2009年12月28日

ペ・ヨンジュンと学ぶ韓国語DS

 以前、母から頼まれてNintendo DS用のソフト「ペ・ヨンジュンと学ぶ韓国語DS」を買いました。実家に帰省したので試しにプレイ。
 ヨン様によるオープニング・ムービーが流れたり、名前を登録すると「素敵な名前ですね」と言ってくれたり、ファンにはたまらない作りでしょうね。誕生日を登録すると「その日はそばにいたい」とかいうのですが、たまたま母の誕生日に開いてみたら「いっしょに過ごせなくて残念です」とか何とか。なかなかニクい演出です。
 ペ・ヨンジュンのファン、「冬ソナ」で韓国語に興味をもった初心者にはぴったりでしょう。ハングルのあの棒や丸を書いてみる、内蔵マイクに向かって「アンニョンハセヨ」と言ってみるところからはじまります。逆にいうと、そのレベルからやっていかないとゲームに挑戦したりできないので、すでに基本を押さえてる人はイライラしてしてまうかも。ぼくはちょっと付き合ってられなかったので、母の登録データでプレイしてみた次第です。
 どれほど売れてるのかわかりませんが、初心者の学習意欲をかきたてることは間違いないでしょう。中級用、上級用と、いろんなレベルが出るといいですね。

 

2009年12月26日

DVD-SETが2作品

 DVD-BOXならぬDVD-SETという商品が続けて出ますね。ジェネオン・ユニバーサルだけが使ってる言葉なのかもしれませんが。
 2009年12月2日に発売済みなのが『蜜愛』。似たようなタイトルの韓国映画(ピョン・ヨンジュ監督&キム・ユンジン主演の『密愛』)があって紛らわしいことこのうえないですけど、こちらはAV出身のポン・マンデ監督(『欲望 Lovers』ほか)が手がけたオムニバス形式の"テレビ映画"。ケーブル・テレビで放送されました。「韓国初のテレビ用映画」という触れ込みですが、まぁ、そりゃそうでしょうね......。最近も"テレシネマ"なんてあるものの、意味がよくわかりません。ちなみに原題は『同床異夢』。官能映画の撮影現場を舞台にしてます。
 2010年3月3日に発売予定なのが『イヴの誘惑』。こちらは劇場公開もされてますが、もともとは同じくケーブル・テレビで放送された作品。『悲夢』のキム・テヒョンや「シークレット・ルーム」のソヨンが主演をつとめる4話オムニバスです。
 こうした作品が日本語字幕付きで観られるとは驚きですね。

『蜜愛』DVD-SET 原題『同床異夢』 2009年12月2日発売


『イヴの誘惑』DVD-SET 2010年3月3日発売予定


2009年12月24日

日本アカデミー賞にペ・ドゥナ!

 第33回日本アカデミー賞の優秀主演女優賞に『空気人形』のペ・ドゥナが! 授賞式は2010年3月5日に開催。当日は日本テレビ系で21:00~22:54に生中継番組があるそうです。
 で、5人のなかから最優秀賞が選ばれるのかと思ったら、どうやらそうじゃないんですね。5人が受賞っていうだけ......。なんじゃそりゃ。広○なんかと並んで受賞してもなぁ......。

追記
 あれ? やっぱり最優秀主演女優賞も選ばれるみたいですね。ただ、現在の5人はあくまでも優秀主演女優賞の受賞者であって、「ノミネートされた」わけではないということのようです。このなかから最優秀賞が選ばれるのだから同じようなものですが......。

日本アカデミー賞
http://www.japan-academy-prize.jp/

2009年12月22日

玄海灘は語らず

 キム・ギヨン監督によって映画化された『玄海灘は知っている』の続編にあたる小説です。第2部『玄海灘は語らず』、第3部『勝者と敗者』で"阿魯雲伝"は完結するのですが、それらを統合してこの邦訳『玄海灘は語らず』はできてます。『勝者と敗者』の3分の1弱が削られてるそうですが、著者自身が大幅に手を入れ、章を改めるなどしてるとのことなので、抄訳ではなく独立した作品といえるかもしれません。
 前作、軍から脱走して秀子とともに彦根を目指した阿魯雲。その後、同胞と出会って何とか生き抜いてきた阿魯雲でしたが、すれ違いから秀子と離ればなれになってしまい、ついに脱走兵として捕らえられてしまいます。そして、軍法会議にかけられるのを待つばかりの阿魯雲でしたが、ついに日本が敗戦の日を迎えます。しかし、そこでめでたしめでたしというわけではなく、阿魯雲は大きな決断を迫られるのでした......。
 単純なハッピーエンドではありませんが、希望に満ちた結末です。いや、もちろんその後の苦労も歴史的に考えると想像はできるわけですけど、少なくともラストの主人公たちはとても前向きです。2段組で440ページという大著。ずっしりと読みごたえのある作品でした。

玄海灘は語らず――続阿魯雲伝
韓雲史/村松豊功・訳/角川書店/1993年/3,398円

 

2009年12月21日

チョ・ソンモ「ご存知ですか」

 チョ・ソンモの代表曲「ご存知ですか」は名曲ですよね(2000年の3集『Let me love』に収録)。そして、そのミュージック・ビデオも名作だと思います。映画並みのスケールで制作される韓国ミュージック・ビデオの先駆けじゃないでしょうか。ヴェトナム戦争に派兵された兵士と現地の少女との出会いが描かれてます。チョ・ソンモのほか、チョン・ジュノ、ホ・ジュノと出演者も豪華。現地の少女役を当時16歳のシン・ミナが演じてました。




