返し、ソノの告白を聞かなかったことに。ソノは牛乳配達員がコンニムだったと気づくが、あげた靴も履いていないのを見て引き下がる。一方、イルランは孤児院の奉仕活動へ。来るはずだったヨンイムの入院を聞いて見舞いにいくと、ヨニがいて…。

【023】イルランはヨニから逃げた。スチャンからはまた脅迫の電話。コンニムのつくった粥はヘジュがヨンイムの見舞いに持参した。コンニムはヘジュの恋に協力するのだった。一方、ギスンはドクスを誘おうとするが、ヨンジに邪魔をされる。ガンウクが劇場でコンニムの声に気づき…。

【024】コンニムはガンウクの弁解も聞かず帰ったが、サニーから利子の件を聞いて憤慨。ただ助けたかったというガンウクに「チンピラに同情されたくない!」と言い捨てる。一方、イルランはスチャンを遠くへやろうと画策。ガンウクの好きな相手がコンニムと気づいたソノは衝撃を…。

【025】コンニムはソノにもサニーにもガンウクはいい人と言われ、誤解していたのではないかと思いはじめる。一方、ゲオクがスチャンに用意した惣菜をヘジュが持っていくことに。スチャンはイルランの策略で料亭に向かうところだった。スチャンとヘジュは睡眠薬入りの茶を出され…。

【026】ヘジュがスチャンと一緒と知ったイルランが駆けつけ、間一髪、茶を飲ませずに済んだ。しかし、スチャンに怪しまれてしまう。明日までに会社に椅子を用意するよう脅されたイルランは、会社が停電になったことで、ある方法を思いついた。スチャンとマングが工場に忍び込み…。

【027】スチャンとマングは工場の冷蔵設備の電源を切断。翌朝、材料が台無しになり、美星製菓では納品が間に合わないと大騒ぎに。スチャンが現れ、材料を調達する。一方、コンニムが給料を前借りしたが、実はソノが内緒で用意したものだった。ギテクが返済のため劇場にやって来る。

【028】コンニムは咄嗟にソノと隠れた。ギテクはミンギュにカサブランカへ行くよう言われる。一方、ゲオクがスチャンに会社に来てもらおうと言いだす。父と買い物に出かけたヨンジはばったりヨニと会い、靴を選んでもらう。コンニムがギテクの代わりに借金を返しにカサブランカへ。

【029】ガンウクは受け取ろうとしないが、コンニムは金を置いていく。一方、スチャンは美星製菓の営業部長として迎えられた。ヨンイムはキム監督に女優復帰を売り込む。ヘジュはソノに告白するが、ソノに「後輩で友人」と断られてしまう。劇場に来たイルランはヨニと鉢合わせする。

【030】ヨニは「幸せそうでよかった」と再会を喜ぶが、イルランは戦々恐々。その一方でソノに想いを寄せるヘジュに「家柄が悪い」と反対する。ヘジュが会いに来ると、ソノは困惑。チャン局長がヌリ会の開催をカサブランカにしたため、ヤン社長が激怒。ガンウクが刺されてしまう…。

2016年11月26日

パパ

芸能マネジャーのチュンソプ(パク・ヨンウ)は逃げた所属歌手を捜しにアメリカへやって来た。ミヨン(シム・ヘジン)と偽装結婚をして不法滞在から逃れようとするものの、その直後、ミヨンが交通事故で他界。強制送還されそうになったところ、チュンソプの前に現れたのは、ミヨンの娘のジュン(Ara)だった。彼女は母が養子にした5人の弟妹と暮らしている。「宮廷女官チャングムの誓い」が大好きな黒人系のゴードン、シニカルなスパニッシュ系のマヤ、ラッパーを目指す双子のジミー&トミー、そしてチュンソプを「パパ」と呼んで抱きついてくる幼いロジー。仕方なく家族のふりをするチュンソプだったが、やがてジュンの天才的な歌声を知って……。

 新大久保映画祭2016で鑑賞。劇場未公開作とはいえ、なぜ4年も前の作品をやるのかと思ったのですが、新大久保はアジアを中心とするさまざまな国の人々が集まる街。この映画祭も「多文化共生」を打ち出すようになり、3回めとなる今年は、韓国映画のみならず中国やヴェトナムなど7ヶ国の作品を上映するのでした。
 そんな趣旨からすると、この『パパ』はぴったりですね。アメリカが舞台で、多様なバックボーンをもつ血のつながらない兄弟姉妹と心を通わせていく主人公。疑似ファミリーが繰り広げる笑いと涙のヒューマンドラマです。音楽でひとつになるというところも、ありがちといえばありがちですが、子どもたちが愛らしく、楽しい場面でした。パク・サンチョルの「無条件」を歌うロジーもかわいい。パク・サンチョルが特別出演してたりも。そして、ラストシーンはあったかなサプライズ。

パパ

原題 파파(パパ)
2011年/韓国/118分/2012年2月1日公開(韓国)
第7回東アジア市民共生映画祭にて日本初上映(2015年10月10日)

2016年11月25日

ミス・ワイフ

冷静沈着で勝訴率100%の独身弁護士のヨヌ(オム・ジョンファ)は、ある日、交通事故に遭った。目覚めたヨヌの前に現れたのは、そこが天国の中継所だというイ所長(キム・サンホ)。手違いで早く亡くなった人の代わりに1ヶ月を過ごせば、生き返らせてくれるという。その条件を呑んで再び目覚めると、ヨヌは2人の子をもつ主婦になっていた。夫のソンファン(ソン・スンホン)、生意気な娘のハヌル(ソ・シネ)らとの暮らしは以前とは真逆。パニックに陥るヨヌだったが……。

 当初『素敵な悪夢』として撮影も進められていた作品、結局、韓国でも『ミス・ワイフ』として公開されました。当たり障りのないタイトルすぎて、元のほうがよかった気もしますね。
 クールな独身弁護士という役にオム・ジョンファがぴったり。娘のハヌルに「サイボーグみたい」と言われたりしてヒヤッとしますが(笑)。ソン・スンホンは“無駄にハンサムな公務員”という役どころで、娘に煙たがられるお調子者。最初はコミカルすぎてどうも合わない気がしたのですが、物語が進むと、妻への侮辱だけは絶対に許さない、男気のあるところを見せたりするのでした。「この濃い眉がカッコいいって言っただろ!」なんて鉄板ネタもあります(笑)。そして、出番は少ないもののラ・ミランがやっぱりおもしろい。
 恋愛や家族とは無縁のキャリアウーマンが入れ替わりの人生を経験するうちに……と想定内のストーリー展開ですが、それなりに楽しめました。ただ、イ所長の正体というのは必要だったんでしょうか!? 伏線らしきものはなかったように思いますし、唐突すぎるような気が。

ミス・ワイフ

原題 미쓰 와이프(ミス・ワイフ)
2015年/韓国/124分/2015年8月13日公開(韓国)
2016年8月13日公開(日本) http://misswife-movie.com

監督 カン・ヒョジン(『ミス・ギャングスター』)
脚本 キム・ジェヨン(『夜の女王』)、チョン・ミンギュ

2016年11月23日

イ・ラン@タワレコ渋谷

 ヒョゴ@duo MUSIC EXCHANGEの前にはTOWER RECORDS渋谷店の6Fイベントスペースでイ・ランのインストア・ライヴがありました。『ヨンヨンスン』『神様ごっこ』の日本盤リリースを記念したイベントで、いずれか購入の場合は先着でサイン会への参加も。すでに持ってるので、ライヴの観覧だけでしたが。
 2集『神様ごっこ』でも印象的なチェロを従えての全5曲。1曲めを除いてすべてその2集からの曲でした。「無料なのでアンコールはなし」とか、あけすけなMCがステキ(笑)。

이랑(イ・ラン)@TOWER RECORDS渋谷店

カツオ・プレゼンツ・熱い音ライブ
2016/11/19

1. ヨンヨンスン
2. 神様ごっこ
3. 家族を探して
4. 世界中の人々が私を憎みはじめた
5. 私はなんで知っているのですか

2016年11月22日

ヒョゴ@duo MUSIC EXCHANGE

昨年のTSUTAYA O-nest公演は即完だったそうで、今回ももちろん完売でしたが、なんとか観ることができました。前々日の大阪公演を経ての東京公演。開場前からduo MUSIC EXCHANGEの入口付近にはものすごい人でした。開演直前に倒れた人もいたようです(大丈夫だったでしょうか……)。年齢層は幅広く、意外と男性率が多かったように思います。
 オープニングにはオフショットの映像が流れ、2曲が終わったところで最初のMC。ポケットから紙切れを取り出して、たどたどしい日本語で衣裳について「カガクシャカンジデキテミマシタ」と話したりすると、会場のあちこちから「かわいい」との声が(笑)。オ・ヒョクのコワモテとのギャップがウケてるんでしょうね。ほとんど客席を見ずに(時には完全に背を向けて)歌いますが、どんだけシャイなのか(笑)。
 中盤で披露した「맛있는술」はドラマ「アントラージュ」の挿入歌。攻めてきましたねぇ。イントロから超絶カッコいい。今いちばん好きな曲かも。カントリー調の「멋진 헛간」は、ブレイクのひとつのきっかけ、バラエティ番組「無限に挑戦」の2015年の“歌謡祭”企画でチョン・ヒョンドンと組んだ오대천왕の曲です。番組のステージでは長谷川陽平(チャン・ギハと顔たち)がバンジョーでフィーチャリングされてましたが、そのヒョゴ・ヴァージョンになりますね。「소녀」は「応答せよ1988」の挿入歌で、オ・ヒョクがソロ名義で歌ったイ・ムンセの1985年作品のリメイク。また、最新曲もやってくれました。曲名は言わなかったと思いますが、「Paul」というタイトルのようです。
 ブルージーでありつつ、ソウルフルだったりパンキッシュだったり、ファンクネスを感じさせたリ。そして、もちろんロックンロール。これだけ多彩な音楽を弱冠23歳の4人が奏でているのだから驚きです。こんなバンド、ほかにいないでしょう。
 あと、もうひとつ驚いたのが、観客もいっしょに歌えること。特に「위잉위잉」ですが、韓国語の歌詞を多くの人がいっしょになって口ずさんでるんですね。韓国から来たファンが多いのかと思いきや、けっこう日本人も。なかなかすごいことじゃないでしょうか。
 新譜、そして次の来日公演が早くも楽しみです。

