2013年8月11日

屋上月光@下北沢mona records

 2013年8月10日、下北沢mona recordsのLIVE SPACEで屋上月光のライヴがありました! こっそりやる感じかと思いきや、かなりの観客数。ほかに4組が出演しましたが、予約の多くが彼女ら目当てだったとか。冒頭の曲は韓国ドラマ「パスタ」の挿入歌でしたが、そのときの反応から察するに、ドラマ経由でファンになった人が多いんでしょうか。
 屋上月光(옥상달빛/オクサンダルピッ)はキム・ユンジュ(キーボード、ギター)とパク・セジン(メロディオン、シロフォン、キーボード)による女性デュオ。MCは韓国語が中心でしたが、ときどき「気分がいいです because of you」(セジン)と日本語や英語を交えたりも。ユンジュはメモを読みながら日本語でいくつか曲紹介をしました。
 アンコールの声があがったものの、次の出演者がいるということで残念ながら全7曲で終了。「お疲れさま、今日も」では自然と手拍子がはじまったり、ほのぼのとした雰囲気でした。曲をやり直すことがあっても御愛嬌。カヴァー曲はThe Beatlesの「Across the Universe」と小田和正の「言葉にできない」(※「言葉にできない」は元々オフコースの曲ですが、ユンジュが「小田和正の」と紹介)で、いずれも2人のハーモニーの美しさが際立つ選曲でしたね。
 とても貴重なステージを堪能しました。また日本に来てほしいものです。


屋上月光@下北沢mona records 2013年8月10日
【セットリスト】
1. 옥상달빛 屋上月光
2. 새로와 新しく
3. Across the Universe(The Beatles)
4. 하드코어 인생아 ハードコア人生よ
5. 言葉にできない(小田和正)
6. 수고했어, 오늘도 お疲れさま、今日も
7. 없는게 메리트 ないのがメリット

2013年6月26日

ペ・ヌリ

「太陽を抱く月」のチャンシル役がたまらなくキュートでした。劇中ではまったくそんなイメージはないのですが、めっちゃスタイルいいんですね。グラビアでビキニ姿なんかを披露したりもしていて驚きました。
 高校に進学する頃、姉が応募したオーディションに合格し、2008年にファッションブランドLITMUSの専属モデルとして活動をはじめたそうです。2010年、『ミスター・ゾンビ』の美大生ミナ役でデビュー。「ドリームハイ」にも出ていたそうですが、まったく記憶にありません。この頃はまだその他大勢的な端役が多かったようですね。「私の娘コンニム」では役名のない“不良少女”役。冒頭でボミ(チュ・ホンダン)をいじめ、助けに入ったコンニム(チン・セヨン)に嫌がらせをする金持ちの娘でした。
 そして2012年、「太陽を抱く月」のチャンシル役でブレイク。巫女としての能力をもちながら本人にはあまりそんな自覚はなく、口が軽いため国巫チャン・ノギョン(チョン・ミソン)に叱られてばかりいる役どころです。切ない一面もあり、憎めないキャラクターを好演していました。その後の「親愛なる者へ」は野沢尚脚本の日本の同名ドラマ(92/フジテレビ系列)が原作。既婚者であることを知りながら再会した幼なじみ(ホン・ジョンヒョン)に想いを寄せるホン・ラン役で、より大人びた表情を見せています。
 CMにも多数出演。ちょっと個性的でキュートな役どころを今後も期待したいところです。

ペ・ヌリ 배누리
生年月日:1993年2月4日
身長:166cm 血液型:B型
EQ entertainment所属 http://eqet.inodea.co.kr/

【ドラマ】
「グロリア」(10) ダブル・エンターテインメントの練習生役
「秘密妓房アンシンジョン」(10) ミョンウォル役
「ドリームハイ」(11) ハン・ソリ役 キリン芸術高校の生徒
「美少女キラーK」(11) 不良少女役
「私の娘コンニム」(11) 不良少女役
KBSドラマスペシャル「遅れてごめんね」(11) スンヘ(少女期)役
「太陽を抱く月」(12) チャンシル役 巫女
「親愛なる者へ」(12) ホン・ラン役
【映画】
『ミスター・ゾンビ』(10) ソラ役 美大生

2013年6月22日

藤田麗子『おいしいソウルをめぐる旅』

 タイトルどおり“おいしいソウルをめぐる旅”に出たくなる一冊。有名店や流行の最先端を紹介するのではなく、歴史を感じられる老舗の味、地元で愛される市場を中心に紹介しています。食文化の歴史から、食にまつわる諺、食の歳時記、ご当地グルメなどなど、韓国料理にまつわる豆知識も豊富に掲載。なかでも「インスタントラーメンのはなし」がおもしろい。日本の明星食品が技術提供をして生まれたとは! 流行の変遷がわかるインスタントラーメンの歴史年表も興味深いところです。
 すべてが観光で訪れるような場所というわけではなく、「旅で使える韓国語」のコーナーに飲食店で使えるフレーズがそれほど多くなかったり、初心者にはこれ一冊でというわけにはいかないかもしれません。でも、韓国旅行がしたくなること必至。次にソウルに行くときは、広蔵市場の「麻薬キムパッ」は絶対に食べようと思います。あらかじめ購入した葉銭を使って加盟店で好きな惣菜を盛ってもらう通仁市場の「お弁当カフェ」も体験してみたいし、日本でも減りつつある昔ながらの喫茶店「学林」にも行ってみたい! 色鮮やかな韓国料理の写真を眺めるだけでも楽しいけれど、やっぱり現地に行きたくなりますね。