「ご存知ですか」のシン・ジス
シン・ジス(左)とシン・ミナ
で、この作品が収録されたDVDを持ってる(ずいぶん以前にBOOK・OFFかどこかで見つけて500円とかで購入した)んですが、ひさしぶりに観ました。
 シン・ジスも出てたんですね。いまBS日テレで視聴中の「愛をたずねて三千里」でヒロイン(ソ・ユジン)の妹役をやってるんですが、その顔を見てるだけで笑ってしまうような、かわいらしい役どころです。そこで「ほかに何に出てたっけな」と思って調べてみたら、この作品が。まったく記憶になかったので再見した次第です。姉役のシン・ミナとはひとつしか違わないはずですが、ちゃっちゃくて(頭ひとつ違う)まるで子ども。しかも本物の現地人のようでした。でも、眉間のしわの寄り具合とか、やっぱり彼女ですね。
 ちなみに、このDVDにはタイトルに「ご存知ですか」と入ってるのにジャケットには未掲載。ところが実際にはNG集などのあと、最後のチャプターに収録されてます。入手は困難かもしれませんが、お宝です。

チョ・ソンモ『ご存知ですか・Let me love』 조성모『아시나요・Let me love』
2000年発売/SPECTRUM DVD/約105分/リージョン・コードALL
【収録曲】
To Heaven
불멸의 사랑(不滅の愛)1
불멸의 사랑(不滅の愛)2
후회(後悔)
For Your Soul
가시나무(茨)
아시나요(ご存知ですか)



2009年12月20日

Re: 玄海灘

 映画『玄海灘は知っている』の原作――というか、1960年にラジオ・ドラマとして発表され、翌年に映画化および小説化とのことなので、厳密には原作小説とはいえないのかもしれません。1968年には連続ドラマ化もされた模様。
 著者はハン・ウンサ(韓雲史)。学徒出陣や日本体験をもとにドラマを手がけてきた脚本家です。自伝的な大河小説で、主人公の阿魯雲(ア・ロウン)という名前は『阿Q正伝』の"阿"、魯迅"魯"、自分の名前から"雲"を取ってつけられ、aloneにかけてるとのこと。その後、第2部『玄海灘は語らず』、第3部『勝者と敗者』と続き、完結したのは1963年3月です。
 この邦訳『玄海灘は知っている』はすでに絶版のようで、Amazonのマーケットプレイスではけっこうなコレクター価格がついてました。

 映画とは異なる箇所が多く見られます。365ページ(しかも2段組)という長編ですから、117分に収めた映画とは違っていて当然ですけどね。
 特にラスト・シーン。まるでゾンビのような主人公の復活シーンは観客に笑いをもたらしましたが、原作では軍から脱走し、秀子とともに彦根を目指すところで終わります。あれほど衝(笑?)撃的な展開はありません。
 また、キャラクター設定も映画では簡略化されてるようで、とりわけ古参兵の森は描写が異なります。映画では単純な憎ったらしい悪役ですが、原作ではより奥行きのある人物として描かれてました。もちろんイヤな奴には違いないのですが、阿魯雲が命を救ってしまったり情けをかけたりしてしまうような、ある意味、人間臭いキャラクターです。
 昭和18年に実施された「半島人学徒特別志願兵制」で半ば強制的に徴兵された多くの朝鮮人青年たち。彼らの知られざる実態が描かれてます。日本軍の面々も画一的な描写にとどまらず、いろいろな人がいたことが(当たり前ですけど)わかります。とても読みごたえのある作品でした。

玄海灘は知っている――阿魯雲伝
韓雲史/村松豊功・訳/角川書店/1992年/2,548円

【関連記事】
自由コラム・グループ 玄海灘は知っている
http://www.freecolumn.co.kr/news/articleView.html?idxno=971
月刊アリラン「日本における韓国近代史の現場」第84回
http://www.arirang21.com/news/quickViewArticleView.html?idxno=64
Iza【外信コラム】ソウルからヨボセヨ 合掌・韓雲史さん
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/gaishin/290182/

 

2009年12月19日

映画秘宝 2010年1月号

 今号には韓国関連の大きな特集はありませんが、「韓国映画最大の怪物監督!キム・ギヨン的不道徳映画講座」と題する記事が1pありました。「ギヨンが見出す『道徳の完全な退廃状態』」という評のほか、『下女』『高麗葬』『死んでもいい経験』のレビューを掲載してます。
 それから2010年上半期の「この映画は押さえておけ!30+α」でパク・チャヌク監督作『渇き』が取り上げられてます。ちなみに見出しは「パク・チャヌク+ソン・ガンホのフルチン吸血鬼!? エッチあります!!」。

映画秘宝 2010年1月号
洋泉社/1,050円(本体1,000円)/2009年11月21日発売
【掲載記事】
キム・ギヨン的不道徳映画講座



2009年12月18日

DVD『小説ソウル』

 アラーキーこと荒木経惟のDVD『小説ソウル』をBOOK・OFFにて950円で発見。同名写真集は知ってますが、映像作品があったことは知りませんでした。封入された紙(ライナーノーツと呼べるほどではない)によると写真集と同時発売されたらしいのですが、Amazonなんかでも取り扱いはなく詳細は不詳(下記のリンクは写真集です)。
 1982年以来、7度にわたる訪韓で撮影された何万カットもの写真を振り返るところからはじまり、写真集のメイキング映像のようになってます。初めてフェリーで訪れた釜山で異様に厳しかった税関の話をしたり、出会った青年の写真を見て写真論を語ったり。中上健次との共著『物語ソウル』(1984年/Parco出版)、李良枝(在日韓国人二世の小説家。舞踊家としても知られる)を撮った『移動 ナビの舞う空』(1991年/スイッチ・コーポレーション書籍出版部)についても語られます。彼の目線は路地裏や市井の人々などに向けられるので、生活感のある風景がおもしろいです。