혁오(ヒョゴ)@duo MUSIC EXCHANGE

2016/11/19

2016年11月21日

ちりも積もればロマンス

無職なのに見栄っ張りなジウン(ソン・ジュンギ)は家賃が払えずアパートの部屋も追い出された。そこに声をかけてきたのが、ドケチなホンシル(ハン・イェスル)。「2ヵ月間、何でもいうことをきく」のを条件に、金儲けのノウハウを教えるというのだが……。

 高飛車な役どころのイメージの強いハン・イェスルが空き壜を集めたりするドケチなヒロイン、一方のソン・ジュンギは軽薄なチャラ男。ドタバタのラブコメディです。88万ウォン世代(月収88万ウォン程度のワーキングプアのこと)のリアルな恋愛事情という点にもっと踏み込んでもいいような気もしますが、気軽に観る娯楽作ですね。あちこち笑えるシーンはありますが、まぁ、それだけというか……。終盤はちょっと強引な感じもしますし。それぞれのファンには楽しめることでしょう。
 ところで、LaLaTVで放送されたものを観たら、ムン・セユンの役名が「サオプ」となってました。これは誤訳。スクーター同好会の「シスオペ」ですから! パソコン通信を知らない若い人が訳したんでしょうね。電子会議室の運営者をシスオペ(システムオペレーター)と呼んだのです。今風にいえば「板の管理人」といったところでしょうか。

ちりも積もればロマンス

原題 티끌모아 로맨스(ちりも積もればロマンス)
2011年/韓国/114分/2011年11月10日公開(韓国)
2012年5月12日公開(日本) http://cjent.jp/chiri/

2016年11月20日

12番目の補助司祭

2015年の『プリースト 悪魔を葬る者』の元となった短編映画。ぜひ観たいと思っていたところ、Vimeoで日本からも視聴することができました。英語字幕付き、48時間以内のレンタル(=ストリーミング視聴)が242円で、購入が606円です。
 悪魔祓いの儀式に向かうところから一度は逃げだしたアガトが再び悪魔祓いに臨むところまで、ほぼ構成は同じ。キャストが地味だったり、お金がかかってなさそうだったり(血を吐くシーンなどはやっぱり迫力に欠けたり)はするものの、それだけ、すでに完成されていたということでしょう。第12回アシアナ国際短編映画祭で「短編の顔」賞、第13回ミジャンセン短編映画祭で絶対悪夢部門の最優秀作品賞、第15回大邱短編映画祭では大賞と撮影賞(キム・テス)を受賞しています。
 アガトのトラウマは違っています。長編では幼い頃に亡くした妹と自分自身が出てくることで深みがあって、その後のキム神父の台詞もすごくいいものになってましたが、短編では、ある軍隊での出来事。兵役そのものが韓国ならではですが、さらに内容的にかなり強烈なものでした。どちらも捨てがたいところです。

12番目の補助司祭

原題 12번째 보조사제
2014年/韓国/25分

監督・脚本 チャン・ジェヒョン

イ・ハクジュ……アガト
パク・チイル……キム神父
イム・ソンミ……ヨンシン


12th Assistant Deacon (12번째 보조사제) from Central Park Films on Vimeo.

2016年11月19日

プリースト 悪魔を葬る者

女子高生のヨンシン(パク・ソダム)が轢き逃げに遭い、さらに病室から投身自殺を図った。キム神父(キム・ユンソク)は何かに取り憑かれていると確信し、ヨンシンを救うため、悪魔祓いを行うと宣言する。神学生のアガト(カン・ドンウォン)が補助司祭に抜擢されるが、学長(キム・ウィソン)はキム神父の行動を監視するよう命じていた。他の神父たちは型破りなキム神父に疑いの目を向けていたのだ。キム神父とアガトは危険な悪魔祓いに臨むが……。

 韓国には珍しい、エクソシズム=悪魔祓いを描いた映画。
 なかなかグロテスクな描写も多いのですが、観客動員は500万人を突破。韓国人、すごいですね。わさわさとゴキブリが這い出してくるところとか(CGだろうけども)勘弁してほしいんですが……。とはいえ、108分があっという間。終盤のアクションシーンもすさまじい勢いで、目が離せず、チャン・ジェヒョン監督は長編デビュー作とは思えない演出力を見せてます。元になった短編『12번째 보조사제(12番目の補助司祭)』が2014年の全州国際映画祭・韓国短編コンペティション部門で監督賞を受賞してるそうで、なるほど。次回作も楽しみです。
 悪魔に憑かれたヨンシン役を演じるパク・ソダムもまたすごい。百想芸術大賞をはじめ、いくつもの新人賞に輝いたのも納得。鬼気迫る演技とはこういうことでしょう。撮影のために丸刈りにする心意気も。そしてやっぱり、カン・ドンウォンが美しいですね。アガトはあるトラウマを抱えていて、それを克服する過程も物語の軸といえるでしょう。一方のキム・ユンソクが演じるキム神父は、アガトの心の傷を抉るような言葉を浴びせるデリカシーのない感じの粗野な男ですが、ヨンソンのために涙を流す一面ももっています。それに、戻ってきたアガトに「おまえは悪くない」と語りかける言葉も利いてました。教会からすれば厄介者でしかありませんが、心根はやさしい人物なのだとわかります。
 ちなみに、カン・ドンウォンとキム・ユンソクが劇中で歌うのは、聖歌「復活のいけにえに(Victimae Paschali Laudes )」。エンドロールでも流れます。

プリースト 悪魔を葬る者

原題 검은 사제들(黒い司祭たち)
2015年/韓国/108分/2015年11月5日公開(韓国)
2016年10月22日公開(日本) 韓国映画セレクション2016 AUTUMN

2016年11月18日

サムネ

映画監督のスンウ(イ・ソノ)は、新作のシナリオ構想のため全羅北道の町、サムネを訪れた。そこで出会った神秘的な少女のヒイン(キム・ボラ)に惹かれていくが……。

 ポカーン。
 わけがわかりませんでした。会場のあちらこちらからいびきも聞こえてきました。空を舞う黒いビニール袋なんかに象徴的な意味が込められてるのかもしれませんが、さっぱり……。主人公が車中で読むヘッセの『デミアン』にヒントがあるのかなと思ったものの、妄想的なところがあるとはいえ、ピンときません。キム・ボラが大人っぽくなったなぁとか、イ・ヨンニョってやっぱり巫堂みたいな役かぁとか思うものの、難解すぎて何度も睡魔に襲われます。夢か現かという奇妙なイメージの連鎖する作品でした。
 タイトルの삼례/サムネとは地名で、漢字で書くと「参礼」。全羅北道完州郡参礼邑が舞台です。全州国際映画祭の支援を受けているそうで、町おこし的なものかもしれませんが、これを観て訪れたいと思うかは……。
『どのように別れるか』が直前に上映中止となったので、コリアン・シネマ・ウィーク2016で唯一の日本未公開作。ある意味では目玉だったわけですが、これかぁ……というのが正直なところですね。しかし、カン・サネが本人役で友情出演していて、「라구요」を歌うのにはびっくり。そのタイトルを日本語字幕では「そんなふうに」としてましたが、北に想いを馳せる両親の言葉を引用したあとに続く言葉なので「…だってさ」くらいがいいんじゃないでしょうか。


サムネ

原題 삼례(サムネ)
2015年/韓国/94分/2016年6月23日(韓国)
コリアン・シネマ・ウィーク2016にて日本初上映

監督・脚本・編集 イ・ヒョンジョン

イ・ソノ……スンウ
キム・ボラ……ヒイン
イ・ヨンニョ……ヒインの祖母
クォン・ジェヒョン……ヒインの兄
コ・グァンジェ……卑屈な男
ノ・シホン……鶏屋の主人
キム・ヒョンチョル……プロデューサー
キム・ドガム……助監督
カン・サネ……カン・サネ

2016年11月17日

奇跡のピアノ

目の見えないユ・イェウンは、3歳のときに母の口ずさんだ歌をピアノで演奏しはじめ、たちまち天才少女ともてはやされるようになった。母はイェウンをピアニストにするため時に厳しく練習させる。やがてイェウンはコンクールに出場するが……。

 優れた聴覚と音感をもつ盲目の少女と彼女を支える両親の喜怒哀楽を綴ったドキュメンタリ映画。
 ナレーションはパク・ユチョン。8年前に音楽番組で共演したことがあるそうで、イェウンのピアノ伴奏で歌ったのだとか。エンドロールのクレジットには名前のあとに「才能寄附」と明記。韓国でよく使われる言葉で、ノーギャラの声の出演ということになります。わざわざ書くことかなぁと思わなくもないですが……。
 途中で、イェウンは「本当のお母さん」のことが知りたいと言いだします。そう、彼女は実の子ではないのでした。母のパク・チョンスンは、生後1ヶ月のときに一時的にイェウンを預かったのですが、障害のため里親は現れなかったのだそうです。彼女は障害者施設を運営しています。夫のユ・ジャンジュも交通事故による脊髄損傷であらゆる日常生活に要介助。それでも笑顔を絶やさず、たくましく暮らしています。イェウンの質問に「私はお母さんじゃないの? いっしょに住んでるのがお母さんでしょ」と答えます。目が見えないことに対しても「見えなくても生きていけるでしょ? みんな違ってる」と諭します。「痩せてる人もいれば、太ってる人もいるでしょう。お母さんみたいに」と笑わせて。
 しかし、つらい場面も少なくありません。仲のいいヒョンジに「大きくなったら見えるようになるかな」と尋ねたりしますが、イェウンには先天的に眼球がないのです……。また、よく理解してくれる人ばかりではありません。コンクールに向けて特別レッスンを受けることになるのですが、その先生、イェウンにこんなことを言います。
「楽譜どおりに弾かなきゃダメでしょう」
 イェウンは楽譜を読めないんですよ……。先生が帰ったあとにイェウンは悔し涙を流します。
 その一方で、ピアニストのイ・ジヌクとの出会いはイェウンの才能を伸ばします。初めて会った日、イェウンが感じた気分をピアノで表現させ、それに続けてイ先生が曲を展開、それを再びイェウンが継いで……と繰り返します。まるで会話をするかのように。イェウンが物語性のある音楽を生みだすことに気づき、イ先生は「うらやましい」とまで言います。そして自分のコンサートに特別ゲストとして招き、ふたりで作曲した「白雪姫と七人のこびと」を演奏するのでした。
 テレビで“5歳の天才モーツァルト”と紹介されたのはカン・ホドンがMCを務めるバラエティ番組「スターキング」。2007年3月3日に放送された第8回ですね。画面には若々しいハハがちらっと映ってました。

