2019年1月30日

死の賛美

朝鮮人が国と自由を失った日本統治時代。早稲田大学に留学中のウジン(イ・ジョンソク)は、仲間たちと劇団を起ち上げ、祖国の心を忘れまいと劇作に励んでいた。一方、シムドク(シン・ヘソン)は声楽家になることを夢見、上野音楽学校で声楽を学んでいる。ナンパ(イ・ジフン)の紹介で劇団に参加したシムドクは、はじめこそ反発するものの、次第にウジンと惹かれあうようになっていく。ところが、朝鮮での巡回公演を終え、解散式のため集まったウジンの実家で彼に妻がいることを知るのだった。――5年後、父の事業を継いだウジンは、シムドクが声楽家として朝鮮初の洋楽公演を行うことを知って会場へ。再会した2人は……。

 これが2019年の韓国ドラマ始めとなりました。正月に観るような作品ではありませんでしたけど……。ひとことでいえば、心中モノ。メインとなるキャラクターはいずれも実在する人物で、実話がもとになっています。1926年に玄界灘に身を投げたソプラノ歌手の尹心悳[ユン・シムドク]と劇作家・金祐鎭「キム・ウジン」の悲恋物語です。1991年にチャン・ミヒ主演で映画として描かれたほか、ミュージカルもあるそうで、これは特別編成された全3話のドラマとなっています。韓国での放送最終日から日本でもNetflixで観ることができます。
 こういう話って、どうしても「何も死ななくたっていいじゃん」と思ってしまうんです……。でも、“死の賛美”こそしませんが、美しいドラマではありました。とはいえ、日本人の日本語が拙いのはガッカリですね。治安警察役の武田裕光(「医心伝心」のサヤカ役など韓国で活躍中)を除くと、まともに聞けるのは友田恭介役のイ・ジュニの日本語だけでした。韓国ドラマ“あるある”ですけど。
 ちなみに、タイトルになっているのはユン・シムドクによる歌のタイトルで、イヴァノヴィッチ作曲「ドナウ川のさざ波」に朝鮮語の歌詞をつけたもの。日本でのレコーディングからの帰途、関釜フェリーから身を投げたのだそうです。心中事件が起こって爆発的にヒットしたとか。実際のレコードの音声がYouTubeにあったので下に貼っておきます。

死の賛美

原題 사의 찬미(死の賛美)
2018年11月27日~12月4日放送/全3話/SBS
https://programs.sbs.co.kr/drama/hehymnofdeath
Netflixにて2018年12月4日より配信
https://www.netflix.com/jp/title/81042804

脚本 チョ・スジン
演出 パク・スジン(「浪漫ドクター キム・サブ」共同演出)

イ・ジョンソク……キム・ウジン[金祐鎭] 早稲田大学英文科
シン・ヘソン……ユン・シムドク[尹心悳] 上野音楽学校声楽科

キム・ミョンス……キム・ソンギュ ウジンの父、祥星合名会社 代表
パク・ソニム……チョン・ジョムヒョ ウジンの妻

キム・ウォネ……ユン・ソクホ シムドクの父
ファン・ヨンヒ……シムドクの母
コ・ボギョル……ユン・ソンドク シムドクの妹
シン・ジェハ……ユン・ギソン シムドクの弟

イ・ジフン……ホン・ナンパ 作曲家
チョン・ムンソン……チョ・ミョンヒ 劇芸術協会の創立メンバー
オ・ウィシク……ホン・ヘソン……劇芸術協会の創立メンバー
ハン・ウンソ……ハン・ギジュ 同友会巡回演劇団のピアニスト
イ・ジュニ……友田恭介 ウジンの早稲田大学時代の同窓生

ペ・ヘソン……上野音楽学校声楽科の教授
チェ・ベヨン……シムドクの東京留学時代のルームメイト
武田裕光……治安警察

ソ・ドンウォン……ウジンの秘書
イ・サンヨプ……キム・ホンギ シムドクの婚約者
チャン・ヒョンソン……イ・ヨンムン 富豪
イ・チョルミン……朝鮮総督府 官吏
キム・ガンヒョン……イ・ソグ 日東レコード社 文芸部長
チャン・ヒョクジン……タウチ 日東レコード社 社長
ソン・ハリム……シムドクにイ部長を紹介する男性
キム・ヒョン……徳寿丸の船員


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