ハン・ゴウンin小説ソウル さまざまな撮影風景が挿入されるのですが、ホテルの部屋らしきところ、漢江のほとりの2ヶ所でモデルとなってる女性に目が留まりました。あれ、ハン・ゴウン!? Googleで検索してみてもそのことに触れてる文章は見当たらないのですが、どう見てもハン・ゴウンです(ただしアラーキーの写真といってもヌードではありません)。さらにYahoo! Koreaで検索。すると、2002年にソウルで開催された荒木経惟写真展『Novel Seoul, Story Tokyo』を観た人のブログに「ハン・ゴウンを見つけた」との記述を発見しました! やっぱり間違いないようです。ジム・ジャームッシュ監督の写真もあって、展示ガイドからアラーキーが彼らと懇意にしてるという話を聞いたそうです。
 最終の撮影は2001年2月とのことなので、ハン・ゴウンはすでに「Happy Together」や「ジュリエットの男」に出演してますが、日本ではほとんど知られてない頃ですね。意外な発見でした。

DVD『小説ソウル』
2001年4月24日発売/スイッチ・パブリッシング/3,000円



2009年12月17日

HERO

 先日、ワケあってイ・ビョンホン出演作をかなりまとめて観たのですが、『HERO』がテレビで放映されるとは(2009年12月11日)......。ついこのあいだレンタルしてしまいました。GEOで100円でしたけど。ほとんど興味がないので、ドラマ版もほとんど観たことがありません。必要に迫られなければ借りてまで観るものじゃなかったなぁ。
 東京地検の久利生公平(木村拓哉)と雨宮舞子(松たか子)が事件の証拠となる密輸車を追って釜山に飛びます。そこで協力を要請されるのが、イ・ビョンホン扮する釜山地方検察庁所属のエリート検事カン・ミンウでした。雨宮曰く「イケメン検事」。超多忙という設定で、出番はほんの数分程度。拉致された雨宮を救いだす、密輸車の発見後、久利生に「彼女を離すなよ」と台詞を残して去る、それだけです。その前に電話の声がありましたが、わずか2シーンのみの登場でした。カッコよさだけを印象づける役どころですね。
 その他、カン検事の部下ということで代わって久利生らに手を貸すキム・ヒョンウ役にペク・トビン。ペク・ユンシクの息子ですね。『死んでもハッピーエンド』の新米刑事役などを演じてます。日本語ができるという設定ですが、おそらく実際に堪能なわけではないのでしょう、残念ながらビミョーな日本語でした。麻薬密売組犯のイム・ヒョンチョル役を演じてたのはアン・ギルガン! 最近は「イルジメ」や「善徳女王」などドラマにも出演してますが、リュ・スンワン監督作の常連ですね。ほとんど台詞はありませんでしたが、出てきたときには掘り出し物を見つけた感じがしました。
 しかしまぁ、韓国が舞台になる必然性はそれほどなかったような気がしますね。

 

2009年12月16日

ソ・チャニ「TATTOO」

 ソ・チャニは1972年1月20日生まれの女性歌手です。まだ高校2年生だった1989年、女性ロック・バンドEVEのギタリストとしてデビューしました。その後、ダンス・ユニットCUBEのメンバーとしても活動しましたが、1996年以降はソロ歌手。2006年までに8枚のアルバムをリリースしてます。

 で、なぜ取り上げたかというと「ザ・スリングショット」で気になったホ・ウクがミュージック・ビデオに出演してるから。この「TATTOO」は2002年の6集『The beginning』に収録されてる曲です。ヒロインの親友の恋人という役どころのようで、ところどころで幸福そうなカップルとして姿を見せます。ほんのちょっとですが。

ソ・チャニ(소찬휘)「TATTOO」


ホ・ウク

ケイ(ホ・ウク)「ザ・スリングショット」を観ていて気になったのがケイ役でした。悪役であるチェ・ドウ(キム・ガンウ)の忠実な部下。寡黙で、ほとんど口を開くことはありませんが、ドウのためなら殺人すら厭いません。終盤、ドウから海外への高飛びを命じられたときの「いつ呼び戻してくれますか!?」という台詞にはホモセクシュアルな雰囲気さえ感じられます。陰のある役どころで、気になる存在となったのでした。
 このケイ役を演じたのがホ・ウクです。慶星大学の体育学科卒でスポーツ万能らしく、2001年にPSBタレント2期生としてデビューしました。が、あまり出演作がありません。何をしてたんでしょうねぇ。『トンケの蒼い空』と『タイフーン』に出演してますが、どちらも印象にありません......。さらに遡ること2002年にはソ・チャニ「TATTOO」(6集『The beginning』に収録)のミュージック・ビデオに出演してました。これは映像を探して観てみたのですが、ヒロインの親友の恋人といった役柄のようです。ところどころ出てくるだけですが、育ちのよさそうな青年をさわやかに演じてて、ケイとは大違いでした。
 ちなみに、父親のホ・ナムシクは現職の釜山市長!