奇跡のピアノ

原題 기적의 피아노(奇跡のピアノ)
2015年/韓国/80分/2015年9月3日公開(韓国)
2016年10月22日公開(日本) 韓国映画セレクション2016 AUTUMN

監督 イム・ソング
ナレーション パク・ユチョン

2016年11月9日

ひと夏のファンタジア

第1章 First Love, Yoshiko(初恋、よしこ)
 映画監督のテフン(イム・ヒョングク)が次回作の構想を練るため五條市にやって来た。彼はミジョン(キム・セビョク)の通訳で観光課職員の友助(岩瀬亮)に案内してもらう。

第2章 Well of Sakura(桜井戸)
 女優の仕事に悩みを抱えるヘジョン(キム・セビョク)が五條を訪れた。観光案内所で声をかけてきた柿農家の友助(岩瀬亮)と次第に打ち解け、帰国前夜、花火大会に誘われるが……。

 劇場公開時も見逃してしまって、ようやく新大久保映画祭で観ることができました。
 なら国際映画祭「NARAtiveプロジェクト」の2014年度作品で、奈良県五條市を舞台とする日韓合作映画。現地の一般人へのインタビューを交えたドキュメンタリタッチの第1章と、韓国人と日本人の出会いを描いたフィクションの第2章からなります。ホン・サンスっぽくもありますが、あちらほど不条理ではなく、わかりやすい構成といえるでしょうか(深読みもできるのでしょうけども)。第1章は全編モノクロで、テフンが煙草を吸いに外へ出て振り向くと、夜空に打ち上げ花火が広がってカラーの第2章へとつながります。鮮やか。昔ながらの喫茶店、寂れた山奥の村、廃校になった小学校といった場所、韓国人を案内したことがあるという友助の話、ケンジ(康すおん)の韓国人留学生との恋といったエピソード……などなど、第1章で映画監督のテフンが見聞きしたことが、第2章のモチーフになってます。
 主演のキム・セビョクと岩瀬亮はそれぞれ2役を演じてる(岩瀬亮の役は同名ですが、設定が違う)わけですが、気づかない人もいたとか。たしかに、だいぶ印象は違いますね。余談ですが、この作品の、特に第2章の岩瀬亮ってピョン・ヨハン(とりわけドラマ「元カノクラブ」での彼)に似てると思いました。
 第2章も即興的に撮影したそうで、ドキドキ感がたまらないクライマックスは、それぞれに別のディレクションをしていたんだとか。なるほど。順撮りだそうですし、ある意味ではドキュメンタリ的といえるかもしれませんね。どこか切なく、夢のようでもありつつ、やっぱりリアル。「ひと夏のファンタジア」というタイトルがぴったりです。
 イ・ミンフィによる音楽もすごくいいですね。特にエンディングで流れる「ひと夏のファンタジア」。歌詞に韓国語と日本語が混在する、はかなげな雰囲気のアコースティックな楽曲です。菊地成孔は「この曲を聴くためだけでも、本作を観るべきだ」とまで書いてました。

ひと夏のファンタジア

原題 한여름의 판타지아(ひと夏のファンタジア)
2014年/日本・韓国/97分/2015年6月11日公開(韓国)
2016年6月15日公開(日本) http://hitonatsunofantasia.com/

監督・脚本 チャン・ゴンジェ

キム・セビョク……パク・ミジョン/ヘジョン
岩瀬亮……武田友助
イム・ヒョングク……キム・テフン
康すおん……ケンジ

2016年11月5日

ケチュンばあちゃん

海女のケチュン(ユン・ヨジョン)は幼い孫娘のヘジ(キム・ゴウン)と済州島で慎ましくも幸せなに暮らしていた。ところがある日、市場でヘジを見失ってしまう。
 ――12年後、ヘジが見つかったと連絡が入る。実母に連れ去られ、ばあちゃんは死んだと聞かされていたのだという。ケチュンとふたりで暮らしはじめたヘジは、高校に通うようになり、幼い頃から好きだった絵の才能を美術教師のチュンソプ(ヤン・イクチュン)に見いだされる。しかし、ソウルで開催された美術コンテストの会場で再び姿を消してしまう……。

 ベテランのユン・ヨジョンと、若手実力派のキム・ゴウン。安心なふたりの主演で、切なくも、あたたかな気持ちにさせられる作品でした。ぶっきらぼうながらヘジの才能を伸ばす美術教師役のヤン・イクチュンも、いいたたずまいをしてますね。
 もっとも気になるのがヘジの正体なわけですが、はじめは詐欺師なのかと思ってしまいました。本人でなければ知らないはずの幼い頃の思い出をちゃんと語るものの、何かを隠してるようで……。それが、ひねりの効いた、それでいて納得の設定。やられました。そして、ケチュンばあちゃんの最期の言葉は真実を知ったうえでも思いやりにあふれたもの。終盤は泣かずにいられませんでした。
 ちなみに、タイトルにある할망(ハルマン)は済州方言だそうで、 할머니(ハルモニ)、つまり「おばあさん」のことです。
 SHINeeのミノも出てることですし、日本でも劇場公開されるといいですね。

ケチュンばあちゃん

原題 계춘할망(ケチュンばあちゃん)
2015年/韓国/116分/2016年5月19日公開(韓国)
第29回東京国際映画祭にて日本初上映

2016年11月4日

あなた自身とあなたのこと

ソウル、延南洞。画家のヨンス(キム・ジュヒョク)は、恋人のミンジョン(イ・ユヨン)が酒を控える約束を破っていると聞き、彼女と言い争いに。ミンジョンは「距離をおきましょう」と去り、ヨンスは後悔する。その一方で、ミンジョンはジェヨン(クォン・ヘヒョ)にもサンウォン(ユ・ジュンサン)にも声をかけられるが、人違いと言い張っている。やがてヨンスはミンジョンを見つけるが……。

 ホン・サンス節、健在。もちろん唐突なズームも。
 今作は、イ・ユヨン扮する不可解なヒロイン、ミンジョンがとりわけ印象的。彼女は誰に対しても「人違い」と言いますが、本当に別人なのだったらSF的なファンタジーですし、本人がそう思い込んでいるのだとしたらある種の病的なもの、すべてが芝居なのだとしたらかなりコワい話です。正解のヒントはまったくなく、まるっきり観客に委ねられているところがホン・サンスらしいおもしろさだと思います。
 ヨンスは「初めて会ったときのよう」と新鮮な気持ちでミンジョンに向き合いますが、それでいいのかよ!と思いつつも、「(相手のことを)知ってるつもりになって失敗ばかり」というヨンスの言葉にはなかなか深いものがあります。人生の教訓と受け取ることもできますし、ハッピーエンドといえばハッピーエンド。これは観る人によってだいぶ違ってくるんでしょうね。また観ると印象も変わりそうです。日本でも劇場公開されるといいのですが。

あなた自身とあなたのこと

原題 당신자신과 당신의 것(あなた自身とあなたのこと)
2016年/韓国/86分/2016年11月10日公開(韓国)
第29回東京国際映画祭にて日本初上映

2016年11月2日

グローリーデイ

20歳になった4人の親友同士。サンウ(スホ)は祖母に苦労をかけまいと入隊を志願した。4人は浦項への最後の旅行を計画。ヨンビ(ジス)は、母の目を盗んで家を抜け出したジゴン(リュ・ジュニョル)とともに、野球部の練習からトゥマン(キム・ヒチャン)を連れ出した。海辺で旅行を満喫する4人だったが、港で暴行に遭う女性を目撃。正義感の強いヨンビが止めに入るが……。

 え、ここで終わり!? というのが正直なところ。もろくも崩れた友情をどう取り戻すか(あるいは取り戻さないか)は描かず、崩れ去ったところで終わってしまいました。それはそれでアリかもしれませんが、ちょっと物足りないような……。
「麗~花萌ゆる8人の皇子たち~」のジス、「応答せよ1988」のリュ・ジュニョル、「恋はチーズ・イン・ザ・トラップ」のキム・ヒチャンと旬の若手俳優が勢ぞろい。EXOのスホはさすがにズバ抜けたルックスですね。そのおかげの日本公開でしょう。
 まともに話を聞こうとしない警察、世間体ばかり気にする親――大人の身勝手さに翻弄される若者たちの痛ましい青春物語。登場人物と同世代だったら充分に刺さったかもしれません。

グローリーデイ

原題 글로리데이(グローリーデイ)
2015年/韓国/93分/2016年3月24日公開(韓国)
2016年10月8日公開(日本) http://gloryday-movie.com

2016年10月30日

私を忘れないで

交通事故に遭い、病院のベッドで目を覚ましたソグォン(チョン・ウソン)は、10年間の記憶を失くしていた。そんな彼の前に、ジニョン(キム・ハヌル)という女性が現われる。ソグォンの姿を見て涙を流す彼女に惹かれ、やがてソグォンはジニョンとの幸せな時間を過ごす。ところが、次第に過去の断片がソグォンの頭に浮かびはじめる。ジニョンはソグォンが記憶を取り戻しつつあることに怯えるのだが……。

 カリコレ2016で観逃してしまい、コリアン・シネマ・ウィーク2016にて鑑賞。
 まったく予備知識なく観ました。ジニョンの正体は詐欺師かと思ったほどで、衝撃の展開に驚愕。あまりに痛ましい事実がソグォンを待ち受けているのでした。
 序盤からところどころ引っかかる場面があるのですが、それらは真実が明かされたところで「そうだったのか!」と納得します。(1)ソグォンのもとへやって来たジニョンはなぜ彼の居場所がわかったのか、(2)ぬいぐるみを轢いてしまったジニョンはなぜあれほど取り乱したのか、(3)ジニョンが職場復帰を「その制服を着るのはうしろめたい」と断る理由、(4)ソニ(チョ・イジン)の飼っているマークという犬がソグォンに向かっていく理由、(5)ジニョンはなぜオランダに移住しようとするのか……などなど。
 しかし、よく考えると、ジニョンがかわいそうですね。もちろんソグォンもそうですが、彼は現実を受け止めきれずに逃避してるといえるわけで……。最後の記憶も「そこまでかよっ!」とツッコミたくなるような(本人ではなく、ふたりの当事者にとって)残酷なもので……。そういうところが悲劇といえば悲劇なのですが。
 とはいえ、チョン・ウソンはさすが。記憶を失くしたどこか虚ろなソグォンと、かつての冷たい弁護士だったソグォン、まるで別人のように演じてます。
 あとから知ったのですが、チョン・ウソン自ら製作を手がけ、新人監督を起用してるんですね。イ・ユンジョン監督はいくつかの作品で脚本や脚色を担当してますが、長編は初。2010年に同名の短編映画(主演はキム・ジョンテ)があって、自身の失踪届を出す男性の前に自分を知ってそうな女性が現れるというプロットなので、これを長編化したのでしょうか。
 終盤にまたしても悲劇的な展開を見せますが、かすかに救いのあるラストにホッとしました。

2016年10月24日

国選弁護人 ユン・ジンウォン

再開発地区の強制撤去現場で、ひとりの警察官が死亡した。現場に立てこもりを続けていたパク・チェホ(イ・ギョンヨン)が犯人として逮捕されるが、彼の息子もまた現場で命を落としている。国選弁護人として担当を依頼されたのは、三流弁護士のユン・ジノン(ユン・ゲサン)。チェホは「自分は警察官から息子を守ろうとしただけだ」と主張し、記者のスギョン(キム・オクピン)も「何か裏がある」という。事件を調べると、不自然な点が見られるばかりか、捜査資料は閲覧禁止とされていた。ホン検事(キム・ウィソン)らが事件を闇に葬ろうとするが、ジノンは世論を味方につけ、国を相手に裁判を起こすことを決意する。賠償請求額はわずか100ウォン。先輩弁護士のデソク(ユ・ヘジン)、そしてスギョンとともに、ただ真実のみを求めた訴訟を開始するが……。

 2009年の「龍山惨事」(再開発計画に反対して籠城した住民と警察特攻隊が衝突し、炎上したビルで5人が焼死した事件)をモチーフに製作された法廷サスペンス。冒頭でフィクションとの断り書きが出ますが、日本語字幕にはなってませんでした。日本では実際の事件を思い浮かべる人がいないということでしょうが、逆にいうと、韓国では断りが必要なほど記憶に残っている事件なのでしょう。
 主人公の名前が邦題になりましたが、実際の発音としては「ジノン」ですね。
 ユン・ゲサン扮する主人公のユン・ジノンは、地方大学の出身で、コネもない若手弁護士。わずかな功名心と正義感で国家相手に訴訟をぶち上げます。けっして清廉潔白というわけではありません。言葉も荒い行動派の記者コン・スギョン(キム・オクピン)、情に厚い先輩弁護士チャン・デソク(ユ・ヘジン)とともに前代未聞の裁判に挑んでいくという。
 国家権力への不信感を描いた韓国映画はたくさんあり、そうした傾向の一作。スカッとする結末には至らず、社会の不条理を思い知らされますが、演技巧者たちの芝居が堪能できます。イ・ギョンヨンは百想芸術大賞の助演男優賞を受賞しました。台詞はあまりないものの、ドラマ「六龍が飛ぶ」の李之蘭役、パク・ヘスが出てたりも。そういえば、ホン検事役のキム・ウィソンも「六龍が飛ぶ」で鄭夢周役でしたね。2000年代は実業家で俳優業は休業してましたが、このところ映画にもドラマにも精力的にしてます。

国選弁護人 ユン・ジンウォン

原題 소수의견(少数意見)
2013年/韓国/126分/2015年6月24日公開(韓国)/2016年10月1日(日本)

2016年9月16日

ハニー・ジューン「名づけて愛」



ハニー・ジューン「名づけて愛」

1973年発売/キングレコード/BS-1647/500円

A面「名づけて愛」
作詩:大島美恵子/作曲:落合和徳/編曲:ボブ佐久間
B面「孤独は重く」
訳詩:上原啓/作・編曲:リー・ボン・ジョー

2016年9月12日

ソンチャン・シック「ウエブロ(なぜ呼ぶの)」



ソンチャン・シック「ウエブロ(なぜ呼ぶの)」

1979年4月25日発売/ワーナー・パイオニア/P-403A/600円

A面「ウエブロ(なぜ呼ぶの)」
B面「鯨狩りの歌」
作詞・作曲:ソンチャン・シック
日本語訳:キム・ピョンス/結城ちよ
コーディネイター:結城ちよ

2016年5月9日

バトル・オーシャン/海上決戦

1597年、倭軍の侵攻によって朝鮮軍は危機に瀕していた。海上に330隻もの軍船を集結させた倭軍に対し、イ・スンシン将軍(チェ・ミンシク)に残されていたのは戦意を喪失した兵士と12隻の船のみ。最後の希望だった亀甲船まで燃えてしまう。しかし、誰もが敗戦を覚悟したとき、イ・スンシン将軍は巨大な渦の巻く鳴梁海峡へ乗りだしていく……。

 1,760万人を動員して歴代ダントツ1位の作品なのに、日本では未公開で、ひっそりとDVDスルー(2015年8月12日発売)。しかも原題(『鳴梁』)から程遠い邦題で、それこそスルーしてしまいそうでした……。さらには16分もカットされてるとのこと。まぁ、韓国人の演じる日本人役の無茶すぎる日本語が吹き替えになってるという利点はありますが(基本的に字幕派ですが、この場合はアリかなと)。
 案の定、ツッコミどころ満載。でも、やりすぎなくらいが娯楽作としては見ごたえがあるんじゃないでしょうか。歴史歪曲といった批判はあるのでしょうけども、そもそも厳密な時代考証は求めてませんし。日本人を絶対的な悪として描いてても、アイシャドウばっちりのリュ・スンリョンらには笑っちゃいますし。
 大鐘賞の最優秀作品賞を受賞したほか、チェ・ミンシクが数多くの主演男優賞に輝きました。が、それは韓国人にとって英雄である李舜臣(イ・スンシン)が活躍する作品だからでしょうし、他国からすればそれほどアツくなれるものではありませんね。アクション映画としてはそこそこ楽しめます。

2016年5月8日

ソフィーの復讐

中国版ポスター
漫画家のソフィー(チャン・ツィイー)は外科医のジェフ(ソ・ジソプ)と結婚間近。ところが、ジェフは手術を担当した女優のジョアンナ(ファン・ビンビン)とつきあいはじめ、別れを告げられてしまった。復讐を心に誓うソフィーは、再びジェフの心を奪ったうえで自分からフッてやろうと画策。ジョアンナの元カレらしい写真家のゴードン(ピーター・ホー)を巻き込み、ジェフの心を取り戻すために次々と作戦を実行する。しかし、ことごとく作戦は失敗し、うまくいかない。やがてゴードンは一途なソフィーに惹かれていくが……。

 日本公開時に観たはずなのですが、ほとんど記憶になかったので再見。DVDのジャケ写やポスターを見るとチャン・ツィイー&ソ・ジソプ主演に思いますが、まったくもって違います。主役はチャン・ツィイー&ピーター・ホー。ソ・ジソプは全編中国語の台詞で、彼でなければという感じでもありません。
 基本的にはチャン・ツィイーのコメディエンヌぶりを堪能する作品ですね。彼女の過剰な妄想がCGやアニメーションで描かれますが、日本や韓国とは違ったテイストで興味深いところです。終盤、ゴードンとジョンアナの関係が明らかになって、ちょっとしたどんでん返しがあります。全体的にポップな雰囲気で、気軽に楽しめるラブコメディでした。
 主題歌は、LOVEHOLIC「LOVEHOLIC」の中国語カヴァー。周奇奇(チョウ・チーチー)がうたってます。

2016年4月26日

変わった嫁

いまや落ちぶれたアイドルグループ“RUBY”のイニョン(ダソム)は、生意気な後輩と取っ組みあいの喧嘩まで起こし、事務所代表のジュンス(キ・テヨン)に契約解除を突きつけられる。しかしバラエティ番組の“嫁体験”企画で、芸能界での生き残りをかける。“嫁ぎ先”は25代も続く由緒あるチャ氏宗家。厳格な“姑”のチュンジャ(コ・ドゥシム)は番組の企画といっても教養ゼロの非常識なイニョンのことが不愉快でたまらない。さらに“夫”は数学のことしか頭にないカタブツのミョンソク(リュ・スヨン)。嫌々ながら番組のミッションをこなしていくが……。

 のっけからビロウなネタで、現役アイドルが(設定上ばかりでなく、演じるダソム自身が本物のアイドルという意味でも)そこまでやる!?と爆笑。全12話と短く、気楽なラブコメディでした。
 憎まれ役の多かったソン・ウンソが、健気、でも毅然としたヨンア役。かなり好感度がアップしました。それに、ものすごくスタイルがいいんですね。キム・ユンソが並ぶのはかわいそう……。「愛は歌に乗って」の演出家ということで、続投するキャストが何人か。役柄こそガラッと変わったものの、クァク・ヒソンは甲斐性のない次男役でした。その祖父に当たる役は前作と同様にパク・ウン。近所の女性役でときどき顔を出すチョン・ダジョンもそうですね。

2016年4月25日

変わった嫁【あらすじ】


【01】事務所から契約解除を突きつけられたイニョンは嫌々ながらバラエティ番組で嫁体験をすることになった。宗家の姑のチュンジャは厳しく、次男の嫁のセミは我慢に我慢を重ねている。夫役になるミョンソクは数学しか頭にない准教授。苦労して解いた数式をイニョンに消されて激怒する。

【02】イニョンは降板を訴えるが、ジュンスにカードの請求書を突きつけられる。なんとか点数を稼ごうとするものの何をやっても裏目に…。一方、塾で働きたいセミは完璧に家事をこなすが、実はドンソクが陰で支えていた。ミョンソクがイニョン相手じゃなければ出演しないと言いだして…。

【03】初回放送はまったく話題にならず、イニョンは町を歩いても気づいてもらえない。一方、ヨンアはミヒが実家の場所に医療センターを建てようとしていると知る。セミがサンとの約束を忘れてしまい、ドンソクに叱られる。チュンジャにも「仕事は辞めなさい」と怒鳴りつけられ、逆ギレ。

【04】ミョンソクの怪我を知ったチュンジャはイニョンを追い出すが、番組に注目が集まり、ふたりが近づかないことを条件に撮影を許可した。しかし、イニョンはどうしてもミョンソクを意識してしまう。一方、保護者に責められるセミを塾長がかばう。ヨンアはミヒの公約に猛然と反対する。

【05】サンの授業参観でイニョンとミョンソクは誤ってキスしてしまった。一方、宗家のキムチに非難が殺到。ドンソクが勝手に契約したせいだが、イニョンのおかげで解決する。サンがいなくなるが、無事にイニョンが見つけた。ジュボクがスニを連れて帰り、ヨンアは洞長選挙に立候補する。

【06】ヨンアはミヒが公約を撤回しなければ辞退するつもりはない。一方、舅とスニの再婚に反対するのはチュンジャだけだった。ドンソクは塾長からセミへのメールを見て疑いはじめる…。イニョンはミョンソクの見合い相手に歯が立たず引っ越しを決意したが、ミョンソクに引き止められる。

【07】ミョンソクは「心をつかむように努力します」と告白したが、ジュンスから諦めるよう説得される。一方、セミと塾長を目撃したイニョンは不倫と確信。ドンソクにも知られてしまう。ヨンアが住民を救ってニュースになり、ミヒは激怒。イニョンとミョンソクのキスをハジが目撃して…。

【08】イニョンとミョンソクはますます距離を縮め、イニョンはどうしてもチュンジャに気に入られたい。一方、セミはドンソクに離婚届を突きつけた。ヨンアはミヒが母を騙そうとしたと知って「次は許しません」。ハジの企みで、イニョンとミョンソクがキスしているところにチュンジャが!