ホ・ウクホ・ウク 허욱
生年月日:1978年3月24日
身長:183cm

「ザ・スリングショット~男の物語」(09) ケイ(カン・チヨン)役

『トンケの蒼い空』(03) ケファン役
『タイフーン』(05) チェ・チーム長役


ホ・ナムソク釜山市長←お父さんのホ・ナムソクは現職の釜山市長。顔のかたちが似てるか?


2009年12月15日

ザ・スリングショット

 録画して観るのをしばらく中断していた「ザ・スリングショット~男の物語」を最終話まで観ました。脚本はシン・ジナ。「黎明の瞳」(91)「砂時計」(95)に続く"大韓民国3部作"の完結編ということで、骨太な作品に仕上がってます。サブタイトル(=原題)どおり"男ドラマ"でしたね。
 兄を自殺に追いやった大企業の後継者に復讐をする物語。その過程で一癖も二癖もある連中が仲間になっていきます。なかでもパク・キウン演じる伝説の証券アナリスト"マジンガー"ことアン・ギョンテ役がサイコー。おそらく『デス・ノート』のLを参考にしたんでしょうけど、挙動不審な立ち振る舞いが笑わせてくれます。それでいて頭脳明晰。後半、ウンス(ハン・ヨウン)に恋をしてからはかわいらしい仕種を見せたりも。イ・フィリップは「太王四神記」以来の2作目ですね。LA育ちの国際弁護士、女ったらしのト・ジェミョン役。カッコよかったです。元詐欺師のパク・ムノ役はイ・ムンシク。飄々とした雰囲気がぴったりでした。パク・ヨンハも「オンエアー」に続いて俳優として再評価されたことでしょう。男臭く、イイ役どころでした。
 で、彼ら"ドリーム・チーム"の前に立ちはだかるのが、キム・ガンウ扮するチェ・ドウ。感情などない冷酷な男です。自分の夢(っていうか妄想)を実現するためには手段を選ばない非情な人間。終盤のコワレていく姿には鬼気迫るものがあります。最終話では怪演と呼べるほどでしたね。
 ところでその最終話、まぁ「物語はまだ終わってない!」という落とし方はよくありますけど、いまひとつだったような気がしないでもありません。特に第19話がドキドキハラハラの展開だっただけに、もっとスカッと終わらせてほしかったというか......。もちろんおもしろい作品でありましたが。

 この作品でもっとも気になった俳優は、ドウの忠実な部下ケイ(本名はカン・チヨン)役のホ・ウク。出演作は多くないようで、『トンケの蒼い空』(03)や『タイフーン』(05)でも印象にはありません。このケイ役はほとんど台詞がありませんが、ドウに影のように寄り添い、その命令を忠実に遂行していきます。「ファン・ジニ」の護衛兵イセン役(イ・シファン)みたいに、こういう役どころは気になるものです。
 シン(パク・ヨンハ)の後ろ盾となるヤクザのボス役は『花嫁はギャングスター』の"白鮫"チャン・セジンでした。その部下のジュンホ役には「守護天使」の"ライター"キム・ヒョンボム。どうやらシンの兄嫁に惚れちゃったらしく、照れ隠しをしつつ手助けをする好感のもてる役どころでしたね。市長の補佐官、のちに市長に立候補するキム・ジョンジン役は「インスンはきれいだ」でヒロイン(キム・ヒョンジュ)を支える教師役を演じてたオム・ヒョソプ。本作でも人のいい役どころです。「糟糠の妻クラブ」で広く顔が知られるようになったアン・ネサンは冒頭、自殺に追いやられるシンの兄役で特別出演してました。「太王四神記」の鍛冶職人パソン役で知名度が急上昇したキム・ミギョンは後半、無愛想ながらシンたちの味方となる刑事で登場します。回想シーンで登場するドウの母役は「宮」のユン・ユソンでした。
 映画の名脇役がチラッと出てたりもします。『ブラザーフッド』のチョン・ジェヒョンは前半のみ、『小さな恋のステップ』のチョン・ギュスは第9話のみでした。コウモリみたいなオ・サンウォン役のキム・レハ(ポン・ジュノ監督作の常連)、ミョンド市長役のチョン・ソンファン(『弓』)などは最近、ドラマでもよく見かけますね。『マルチュク青春通り』のキム・ビョンチュンはこれまた狡猾なミョンド警察署長役。
 それから意外なところでは歌手のヤン・ヒウン(「がんばれ!クムスン」などのヤン・ヒギョンの姉)が投資家ミミ・チャン役で第15話のみ友情出演してます。

ザ・スリングショット~男の物語 남자 이야기(男の物語)
KBS2/全20話/2009年4月6日~6月9日放送
http://www.kbs.co.kr/drama/slingshot/
演出:ユン・ソンシク/脚本:ソン・ジナ
日本ではKBS Worldにて放送
DVDはメディアファクトリーより2010年1月8日~発売