【09】イニョンは追い出された。ミョンソクは見守ってほしいと訴えるが、チュンジャは許さない。ハジの書き込みで熱愛報道も流れ、イニョンの好感度は急降下。一方、セミが塾長を任された途端、借金と給料未払いが発覚した。イニョンは最後のデートを決意し、ミョンソクに別れを告げる。

【10】イニョンは仕事に没頭し、ミョンソクは英国行きを決意する。一方、ドンソクは父と協力して塾長を捕まえた。ヨンアはミヒの不正の証拠をつかむが、ミヒは怒って否定。ハジが秘伝の醤を盗んで消えた。倒れたイニョンは助けてくれたのがミョンソクと知って「行かないで」と抱きつく。

【11】ミョンソクは背を向け、イニョンは米国進出を決めた。一方、ヨンアはミヒの罪をかぶって立候補を辞退し、ジュンスに離婚を告げる。チュンジャは宗家を守るため料理大会に出場。ライバルの全州ソン氏側にはハジの姿があった。空港に向かうイニョンはドンソクの言葉がひっかかり…。

【12】駆けつけたイニョンが加勢するものの優勝は全州ソン氏。イニョンはネットで叩かれ、事務所を辞めた。一方、ミヒが謝罪し、ヨンアはジュンスのもとに戻ってくる。チュンジャはセミに塾を開くよう通帳を渡す。2年後、大学に通うイニョンの前に特別講師としてミョンソクが現れる。終

2016年4月24日

探偵なふたり

漫画喫茶を営むカン・デマン(クォン・サンウ)は、推理マニアで、未解決事件を追うパワーブロガー。仕事そっちのけで警察の捜査に首を突っ込んでは妻のミオク(ソ・ヨンヒ)に怒鳴られている。そんなある日、友人である刑事のイ・ジュンス(パク・ヘジュン)が殺人容疑で逮捕された。ジュンスの無実を信じるデマンは真犯人を突き止めようと決意する。一方、“人喰いザメ”と恐れられる刑事のノ・テス(ソン・ドンイル)も事件の背後に陰謀が隠されていることを察知。犬猿の仲のふたりは仕方なく手を組み、捜査を進めるが、さらに次々と殺人事件が起こって……。

 最近は「応答せよ」シリーズで人気のソン・ドンイルが主演で、イ・イルファが「応答せよ」と同様に妻役で特別出演。たんなるコメディかと思っていたのですが、意外にもミステリ映画として楽しめました。脚本は2006年の第8回マクトンイ・シナリオ公募の当選作。事件の真相が予想外の方向へ転がっていって、なるほど、と。なかなか秀逸なんじゃないでしょうか。評論家の評価はあまり高くないようですが、韓国では損益分岐点の180万人を超えてヒット。娯楽作として充分に満足のできる作品です。
 原題は『探偵:ザ・ビギニング』。続編が視野にあるということ? 片や推理オタク、片や現役の刑事という組み合わせがおもしろかったわけで、実際にふたりとも探偵になってしまって、はたして今作以上のおもしろみが出せるのか……やるなら観にいきますけどね。
 音楽監督はチョン・ジュンハン。エンディングに流れる曲「그렇게 난 흘러간다(こうして僕は流れていく)」がものすごくチャン・ギハっぽいんですが、クレジットには「feat.チャン・ヒョクチュン」とあるだけで、調べてもよくわかりませんでした。

2016年4月23日

背徳の王宮

朝鮮王朝10代王のイ・ユン=燕山君(キム・ガンウ)は生母の廃妃尹氏が謀殺されたと知って激怒。先王の側室を手はじめに次々と粛清する。実は王の側近であるイム・スンジェ(チュ・ジフン)とイム・サホン(チョン・ホジン)の親子による計略だった。「千年に一度の姦臣」とされるふたりは、色欲に溺れる燕山君に取り入り、権力をほしいままにしている。さらに王の機嫌をとろうと採紅使に任命されたスンジェは、国中から美女を集め、王に献上するため官能の秘技を仕込んでいく。そのなかには屠殺を生業とする白丁のダニ(イム・ジヨン)もいた。父(キ・ジュボン)の借金を返すため、チョ大監(キム・ジョング)の娘になりすましたのだ。一方、燕山君の後宮チャン・ノクス(チャ・ジヨン)は判府事ユ・ジャグァン(ソン・ヨンチャン)とともに権力を取り戻そうと画策。野心に満ちた芸妓のソルジュンメ(イ・ユヨン)を送り込む。ふたりは王の寵愛を得ようと火花を散らすが、ダニには真の目的があった。そのことにスンジェも気づくのだが……。

 韓国では19禁で公開されながらも110万人を突破。翌日で上映終了だったので、あわててシネマート新宿の朝イチの回を観たのですが、小さいほうのスクリーンではあるものの半分くらい埋まってました。それも大半が女性。やはりチュ・ジフン人気でしょうか。かなりのエロ&グロなのに……。
 ダニVSソルジュンメの直接対決は、これまでの韓国映画で目にしたことのない淫靡さで、人によってはドン引きでしょう。性技を磨くための特訓の数々は笑ってしまうほど。膣が王に合うサイズか張形で確かめる場面なんて爆笑してしまいそう。その一方、燕山君が200人も次々と粛清していった「甲子士禍」の描写は血生臭く、かなりエグいものです。ミン・ギュドン監督自身も「やりすぎだったかなと思うときもある(笑)」と語ってるようで。
 群舞を繰り広げる水上宴会の壮麗な美術や、大胆すぎる思いきった描写もですが、やはりそれぞれの役者が見せる迫力の演技が見どころでしょう。なんといっても燕山君役のキム・ガンウが圧巻。意外にも時代劇は初めてですが、狂気ばかりでなく、幻影に怯え、孤独を抱える王の哀しみを体現してます。チュ・ジフンも熱のこもった演技を見せてくれます。
 そして、もっとも驚かされるのが女優陣。よくもまぁそこまで……と思わずにいられません。ダニ役のイム・ジヨンももちろんですが、ソルジュンメ役のイ・ユヨンがまさに体当たりの熱演。すでに『アトリエの春、昼下がりの裸婦』でいくつもの新人賞を受賞してますが、本作では第36回青龍映画賞の新人女優賞に輝きました。
 パンソリ調のナレーションで物語が進むところもユニーク。このナレーションは妖婦チャン・ノクス役のチャ・ジヨンによるものだそうです。コメディと呼びたくなるほど滑稽なところもあれば、思わず目を背けたくなる残忍な描写もあり、いろんな意味で衝撃的な時代劇。とても万人にオススメできるものではありませんが、エロ描写にアレルギーがなければ一見の価値はあるのではないでしょうか。

2016年4月11日

両班を返せ!


 父(キム・ヨンゴン)が領議政のホヨン(パク・キウン)は酒と女遊びにうつつを抜かす放蕩息子。下男のグィナム(ソ・ドンウォン)とは幼い頃からのつきあいだが、“ほくろ”と呼んで蔑んでいる。ある日、グィナムは借金で追いつめられた妓生のウォリャン(イエル)を救うため、ホヨンを眠らせて奴婢として売り飛ばしてしまう。カン進士(ヨム・ドンホン)が権力をふるう島で目覚めたホヨンは、自分が両班であると証明することもできず、奴婢としての生活を強いられるが……。

 期待以上! 主人公のホヨンが身分を取り戻すだけじゃなく、もうひとり、身分を取り戻す両班がいるんですね。これは意外な展開でした(実はちゃんと伏線を張ってあるんですが)。そして、最後のピバムパプを食べるシーンも秀逸。島では奴婢たちが食べてるのを「そんなもの食えるか」と突っぱねたホヨンが「実は食べてみたかった」というだけでなく、ごはんとおかずを両班と賤民になぞらえるのでした。「いつか身分もこうしてごちゃまぜになったらよいな」という台詞になります。さらに幼い頃のホヨンとグィナムがひとつの器から食べる姿で終わるという。
 プヨン役の若手女優は「ヨジ」とクレジットされてましたが、現在はハン・ジュヒョンという芸名のようです。ハン・ガインにそっくり! ほとんど記憶に残ってませんが、『1942 奇談』で死体の美少女あおい役だったんですね。そういえば「モダン・ファーマー」では不法滞在者のファラン役でした。

ドラマフェスティバル「両班を返せ!」

原題 상놈 탈출기(奴婢脱出記)
2013年10月31日放送/1話完結/MBC
KNTVにて2014年4月11日に日本初放送

脚本 リュ・ムンサン(「ギターとショートパンツ」)
演出 オ・ヒョンジョン(「メディカル・トップチーム」)

パク・キウン……イ・ホヨン 領議政の息子
ソ・ドンウォン……“ほくろ”グィナム ホヨンの下男
キム・ヨンゴン……イ・テウォン 領議政、ホヨンの父
イエル……ウォリャン 妓生
キム・ヒョンボム……奴婢斡旋業者
ヨジ(=ハン・ジュヒョン)……プヨン
キム・ドンソク……使道、プヨンの父
リュ・ヘリン……カンナン プヨンの下女
ヨム・ドンホン……カン進士 島の名士
チョ・ドクチェ……カン進士の執事
イム・チウ……カン進士の用心棒
チョ・ウジン……パルボク カン進士の奴婢
チョ・ヒョンド……チルボク パルボクの息子
チョン・イルボム……カン進士の奴婢
チョン・ホンテ……科挙の試験官
イ・グァンヨン……渡し船の船頭
ユン・イェソン……商人
チャン・ムンギュ……町人
ミン・ビョンエ……町人
イ・ドゥソク……護衛武士?
ウ・ソルビン……幼いホヨン?
ソン・ウビン……幼いグィナム?