パク・ヨンハ......キム・シン
キム・ガンウ......チェ・ドウ チェドン建設の後継者
パク・シヨン......ソ・ギョンア シンの元恋人
ハン・ヨウン......チェ・ウンス ドウの妹
パク・キウン......アン・ギョンテ 証券アナリスト"マジンガー"
イ・フィリップ......ト・ジェミョン LA育ちの国際弁護士
イ・ムンシク......パク・ムノ 元詐欺師、音楽喫茶「ミューズ」店主
ホ・ウク......ケイ(カン・チヨン) ドウの忠実な部下
チャン・セジン......ボムファン ナンバン組のボス
キム・ヒョンボム......ジュンホ ナンバン組の構成員
パン・ウニ......ミョンソン シンの兄嫁
チャン・ハンソン......チェ・ドンス チェドン建設の会長、ドウとウンスの父
キム・レハ......オ・サンウォン チェドン建設の理事、チェ会長の側近
チョン・ソンファン......ヤン・ウソン ミョンド市長
オム・ヒョソプ......キム・ジョンジン 市長の補佐官
キム・ビョンチュン......イ・ジュング ミョンド警察署長
キム・ミギョン......キム・ギョンジュ刑事
チェ・ジナ......チャン・マダム ギョンアが働くルームサロンのママ
イ・ビョンジュン......ト・マニ ジェミョンの父
チョン・ジェヒョン......ジェソプ ナンバン組の下っ端
シン・ジュニョン......サリ村の住人
チョン・ギュス......キム社長 第9話
アン・ネサン......キム・ウク、シンの兄 ※特別出演
ユン・ユソン......ドウの母 ※特別出演
ヤン・ヒウン......ミミ・チャン 投資家 第15話 ※友情出演

 

2009年12月14日

2010年1月発売のDVD

 特に韓流スターの出演作じゃなくても、まだまだDVDスルー作品が出るんですね。
 お宝探しの『ワンス・アポン・ア・タイム』はまるでインディ・ジョーンズのようなジャケです。『青燕』『R-POINT』『親知らず』は原題そのままですが、あいかわらず原形をとどめない困りものの邦題も。ほぼ原題どおり『11番目のママ』として衛星劇場で放送されたキム・ヘス主演作が『愛してる、泣かないで~最後の約束~』なんていう涙の押し売り的なタイトルでリリースされます。チョン・ジェヨン主演の『マイ・キャプテン キム・デチュル』は『ぼくら特殊発掘捜査隊』に......。
 クァク・チェヨン(クァク・ジェヨンという表記が浸透してしまいましたが......)監督の『僕の彼女はサイボーグ』はすでに通常版とスペシャル・エディションが発売されていますが、再編集されたインターナショナル特別版が発売になります。
 イ・ビョンホンが出演した『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』は通常版のほか豪華版、Blu-rayも発売されます。

1月1日
『青燕』
『ワンス・アポン・ア・タイム 東方の光の秘密』
 

1月13日
『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』Blu-ray/豪華版/通常版
  

1月29日
『R-POINT』
『親知らず』
『愛してる、泣かないで~最後の約束~』 原題『11番目のママ』
『ぼくら特殊発掘捜査隊』 原題『マイ・キャプテン キム・デチュル』
『僕の彼女はサイボーグ』インターナショナル特別版
    

2009年12月13日

ペク・チニ

 先日の韓国映画ショーケース2009『バンドゥビ』でヒロインを演じていたペク・チニが気になります。
 2004年に路上でスカウトされ、数々のCMで活躍。テッサロニキ国際映画祭で芸術功労賞、全州国際映画祭の長編コンペティション部門で最優秀作品賞を受賞したイ・ソ監督の『人を捜します』がデビュー作になるようです。女優としての活動はまだ1年程度ですが、『バンドゥビ』で主演に抜擢。不機嫌なイマドキの女子高生が外国人労働者と知り合ったことで変わっていく姿をうまく演じてます。この作品のなかだけでもさまざまな表情を見せてくれるので、ほかの作品も観てみたいところですね。『キッチン』では端役のようですが、「1000万回愛してる」ではヒロイン(イ・スギョン)の妹役ということで知名度も上がってきてるんじゃないでしょうか。

ペク・チニペク・チニ 백진희
生年月日:1990年2月8日
身長:163cm

「CRIME シーズン2」(08)
「1000万回愛してる」(09) コ・ウンジョン役 ウンニム(イ・スギョン)の妹

『人を捜します』(08)
『キッチン~3人のレシピ~』(09) カップルの女子学生役
『バンドゥビ』(09) ミンソ役

ペク・チニ公式ファンカフェ
http://cafe.daum.net/Baekjinhee/

2009年12月12日

真!韓国映画祭in東京

 真!韓国映画祭の東京での初日が発表になりました。2月27日からポレポレ東中野です! 上映作品は名古屋と同じ、『飛べ、ペンギン』『空を歩く少年』『ビバ!ラブ』『今、このままがいい』の4作品。これはぜひともコンプリートしたいところです。

真!韓国映画祭
http://cinemakorea.org/rkcf/
2009/12/26(土)~2010/1/8(金) 名古屋・シネマスコーレ
2010/2/27(土)~ 東京・ポレポレ東中野

2009年12月11日

2009年12月発売のDVD

 12月に発売される韓国(および韓国関連)映画DVDのリリース情報です。ハリウッド映画である『G.I.ジョー』はBlu-rayも出ますね。
『訪問者』はすでに衛星劇場でオンエア済み。この作品や『ドレミファソラシド』は韓流スターの主演作(カン・ジファンとチャン・グンソク)ということで納得のリリースですが、こんなのも出るの!?という作品がいろいろと発売されます。『プラスティック・ラブ』というのは第19回東京国際映画祭や大阪アジアン映画祭2007で上映された『夏が過ぎゆく前に』。なんでこんなタイトルにしちゃうのか......。『友へ』のキム・ボギョンが主演で、イ・ヒョヌがダメ男を演じてる地味な作品です。チョン・スイル監督の『私は私を破壊する権利がある』なんていう地味な作品まで発売されます。
 唯一『夜のゲーム』という作品は初耳でした。名の知れた俳優は出てませんし、アン・チャヌという監督も知りません......。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で北海道知事賞を受賞したとか。コリアン・エロスっぽいですが、韓国現代文学が原作らしいです(2010年1月に邦訳が発売予定)。

12月2日
『訪問者』


12月4日
『ドレミファソラシド』
『マイ・ボス マイ・ヒーロー3』 原題『商師父一体』
 

12月11日
『G.I.ジョー』スペシャル・コレクターズ・エディションBlu-ray/通常版
 

12月12日
『私は私を破壊する権利がある』
『セブンデイズ』コレクターズ・エディション
 

12月16日
『宿命』通常版


12月18日
『アンティーク~西洋骨董洋菓子店~』
『甘いウソ』
 

12月22日
『夜のゲーム』


12月25日
『止められない結婚 劇場版』
『プラスティック・ラブ』 原題『夏が過ぎゆく前に』
『ベイビィ・パニック~僕らの育児奮闘記~』 原題『幼児独尊』
  

2009年12月10日

真!韓国映画祭

 名古屋の老舗ミニシアター「シネマスコーレ」で韓国映画フェスティバルが開催されます。2010年の春からはポレポレ東中野ほか全国を巡回する予定だとか。共同配給は90年代から韓国の未公開作品を上映してきたシネマコリア。さすがに"韓流映画"じゃない良質な作品を紹介してくれます。
 イム・スルレ監督の『飛べ、ペンギン』はユン・ドヒョン『harmony』のきっかけとなった作品ですね。『今、このままがいい』はあいち国際女性映画祭2009や第22回東京国際女性映画祭で話題になった作品で、すごく観たかったのでした。キム・ヘスク、キム・ヨンミンら演技巧者が多数出演する『ビバ!ラブ』(原題は『慶祝!私たちの愛』)もおもしろそうです。『空を歩く少年』は『ダ・カーポ』というタイトルでお蔵入りになってた作品だと思うのですが、心あたたまるロードムービーらしく、こちらも期待してます。
 今回の名古屋での上映には行けませんが、来春を楽しみに待ちたいと思います。

真!韓国映画祭
2009/12/26(土)~2010/1/8(金)
シネマスコーレ http://www.cinemaskhole.co.jp/
愛知県名古屋市中村区椿町8-12 アートビル1F
http://cinemakorea.org/rkcf/

12/26(土)~1/1(金) 10:30/16:10 『飛べ、ペンギン』
12/26(土)~1/1(金) 12:30/18:10 『空を歩く少年』
1/2(土)~1/8(金) 10:20/16:40 『ビバ!ラブ』
1/2(土)~1/8(金) 12:10/18:30 『今、このままがいい』

2009年12月9日

着信アリFinal

チャン・グンソクin着信アリFinal そういえばチャン・グンソクが出てるんだっけということで、チャンネルNECOでの放送を録画してました。シリーズ前作も観てませんが。
 釜山への修学旅行の最中、高校生たちに死の予告電話がかかってくるという舞台設定です。チャン・グンソクが演じるのは、ヒロインであるえみり(黒木メイサ)の韓国人のボーイフレンド、アン・ジヌ役。耳が聞こえないため話せないという設定のおかげで、日本語の台詞という壁は存在しません。えみりとは手話でやりとり。しかし、えみりの友人に「唇の動きを見ればわかる」というからには日本語は完璧ということになるのでしょうか。携帯電話のメールでもローマ字表記の日本語でやりとりをしてましたし。
 チャン・グンソクはこれがスクリーン・デビューになるんですね。2005年ですからドラマでもまだ主演をつとめてはいません。呪いの連鎖を食い止めるため美々子(呪いの元凶)が潜むパソコンをフリーズさせようと思いついたり、えみりを救うため自らの携帯電話に転送して最後の犠牲者となったり、なかなかオイシイ役どころでした。ちょっと野暮ったい髪型ですけど。そして声を失くしたヴァイオリニストの話は実は伏線。死の予告電話で恋人を亡くしたというのはジヌ自身のことだったんですね。だからこそ最後の行動につながっていくのでした。
 ちなみにクレジットは「ジャン・グンソク」です。トホホ。

 

2009年12月8日

坊主頭のアユミ

元<Sugar>アユミ <EXILE>ATSUSHIとデュエット
http://www.wowkorea.jp/news/enter/2009/1202/10065103.html

ICONIQ SUGAR解散後、韓国でソロ歌手として「Cutie Honey」がヒットしたアユミ。その後は日本で女優デビューとか、あんまりパッとした活動が見られませんでしたが、今度は"ICONIQ"という名前で歌手活動だそうです。しかも坊主頭で! まぁ、韓国がらみじゃないんで、もういいんですけど......。

ICONIQ
http://iconiq.jp/

2009年12月6日

ユ・ヒョンモク コレクション

 2009年6月28日に亡くなった韓国映画界の巨匠、ユ・ヒョンモク監督。1961年の『誤発弾』は、日本でいえば『七人の侍』、アメリカでいえば『市民ケーン』のような名作中の名作です。そんなユ・ヒョンモク監督の代表作(なのか?)を収録した4枚組DVD-BOXが発売されます。リージョン・コードは3ですが、韓国語・英語・日本語の字幕付きです。
 いずれも2005年に東京国立近代美術館フィルムセンターで開催された「韓国リアリズム映画の開拓者 ユ・ヒョンモク監督特集」で上映された作品。『長雨』は日本版ビデオがリリースされたことがあって現在でも一部でレンタルが可能です(新宿TSUTAYAとか)。とはいえ、日本語字幕付きDVDで観られるのはうれしいところですね。