2016年3月29日

そんな愛


 無期懲役で服役していたジヌク(ペ・スビン)は、ある日、大腸癌で余命わずかであることを宣告される。そして出所。社会奉仕活動として訪ねてきては次第に心を開くようになっていたヨンス(イ・ユンジ)を訪ねるが……。

 録画したままだった短編ドラマを消化中。
 そんなタイミングよく死ねないだろ!と無粋なツッコミを入れたくなりますが、ペ・スビンはうまいなぁと思います。特に思いつめた表情とか。
 DV夫役のチェ・ミンチョルは、いま視聴中の「甘く殺伐としたファミリー」でヤクザの部下役。こういうチンピラっぽい役柄がぴったりですね。

ドラマスペシャル「そんな愛」

原題 그런 사랑 (そんな愛)
2014年4月13日放送/1話完結/KBS
KBS WORLDにて2014年7月8日に日本初放送

脚本 イ・ジュヨン(「ガラスの絆創膏」)
演出 チャ・ヨンフン(「サメ~愛の黙示録~」)

ペ・スビン……ホ・ジヌク
イ・ユンジ……チ・ヨンス
チェ・ミンチョル……ジョンホ ヨンスの夫
チョン・ギュス……キム課長 刑務所の看守
キム・テス……ジヌクと同房の受刑者
イ・ウシン(=イ・ビョンシク)……牧師
チェ・ミングム……民宿の女将

2016年3月27日

特命、彼女を守れ!


 高校3年生のジュンシク(チェ・ウシク)は受験勉強そっちのけでドラマ「捜査班長」に夢中になっている。そんなある日、ジョイ・ウォン似のバスの車掌(キム・ボルム)に一目惚れ。彼女が会社で横領の容疑をかけられたと知り、ジュンシクは真犯人を捕まえようと奮闘するが……。

 肩透かしを喰らった感じ! ジュンシクが好きになった相手が実は父親の愛人、もしくは隠し子だった(つまり姉弟だった!)というオチを想像してたのに、まったくそんな話じゃありませんでした。ジュンシクの着ていた服で誤解して抱きついたとか、父親を見かけたと思った直後、彼女は待ち合わせの相手と会えなかったとか、みんな伏線だと思ってたのに……。父親役にチョン・ノミンまで出しておいて、ほとんどストーリーにからんできませんでした。「彼の学費のために」というのも、出稼ぎに行っていたはずの父親が息子の進学費用を工面するためなのかと深読みしてたんですが。
 そうしたひねりがないのなら、とりたてて語ることもありません……。ウブな少年の役にチェ・ウシクがぴったりで、笑えるシーンはたくさんありましたけど。
 ちなみに、原題のサブタイトルは「ワン・ジョヒョンを守れ」なのですが、このワン・ジョヒョン(王祖賢)というのはジョイ・ウォンの韓国名。彼女がジョイ・ウォンに似ているということで「ジョイ」と呼んでます。また、原題の「捜査副班長」は、もちろん大人気だった刑事ドラマ「捜査班長」をもじってるわけですが、主人公の姓とかけてもいるのでしょう、「捜査プ班長」とも読めます。時代設定は1989年。カセットテープや映画のポスターといった小道具にもそんな時代が反映されてました。
 ハン・ボルムは最近はキム・ボルムと名乗ってるんでしょうか。ファン・グムビョルは2006年に改名したファン・ヒョウンという芸名から2013年にさらに改名したようです。

ドラマフェスティバル「特命、彼女を守れ!」

原題 수사부반장 - 왕조현을 지켜라!(捜査副班長~ジョイ・ウォンを守れ!)
2013年11月14日放送/1話完結/MBC
KNTVにて2014年4月25日に日本初放送

脚本 イ・ヒョンジュ(「深夜病院~傷だらけの復讐~」)
演出 クォン・ソンチャン(「ホジュン~伝説の心医」)

チェ・ウシク……プ・ジュンシク 高校3年生
ハン・ボルム……“ジョイ・ウォン”ワン・ユミ バスの車掌
キム・ヒジョン……ジュンシクの母
チョン・ノミン……ジュンシクの父
チョン・マンシク……キム係長 ナムチョル旅客の社員
カン・テオ(5urprise)……ナム・ナムチョル ジュンシクの友人
ファン・グムビョル……ヨンジャ 車掌仲間
チョン・スイン……車掌仲間
チョン・ヒナ……車掌仲間
イ・ドゥギョン……キム係長の借金取り
ファン・チョルスン……スパルタ塾の講師

2016年3月22日

それでも青い日に【あらすじ】091-最終話

【091】ウナは喧嘩しただけと取り繕い、ドッキはビョンジュンに説得を頼む。イノはヨンテクにビーナス化粧品への入社を勧められるが、ヨンヒに気を遣わせると辞退。一方、ミョンジュが訪問販売員に応募する。ビョンジュンが裏帳簿を盗んだが、イノが産業スパイとして告発される。

【092】イノはウナと逃走するものの信用できない。ビョンジンは裏帳簿を検察に渡すとドッキを脅し、告訴の取り下げを要求。ビョンジンを消そうとしたドッキはマンスに止められるが、サンカルに拉致を指示した。ヨンテクに土下座をしたビョンジンは逃走中にサンカルに捕まって…。

【093】ビョンジンは連れ去られた。必死に捜すヨンテクとイノ。ウナは何も知らない。マンスはサンカルに吐かせ、泣きながらドッキを止める。ヨンヒがビョンジンを解放するよう詰め寄ると、ドッキは会社を辞めろと。ウナはイノに信じてもらうため母はミョンジュなのだと明かす…。

【094】イノはミンジャにヨンヒがドッキの娘と確認するが、ウナの復讐心は信じられない。一方、ヨンテクが裏帳簿を検察に渡すと脅し、ドッキは探りにやって来る。イノはウナに父が死んだと聞かされて涙を流し、ある提案を受け入れた。差しだされた婚姻届をドッキは怒って破る…。

【095】追い出されたイノは実家へ。翌朝、会社の机はなくなっていた。ヨンヒはイノとウナの結婚を聞き、イノが復讐のために自滅することを心配する。一方、ヒャンスクが妊娠し、マンスは大よろこび。ウナは妊娠したふりを思いつくが、頭を抱えるドッキは離婚して堕ろせと告げる。

2016年3月21日

メモリーズ 追憶の剣

武芸に秀でたホンイ(キム・ゴウン)は、将軍ユベク(イ・ビョンホン)の主催する武術大会でユル(ジュノ)と互角に渡りあい、ユベクの関心を引く。その剣さばきがかつての同志、ソルラン(チョン・ドヨン)にそっくりだったのだ。
 18年前――ユベクと名を変える前のドッキは、ソルラン、プンチョン(ペ・スビン)とともに“風塵三侠”と呼ばれ、世を変えるべく決起。ところが、土壇場でドッキが裏切ったため、プンチョンは命を落とし、ソルランは姿を消した。
 実はホンイは、ウォルソと名を変えたソルランに育てられ、父プンチョンを殺した者への復讐を胸に抱いているのだった。

 新宿バルト9にて鑑賞。
 とても庶民が着るとは思えない目の覚めるようなグリーンの服、ひまわりを飛び越えるワイヤーアクション……と、冒頭からファンタジーであることを宣言。なので、細かいことをいわず娯楽として楽しむべき武侠アクションなのであります。韓国での評価は低かったそうですが、それは仕方ないでしょうか。本場・中国の武侠アクションと比べて、とりたてて斬新なところがあるわけではなく……。でもまぁ、楽しめました。

2016年3月19日

ビューティー・インサイド

目覚めると外見が変わってしまうウジンは、唯一の友人であるサンベク(イ・ドンフィ)とオーダーメイドの家具ブランドを起ち上げ、他人と深く関わることなく過ごしている。ところがある日、インテリアショップで働くイス(ハン・ヒョジュ)に恋をした。思いきってデートに誘い、同じ顔を保つため3日も寝ずに彼女と会う。イスもウジンに惹かれていくが、眠ってしまったウジンは再び外見が変わり、二度とイスの前に姿を見せることができなくなってしまう……。

 TOHOシネマズ新宿にて鑑賞。
 日本版チラシのコピーにあるとおり「見た目と中身、本当に大切なのは…」というのがすべて。それだけ聞くとあまりに陳腐ですが、主人公が123人1役という奇想天外な設定で、前代未聞のファンタジックなラブストーリーになってます。
 123人1役というのは、主人公のキム・ウジンが、寝て目が覚めると性別や年齢のまったく異なる人物になるからです。まったくもなってありえないわけですが、劇中では(ややネタバレですけど)遺伝性の病気ということになっていて、母親もすんなりと受け入れます。パク・ソジュンやユ・ヨンソク、イ・ヒョヌといった若手の人気俳優から、キム・サンホ、ペ・ソンウのような個性派、はたまたコ・アソンといった女優まで、豪華なキャストが次々と演じまていきます。
 いちばんおもしろかったのが、上野樹里のパート。日本人になってしまったので、話す言葉は日本語です。イスは日本語がなので(店で日本人客への応対もこなしてました)つい日本語で返してしまうのですが、ウジンのほうは日本語を理解できるわけではありません。韓国語で考えてはいるのだけれど口から出てくるのは日本語になってしまうということですね。なんか、リアル。荒唐無稽だからこその細やかな設定が効いてます。
 また、友人のサンベクが本当にウジンなのか確認するため、ウジンでなければ答えられないであろう質問をいろいろとしますが、決定的になるのが「俺の好きな日本の女優は?」。「あおい……」と言いかけるので、普通は蒼井優を思い浮かべるわけですが、答えは「蒼井そら」。これでサンベクは確信します。おばちゃんがAV女優を知ってるわけがない、と。こんなところもうまいですね。ウジンが美女(扮するのはパク・シネ)になったとき、サンベクが「1回だけやらせてくれ」と懇願するところにも共感します(笑)。
 監督のクレジットは「ペク」。本名はペク・チョンヨルというようですが、記号的というか、匿名的な名前が流行なんでしょうか。『ネコのお葬式』の原作者は「ホン作家」でした。CMやミュージックビデオで活躍するディレクターだそうで、これだけのキャストを集められるのもそうした経歴があってこそなのでしょう。2013年のカンヌ国際広告祭でグランプリを受賞したインテル&東芝によるソーシャルフィルム『The Beauty Inside』が原案だそうです(日本からもdynabookのウェブサイト http://dynabook.com/pc/film/ から参加可能なキャンペーンでしたが、すでに動画は閲覧できません)。
 127分とやや長めですが、単純計算すると1分ごとに主人公が変わるわけで(実際はエキストラのような扱いで一瞬しか出ないケースもありますが)めまぐるしく変化する場面に見入ってしまい、あっという間でした。ハン・ヒョジュの透き通るような美しさもあって、さわやかな恋愛模様。ユニークすぎる設定ですが、ある意味、正統派のラブストーリーといえるのではないでしょうか。