DVD-BOX『ユ・ヒョンモク コレクション』 유현목 컬렉션
2009年12月10日発売/ブルーキノ/4枚組/リージョン・コード3


【収録作品】
『あなたと永遠に』(58)
『キム薬局の娘たち』(63)
『終電で来た客たち』(67)
『長雨』(79)

2009年12月5日

ユン・ドヒョン『harmony』

 ユン・ドヒョンが映画『飛べ、ペンギン』にインスパイアされて制作したミニ・アルバム。アルバムの収益金は人権改善および人権映画制作の費用として寄附するとのこと。リリース記念のショーケースも映画館で試写とともに行ったらしいですね。
 タイトル曲の「너라면 좋겠어(君ならいい)」は、2005年にヒットした「사랑했나봐(愛してたみたい)」と同じチョン・ヘソンによる楽曲で、これまた切なさのにじむ、口ずさみたくなるようなイイ曲に仕上がってます。4曲目の「날아라 펭귄(飛べ、ペンギン)」はYB的なロック・ナンバーですが、ポップス寄りの親しみやすい楽曲が中心です。

윤도현(ユン・ドヒョン)『harmony』
2009年9月24日発売/Universal Music Korea/DK-0584



01. 너라면 좋겠어(君ならいい)
02. Alright
03. 기억해(覚えていて)
04. 날아라 펭귄(飛べ、ペンギン)
05. 너라면 좋겠어(君ならいい) Piano ver.

2009年12月4日

紫雨林『題名のない音盤』

 タイトルがないので『無題』とすべきなのかもしれませんが、リリース資料などでは『題名のない音盤』となってるようですね。『Untitled Records』とも。紫雨林にとって初のEP(CDの場合はマキシ・シングルやミニ・アルバムを指すことになるでしょうか)で、ダークサイドに焦点を当てたコンセプト・アルバム的な作りになってます。
 最近のアルバムではバラエティに富んだ楽曲を収録する傾向にあったので、本作は紫雨林のオールド・ファンからすると初期を彷彿させる雰囲気がかなり好きです。が、ソロ活動以降のキム・ユナの歌い方はあんまり好きじゃないんですよねぇ......。ナルシスティックな雰囲気にちょっと引いてしまうんです。で、今回は冒頭の「Magnolia」(ビョークっぽい)と「Glitter」が全編英語詞。ナルシスティックな印象がさらに強まります。サウンドはいいんですけど......う~ん。

자우림(紫雨林)『題名のない音盤』
2009年10月6日発売/M.net media/CMDC-9199



01. Magnolia
02. Glitter
03. Dew
04. 나사(螺絲)
05. 꿈속의 연인(夢の中の恋人)
06. 숙취(宿酔)

2009年12月3日

JAURIM BEST A/W COLLECTION

 紫雨林の1997~2006年の作品を収録したベスト盤。Autumn/Winter COLLECTIONということで、暗めの楽曲、いわば紫雨林のダークサイドが中心となってます。ここ数年の紫雨林(アッパーな楽曲とか)があまり好きじゃなく、こういう"鬱"な紫雨林が好きなので、うれしい選曲でした。最近のファンにとっても、初期のオリジナル・アルバムは入手困難なので、貴重な作品集となるでしょう。
 また、9曲のミュージック・ビデオを収録したDVDとの2枚組というのも貴重。字幕はありませんが、リージョン・コードはALLなので、日本のプレイヤーでも問題なく再生できます。初めて観るミュージック・ビデオもありました。「Truth」にはペク・ユンシクが出てたんですね。
 ファン必携のベスト盤です。

자우림(紫雨林)『JAURIM BEST A/W COLLECTION』
2009年11月17日発売/LOEN Entertainment/L200000798
【CD】
01. 밀랍천사(蜜蝋天使)
02. 파애(破愛)
03. 안녕, 미미(さよなら、ミミ)
04. 미안해 널 미워해(ごめんなさい、あなたが憎い)
05. 낙화(落花)
06. 레테(レーテ)
07. 미쓰 코리아(ミス・コリア)
08. 뱀(蛇)
09. 새(鳥)
10. 벌레(虫)
11. 마왕(魔王)
12. 망향(望郷)
13. 악몽(悪夢)
14. Truth
15. 청춘예찬(青春礼賛)
16. You And Me
17. 샤이닝(シャイニング)

【DVD】
01. 파애(破愛)
02. 미안해 널 미워해(ごめんなさい、あなたが憎い)
03. 낙화(落花)
04. 뱀(蛇)
05. 망향(望郷)
06. Truth
07. 청춘예찬(青春礼賛)
08. You And Me
09. 샤이닝(シャイニング)

2009年12月2日

東京フィルメックスまとめ

 2009年11月21日~29日に開催された第10回東京フィルメックス。デイリーニュースに掲載された韓国映画関連記事へのリンクをまとめておきます。
 パク・チャヌク監督の最新作『コウモリ』(原題)は当初『サースト』などとも紹介されてましたが、正式に『渇き』と決定されたようですね。

2009年11月21日 「韓国映画ショーケース」開会式
http://filmex.net/mt/dailynews_2009/2009/11/post_8.html
2009年11月21日 『グッドモーニング・プレジデント』Q&A
http://filmex.net/mt/dailynews_2009/2009/11/qa.html
2009年11月21日 「韓国映画ショーケース」オープニング・レセプション
http://filmex.net/mt/dailynews_2009/2009/11/post_9.html
2009年11月22日 『執行者』舞台挨拶・Q&A
http://filmex.net/mt/dailynews_2009/2009/11/qa_1.html
2009年11月23日 『亀、走る』舞台挨拶・Q&A
http://filmex.net/mt/dailynews_2009/2009/11/qa_3.html
2009年11月23日 『息もできない』Q&A
http://filmex.net/mt/dailynews_2009/2009/11/1123qa.html
2009年11月29日 『渇き』舞台挨拶・Q&A
http://filmex.net/mt/dailynews_2009/2009/11/qa_14.html