2016年3月16日

家族を守れ【あらすじ】031-060

【031】激怒するオンシムだったが、セミに弱みを握られて追い出せない。しかし、ヘスは泣きながら謝罪。オンシムはスボンと喧嘩になり、家を出ていってしまった。ミナとトンベクも住んでいると知ったスジャが憤慨するが、スボンがなだめる。ところが、今度はミンジュンが見つかって…。

【032】みんなに責められるヘスを見てミンジュンは家を飛び出した。スジャは事情があっても許すわけにはいかないと告げる。一方、イェウォンとスンヒョンの結婚を進めたいイェウォンの母はコ会長を説得しようとする。スボンにオンシムを連れ帰る気はない。ホジェの家が差し押さえに…。

【033】ホジェは実家の権利書を担保に融資を受けたいが、スボンは激怒。一方、ミンジュンは同級生と喧嘩をして警察へ。ヘスが駆けつけると相手は義弟のジョンスだった。ヘスはミンジュンを庇う。実家が兄夫婦の共同名義になっていると知ったホジェはエランを送り込むが、スジャが卒倒。

【034】スジャは泣き叫び、名義変更を知ったオンシムも憤慨。騒動のなかホジェは逆ギレする。ウジンは心配するヘスに「家族でもないのに」と言ってしまったが、翌朝、謝る。一方、ワンス食品の理事会に投資提案のプレゼンを行うウジンが現れた。コ会長もイェウォンの母も顔色を変える。

【035】ウジンのプレゼンは好評だった。一方、ユンチャンはヒジンに「つきあおう」と言いだす。ホジェはジョンスクにも借金を断られ、エランがスジャに泣きつく。オンシムはスジャに離婚まで突きつけるが、それでもスジャは家の権利書を渡さない。そんななか、イェウォンの母が現れ…。

それでも青い日に【あらすじ】061-090

【061】失望したイノは婚約を解消しようとするが、ウナはイノを脅迫。婚約式を終えるが、ウナはヨンヒを責め、そこに現れたイノは「ヨンヒに手を出すな」と告げた。一方、ミョンジュは絹物で商売をはじめることに。マンスはフィルムを没収された。ヨンヒがウナに呼びだされて…。

【062】ウナは毒を見せてヨンヒを脅迫。イノはドイツで手術を受けることを決意した。ドンスはヨンヒに誕生日を祝ってもらい、みんなでディスコへ。スッキの逃亡にマンスが関わっていると気づくが、打つ手はない。ミョンジュが専務室へ。ドッキが水をかけたところにヨンテクが…。

【063】ヨンテクが激怒し、ドッキはしかたなくミョンジュに謝罪する。イノは手術が失敗したときのためドンスに会い、医療費支援の申請書を託した。ミョンジュの商売は軌道に乗りはじめている。しかし借金の利子として絹物を奪われる。ドッキに呼びだされ、目の前で商品に火を…。

【064】ヨンヒは検定に首席で合格。イノは完治して帰国した。一方、かつて同棲していたヒャンスクがマンスの前に現れる。イノはヨンヒと再会し、医療費支援の確約書を渡した。母の治療費の問題が解決し、2人はヨンタクを訪ねる。そしてドッキの過去についてすべてを明かした…。

【065】衝撃を受けたヨンテクは真実を確かめ、ドッキを追い出す計画を進める。一方、縫製工場が突然廃業。ヨンヒはヨンテクに秘書として雇ってもらう。ミジョンはソッポムとアメリカ留学に発った。ヨンテクの突然の態度の変化に戸惑うドッキだったが、離婚届を突きつけられる…。

2016年3月15日

王の涙 ―イ・サンの決断―

宮廷内の最大派閥である老論派の陰謀によって幼い頃に父・思悼世子を死に追いやられ、25歳の若さで王位を継いだイ・サン(ヒョンビン)は常に身の危険にさらされていた。サンは書庫と寝殿を兼ねる尊賢閣で不測の事態に備えて密かに身体を鍛え、そのそばには宦官のカプス(チョン・ジェヨン)がいつも控えている。そんななか、老論派は闇商人のクァンベク(チョ・ジェヒョン)が育てた刺客のウルス(チョ・ジョンソク)を使って王の暗殺を企てる……。

 日比谷シャンテにて鑑賞。1年以上も前ですが。
 イ・サン即位から1年後の1777年7月28日、王暗殺を企てた反乱「丁酉逆変」に至る24時間に迫ります。もちろん、史実がベースではありますが、大幅なフィクションを加えた時代劇です。
 いちばんアツいのは、クライマックス、カプス(チョン・ジェヨン)とウルス(チョ・ジョンソク)の再会。畳みかけるような展開で、最大の悲劇が訪れます。泣かずにはいられません! 最大の見どころといっていいでしょう。
 この後「ハイド・ジキル、私(ジキルとハイドに恋した私)」でロマンスを繰り広げてるヒョンビンとハン・ジミンが敵対する役どころというのがおもしろいですね。ハン・ジミンには悪女のイメージがないので、その点も興味深いところです。密かに身体を鍛えているイ・サンということで、上半身裸のヒョンビンではじまるのはファンサーヴィス?
 日本版だけなのでしょうか、人物相関の解説が冒頭にあるのは親切ですね。

2016年3月13日

ネコのお葬式

ミュージシャン志望のドンフン(カンイン)と、イラスト仕事をしながら漫画家を目指すジェヒ(パク・セヨン)。ふたりは友人の結婚式で出会い、たがいに夢を追いながら同棲生活をしていた。しかし、すれ違いが続き、ふたりは別れることを選ぶ。1年後、ドンフンが引き取って育てていた愛猫のクルムが亡くなり、ドンフンはジェヒに連絡。ふたりでクルムを見送ろうと、思い出の場所に向かう……。

 シネマート新宿にて鑑賞。小さいほうのスクリーンで、2週めにして観客は4人。でも、単館系の小品というか、派手さのない、小ぢんまりとした作品なのでそれくらいがちょうどいいような。SUPER JUNIORのカンインが主演というおかげでの日本公開でしょう。K-POPアイドルが出てるだけで買ってもらえる昨今ですから。――とネガティヴに聞こえるかもしれませんが、こういう作品、嫌いじゃありません。むしろ好きです。
 1年ぶりに待ち合わせたふたり。先にカフェに着いたドンフンは、自分のアメリカーノに続けてソイラテも頼みそうになってしまいます。やって来たジェヒに「私のぶんは頼んでないの?」と言われ、ぶっきらぼうに「何を飲むかわからないから」と答えるのですが、やっぱりジェヒが頼むのはソイラテなのでした。――といった細やかな描写が、なんともリアル。あるいは、島の民宿に泊まることになったふたり。ドンフンは酒を買ってくるのですが、シャワー中のジェヒの携帯電話を見てしまい(何を見たかがはっきりと明かされるのは最後)、「もう店が閉まってた」と嘘をついて寝てしまいます。――といったところも、もどかしく、切ない。再会した元恋人への想いが再燃しそうでしない、いや、させないわけです。
 期待するような意味でのハッピーエンドではないものの、後味が悪いなんてことはありません。“等身大のラブストーリー”というと陳腐ですが、まさにそんな感じ。とりたてて大きな出来事が起こるわけではないものの、共感できる物語に仕上がってます。ウェブ漫画が原作だそうです。
 ところで、本筋とは関係ありませんが、同棲をはじめたジェヒがドンフンに「おしっこは座ってして」と言います。日本でばかり言われることかと思いきや、最近は韓国でもそんな議論が出てきてるそうですね。猫がペットとして人気になったのもここ数年のこと。ほんの十年ほど前には愛玩の対象というよりもむしろ忌み嫌われる存在だったのに、ずいぶん変わったものです。そんな意味でも“韓国の今”を垣間見ることができる作品といえるかもしれません。
 ちなみに、ドンフンが生まれ育ち、ふたりの初旅行で、そしてクルムを埋葬するために訪れる島は、仁川の南西、快速フェリーで約1時間の場所にある徳積島だそうです。
 猫の死は、物語の契機ではあるものの、そのものが描かれるわけではありません。猫好きの方も安心して観られます。

2016年3月12日

Addnine Project「君をおぼえてる」





 作曲家&プロデューサーのAddnine(アドナイン)によるプロジェクトの新曲が2016年3月11日にリリースされました。“イージー・リスニング・アコースティック・ポップ”だそうです。ヴォーカルは、音楽バラエティ番組「君の声が見える」のユン・ミンス編で“蔚山のナオル”と呼ばれたパク・ホヨンと、オーディション番組「K-POP STAR 2」出身のチェ・ナヨン。それぞれをフィーチャリングした2ヴァージョンがあります。

 で、このミュージックビデオに出てるのが、ユ・ジャンヨンなんですね。「シットコムファミリー」や「ドクター異邦人」で見かけ、のちに名前が判明しましたが、その頃は名もない端役でした。最近はドラマを中心に活躍してるようです。
 相手役はキム・ガウン。同姓同名が何人もいますが、『一途なタンポポちゃん』ではなく、映画中心のでもなく、舞台女優のキム・ガウンだと思われます。
 共通のストーリーですが、男性のパク・ホヨンVer.ではユ・ジャンヨンに、女性のチェ・ナヨンVer.ではキム・ガウンに焦点が当てられてます。

ユ・ジャンヨン(ユ・ギョム)

2016年2月26日

ザ・テノール 真実の物語

甲状腺癌で声を失った韓国の天才テノール歌手と、彼の才能に惚れ込み、支え続けた日本の音楽プロデューサー、ふたりの実話をもとに描いた日韓合作映画。韓国文化院の特別上映会にて鑑賞しました。
 キム・サンマン監督の前作『ミッドナイトFM』に続いて主演はユ・ジテ。さすがに歌唱は吹き替えですが、堂に入った歌いっぷりで、あまり違和感はなし。伊勢谷友介も情熱的な役どころにぴったりでした。チャ・イェリョンも控えめながら主人公の妻役を好演してます。北乃きいは……どうなんでしょう。ギターの弾き語りシーンとか必要だったのかなと思わないでもありません。
 主人公の見る悪夢(というか妄想というか)のシーンが印象的。キム・サンマン監督の出自が美術監督ということもあるのか、幻想的で、ヴィジュアル的に美しいものでした。
 ちなみに、一色信彦教授による手術のシーンはほとんど事実どおりだとか。局部麻酔で実際に患者が声を出しながら、楽器を調律するかのように、声帯を再生させるという……。原題のサブタイトルにある「リリコ・スピント」というのは、テノールのなかでも4つに分類される声質のひとつだそうです。
 それにしても、日本でのアーティスト表記が「ベー・チェチョル」なので仕方がないのでしょうが、主人公の名前の表記が……。ペ・ヨンジュンを「ベー・ヨンジュン」とは書かないように、ペ・ジェチョルとするのが素直な表記だと思うのですが。

ザ・テノール 真実の物語

原題 더 테너: 리리코 스핀토(ザ・テノール リリコ・スピント)
2014年/韓国・日本/121分/2015年9月7日公開(韓国)/2014年10月11日公開(日本)
http://the-tenor.com/

脚本・監督 キム・サンマン(『ミッドナイトFM』)
撮影 チュ・ソンリム
編集 シン・ミンギョン
音楽 キム・ジュンソン

ユ・ジテ……ペ・ジェチョル(ベー・チェチョル) オペラ歌手
伊勢谷友介……沢田幸司 音楽プロデューサー
チャ・イェリョン……イ・ユニ ジェチョルの妻
北乃きい……美咲 沢田のアシスタント
ナターシャ・タプスコビッチ……メリーナ オペラ歌手
ティツィアーナ・ドゥカーティ……パオロ ジェチョルのエージェント
ソン・ミンギュ……ペ・ソヌ ジェチョルとユニの息子
キム・ギヒョン……ジェチョルの父
イ・ヨンイ……ジェチョルの母

2016年2月25日

ミス・コリア


ミス・コリア

原題 미스코리아(ミスコリア)
2013年12月18日~2014年2月26日放送/全20話/MBC
http://www.imbc.com/broad/tv/drama/miko/
脚本 ソ・スクヒャン(「パスタ~恋が出来るまで~」「ロマンスタウン」)
演出 クォン・ソクチャン(「パスタ~恋が出来るまで~」「ゴールデンタイム )
KNTVにて2014年7月12日~9月14日放送

ミス・コリア【あらすじ】

グッド・ドクター



グッド・ドクター

原題 굿닥터(グッドドクター)
2013年8月5日~10月8日放送/全20話/KBS
http://www.kbs.co.kr/drama/gooddoctor/
脚本 パク・チェボム(「神のクイズ」シリーズ)
演出 キ・ミンス(「烏鵲橋の兄弟たち」)、キム・ジヌ(「乱暴〈ワイルド〉なロマンス」)
KNTVにて2013年12月27日~2014年4月26日放送

グッド・ドクター【あらすじ】

ドクター異邦人


ドクター異邦人

原題 닥터 이방인 (ドクター異邦人)
2014年5月5日~7月8日放送/全20話/SBS
https://programs.sbs.co.kr/drama/doctorstranger/
脚本 パク・チヌ(「漢城別曲」「風の国」)、キム・ジュン
演出 チン・ヒョク(「華麗なる遺産」「主君の太陽」)
KNTVにて2014年11月29日~2015年2月1日放送

ドクター異邦人【あらすじ】

2016年2月22日

フェイク(サイビ)

ダム建設で水没予定の村に、粗暴なミンチョル(ヤン・イクチュン)が帰ってきた。娘のヨンソン(パク・ヒボン)は大学に進学するため工場で働いて貯金をしていたが、父に通帳を奪われてしまう。一方、村では宗教団体が教会を起ち上げ、心やさしい牧師のチョル(オ・ジョンセ)のもと、信者を増やしていた。しかし、パンソク教会の長老を名乗るギョンソク(クォン・ヘヒョ)は実は詐欺師で、村人から金を巻き上げようとしているのだった。ミンチョルはギョンソクが指名手配犯だと気づくが、警察も村人もミンチョルの言うことに耳を貸さない……。

 日本初上映は別府日韓次世代映画祭でしたが、劇場未公開のままで、GEORAMAセレクションとして座・高円寺2で上映されたのを鑑賞。日本語字幕がひどく残念なものでした。おそらく英語字幕から翻訳したのでしょう。主人公の名前から「ミンチョル」が「ミンチュル」と間違っていて、チョイさん(英語でChoiなどと表記されますが、チェさん)、リさん(Leeと表記されますが、韓国での発音はイさん)が出てきたり……。最大のミスは、牧師なのに「神父」と訳されていたところ。これはマズいんじゃないでしょうか。タイトルも英題の“The Fake”からとったのでしょうが、「フェイク」という日本語にしてしまうと、ちょっとニュアンスが違ってきますね。原題の意味するところは「えせ」「いんちき」といった感じなので。

「本格社会告発アニメーション」と銘打つだけあって、かなり痛烈。騙され、洗脳されている村人たち、詐欺だと訴えても相手にされない主人公のミンチョル、いずれも悲劇的な結末を迎えます。牧師のチョルも深い闇を抱えていて、終盤で変貌するあたりはゾッとしました。祖母を亡くす知的障害者のソンホも。アニメじゃなきゃいけなかったのだろうかと思わないでもないのですが、実際、当初は実写映画として構想されていたのだとか。『息もできない』のヤン・イクチュンをはじめ、声優陣が豪華です。

フェイク

原題 사이비(サイビ/似而非)
韓国/2013年/101分/2013年11月21日公開(韓国)
第6回別府日韓次世代映画祭(2014年3月28日~30日)にて日本初上映
GEORAMA 2016(2016年2月2日~23日)にて上映

監督・脚本 ヨン・サンホ(『豚の王』)

【声の出演】
ヤン・イクチュン……キム・ミンチョル
パク・ヒボン……キム・ヨンソン ミンチョルの娘
ファン・イクチョン……ミンチョルの妻
オ・ジョンセ……ソン・チョル 牧師
クォン・ヘヒョ……チェ・ギョンソク パンソク教会の長老、詐欺師
キム・ジェロク……チルソン スーパー店主
キム・ナムジン……チルソンの妻
イ・スヒョン……ソンホ

2016年2月21日

鴎/海燕

 結婚を控えるジョンエ(ナム・ミリム)は、金を稼ぐことに夢中なチョルス(パク・ハク)に失望し、「住む世界が違う」とひとりソウルを離れた。1年後、ジョンエは感化院で少年たちの更生に情熱を注いでいる。そんなある日、冬休みを利用して妹のジョンスク(チョ・ミリョン)がやって来る。ジョンスクに自分を捨てた姉の面影を見るスギル(チェ・ビョンホ)は、同じように継母に育てられたジョンスクと親しくなり、次第に更生していくが……。

 日韓国交正常化50周年を記念して2015年11月21日から開催された「韓国映画1934-1959 創造と開花」。この作品は「解放後初の文芸映画」「チョ・ミリョンのデビュー作」と謳われた“無声映画時代の名匠”イ・ギュファン監督作。2014年に神戸映画資料館で35mmのポジフィルムが見つかり、韓国映画界の大きなニュースになりました。神戸映画資料館には韓国映像資料院から感謝の盾が贈られたそうです。復元版プリントによる日本初上映とのこと。ちなみに、今回の上映時は『鴎』という邦題ですが、タイトルバックに出るのは漢字の『海燕』で、(一名 갈매기)と添えられてます。「一名」というのは「別名」ということですね。クレジットは「シナリオ」という単語以外すべて配役も漢字表記でした。

追跡者〔チェイサー〕


 観たのはずいぶん前ですが、すっかり放置してたので、簡単にメモ。
 硬派な、骨太なドラマで、こういう作品はうれしいですね。とってつけたようなロマンスもなく。緊張感あふれるストーリー展開で最後まで飽きさせません。何しろ主人公を演じるのがソン・ヒョンジュ。イケメン売り的な昨今の韓流商売とは大違いです。こんなに地味なのに、回を重ねるごとに視聴率が急上昇したのも納得。脚本の力、キャストそれぞれの演技巧者ぶりが圧倒的でした。カン・ドンユン役のキム・サンジュンも、眉ひとつの動かし方からして、すごい。思わず「うまい……」と唸ってしまいます。いわゆるスターが出ているわけではない、社会派サスペンス。それでも、作品性で勝負できることを証明したといえるでしょう。SBS演技大賞では大賞(ソン・ヒョンジュ)を含む7冠に輝きました。その後「パンチ~余命6ヶ月の奇跡」などが制作されるようになったのも、この作品のおかげじゃないでしょうか。
 ちなみに、ハノグループの「ハノ」とは「五(=オ/오)人の兄弟がひとつ(=ハン/한)になる」という意味(ハンオ→ハノ)とか。2人の兄を亡くし、多大な苦労をして成功を手にしたソ会長(パク・クニョン)が語ってました。

追跡者〔チェイサー〕

原題 추적자(追跡者)
2012年5月28日~7月17日放送/全16話/SBS
http://tv.sbs.co.kr/thechaser/
脚本 パク・キョンス(「黄金の帝国」「パンチ」)
演出 チョ・ナムグク(「お隣さんは元ダンナ」「黄金の帝国」)
KNTVにて2013年9月20日~11月8日放送