2009年12月1日

素晴らしい一日

 韓国映画ショーケース2009の最終上映となったのが11月30日19:00からの『素晴らしい一日』。というわけで、東京フィルメックスのプログラム・ディレクターである市山尚三さんが登壇し、韓国映画振興会(KOFIC)の日本駐在員ファン・ジャヘさんからの挨拶がありました。全10作品を観たという方に映画ロケ地を記載した書籍(非売品?)のプレゼントがあり、そのほかにも整理番号による抽選で6名ほどの観客に監督人名録など(これらも非売品?)のプレゼントがありました。惜しい番号が呼ばれたのですが、残念ながら当選ならず。

 前作『アドリブ・ナイト』(06)に続き、平安寿子の短編集『素晴らしい一日』から、今回は表題作を映画化。『チャーミング・ガール』(05)などもそうですが、地味ながらもじんわりと心に沁みる作品で、イ・ユンギ監督は好きな映画監督のひとりです。
 本作も地味。男女によるある一日のロードムービーです。
 一年前に貸した350万ウォン(30万円弱)を返してもらうため、ヒス(チョン・ドヨン)が元恋人のビョンウン(ハ・ジョンウ)を捜しだします。ビョンウンは職も家もなく、甲斐性のないお調子者。知り合いから借りて返すというビョンウンを車に乗せ、ヒスは各地を巡ります。
 チョン・ドヨン扮するヒスはキツめのメイクで常に不機嫌な顔。一方のハ・ジョンウ扮するビョンウンはだらしないのだけれど憎めない感じ。行く先々でお金を借りられるのだから、悪いやつではないんでしょうね。イ・ユンギ監督が「少し体の大きいティンカーベル」(映画祭パンフレットの監督メッセージより)というような、不思議な存在感を醸しだしてます。そんなビョンウンに、次第にヒスの表情も変わっていくのです。大きな出来事はないけれど、しみじみと味わい深い作品でした。なかでもラストのシークエンスが秀逸。地下鉄の駅で降ろしてもらったビョンウンは、こっそり直した車のワイパーにヒスが気づいたときには姿を消してます。が、実は地下鉄には乗らずに(行くあてもないんでしょう)ぷらぷら歩いてて、車を走らせるヒスがサングリアの試飲をしてるビョンウンを見つけるのでした。だからといって引き返すわけでもないのですが、しばらくしてほころぶヒスの表情がなんともいえずイイのです。
 最初にお金を借りにいくハン女史役は数多くのドラマでおなじみのキム・ヘオク。最後に訪ねるシングルマザーのウンジョン役は「白い巨塔」で看護師ミラ役を演じてるチャン・ソヨンでした。『受取人不明』や『春夏秋冬そして春』、最近は「ベートーベン・ウィルス」にも出演したキム・ヨンミンが、ばったり出会うビョンウンの後輩ホンジュ(チョン・ギョン)の夫役。イヤ~な男でした。ほかにもキ・ジュボンやチェ・イルファら、『アドリブ・ナイト』に出演した多くが端役で特別出演してます。「新入社員」のソ・ドンウォンは途中で立ち寄るビョンウンのいとこ宅にいるバイク仲間、「春のワルツ」のハン・ヒョジュは雨宿りをしている女性。ハン・ヒョジュは台詞もなく、知らなければ見落としてたでしょうね。

素晴らしい一日素晴らしい一日 멋진 하루
韓国/2008年/123分/2008年9月25日公開(韓国)
韓国映画ショーケース2009にて上映 http://filmex.net/kfs/2009/

チョン・ドヨン......キム・ヒス
ハ・ジョンウ......チョ・ビョンウン
チョン・ウヒョク......競馬場の男
イ・スンヨン......競馬場の女
キム・ヘオク......ハン女史
キム・ジュンギ......ビョンウンのいとこ
シン・ヨンジン......ビョンウンのいとこの妻
オ・ジウン......パク・セミ
チョン・ギョン......ホンジュ ビョンウンの後輩
キム・ヨンミン......テヒ ホンジュの夫
キム・ヒジョン......オム・ソヨン 女子中学生
キム・ジュリョン......ソヨンの母
チャン・ソヨン......ウンジョン シングルマザー

キ・ジュボン......いとこの家の男 ※特別出演
チェ・イルファ......いとこの家の男 ※特別出演
イ・ジャンウク......いとこの家の男 ※特別出演
ソ・ドンウォン......いとこのバイク仲間 ※特別出演
ソ・ヘウォン......いとこのバイク仲間 ※特別出演
ハン・ヒョジュ......雨宿りをしている女性 ※特別出演

【監督】イ・ユンギ
【製作】映画社春、スポンジ
【製作総指揮】チョ・ウヌン
【プロデューサー】イ・ドンホ
【原作】平安寿子「素晴らしい一日」(文春文庫『素晴らしい一日』所収)
【脚本】イ・ユンギ、パク・ウニョン
【撮影】チェ・サンホ
【照明】キム・ギョンソン
【音楽】キム・ジョンボム(Pudditorium)
【美術】キム・ジュン
【編集】キム・ヒョンジュ(MONEFF)
【配給】ロッテ・ショッピング、ロッテ・エンターテインメント