藤田麗子『おいしいソウルをめぐる旅』
キネマ旬報社/1,300円+税/2013年6月4日発売
http://www.kinejun.com/

【目次】
Part 1 伝統の味を求めて
ソルロンタン/ビビンバ/牛サムギョプ/キムチチゲ/カンジャンケジャン/納豆チゲ/プルコギ/純豆腐チゲ/サムゲタン
Part 2 ソウルの市場めぐり
広蔵市場/東大門市場 焼き魚通り/孔徳市場/通仁市場/鷺梁津水産市場
Part 3 韓国だけの麺料理
ビビン冷麺/カルジェビ/あさりカルグッス/チャジャン麺/ちゃんぽん
Part 4 おやつの時間
コーヒーとチーズケーキ/あずきのデザート/なべ入りかき氷とアイス紅柿/トッポッキ/韓国のお餅/コンビニお菓子&街角おやつ

2012年10月11日

チョン・ヤン

 BOOK・OFFで250円なのを見つけ、まったく知らなかったCyCLoの1集『Gamble』とやらを買ってみました。調べたところ、2001年デビューのCyCLoは、キッド(ムン・ヨンソン)、のちにThe Rinkを結成するリンク(キム・ヨングク)に、紅一点のチョン・ヤンがヴォーカリストとして参加した3人組ヒップホップ・グループだそうです。が、チョン・ヤンは実はまったく歌っていなかったとか。なかなかパワフルなヴォーカルだと思いきや、別人でしたか……。ミュージックビデオに出演することになって、そのときすでにレコーディングは終わっていたのに、正式なメンバーとして活動することにしたんだとか。実際に歌っているのは、デビューを控えていたヘリョン(2003年に『To Expection……First』でソロ歌手としてデビュー。2009年にはソン・ホヨンをフィーチャリングした「私、なぜ別れるの」をリリースしている)のようです。





 で、チョン・ヤンの経歴を調べてみました。
 2000年にシチュエーションコメディ「俺たち三人組」でデビュー。ヌード写真集で“胸美人”と話題を集めたそうですが、このリップシンク疑惑で叩かれて芸能界から姿を消してしまいました。その後、甲状腺機能亢進症で闘病したとの報道がありますが、約7年の空白期間を経て2009年に「チョン・ヤギョン」で復帰。同時期に『春香秘伝』の撮影にも臨みました。「崖っぷちの女たち」ではメインキャストのひとりを演じています。ところが今度は2011年3月4日に飲酒運転による交通事故で非拘束立件されたとの報道。なんともお騒がせな人ですね……。


チョン・ヤン 정양
生年月日:1981年7月2日
身長:165cm

【ドラマ】
「俺たち三人組」(00)
「ちょうどいい」(01)
「チョン・ヤギョン」(09) ホンチュン役
「崖っぷちの女たち」(10) ソン・ジュナム役
【映画】
『春香秘伝』(10) ウォルネ役

2012年9月18日

ヨン・ウジン

「まるごとマイ・ラブ」でドゥジュンの叔父にあたるウジン役を演じていたヨン・ウジン。塾の人気No.1講師という役どころですが、ストーリーの本筋にからむことはほとんどなく、それほど見せ場があるわけではありませんでした。が、主演をつとめた「普通の恋愛」が期待以上によかったのでした。ユ・ダイン目当てで観たのですが、なかなかいい芝居をしてます。
 ヨン・ウジンは2007年からファッションモデルとして活動し、2009年にキム=チョ・グァンス監督の短編映画『ただの友達?』でデビュー。ゲイのカミングアウトと兵役をテーマにした作品で、第19回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭(2010年)の「ボーイズ短編集」で上映されています。演じたのは主役のひとり、ミンス役。からみのシーンもあってデビュー作にしてかなりの難役だったと思いますが、ひさしぶりの休暇で恋人(イ・ジェフン)と会って見せる笑顔が何よりも印象的です。坊主頭も初々しい感じ。このときはソ・ジフという芸名でした。その後、現在の芸名に改名(本名はまた別で、キム・ボンフェという珍しい名前だそうです)。「シンデレラのお姉さん」ではウンジョ(ムン・グニョン)の高校時代の同級生に扮しているようです。そして「まるごとマイ・ラブ」があって「烏鵲橋の兄弟たち」。未見ですが、一家の四男役で、着実にステップアップしてるようですね。
 そして「アラン使道伝」ではチェ・ジュワル役で主要キャストのひとりを担っています。まだはじまったばかりですが、どうもアラン(シン・ミナ)とは生前に関係がありそうな雰囲気。いわゆる悪役にあたると思いますが、見せ場もかなりありそう。これから人気が出そうな気配です。

ヨン・ウジンヨン・ウジン 연우진
生年月日:1984年7月6日
身長:185cm 血液型:AB型
JUMP ENTERTAINMENT所属 http://jump-ent.com/

【ドラマ】
「シンデレラのお姉さん」(10) キム・ドンス役 ウンジョの高校の同級生
「まるごとマイ・ラブ」(11) パン・ウジン役 塾の人気No.1講師、ドゥジュンの叔父
「烏鵲橋の兄弟たち」(11) ファン・テピル役 口が達者な四男
「普通の恋愛」(12) ハン・ジェグァン役 写真作家
「アラン使道伝」(12) チェ・ジュワル役 密陽の権力者チェ大監の息子
【映画】
短編『ただの友達?』(09) ミンス役
短編『私たちは空を飛んだ』(11) スンギ役

2012年9月17日

普通の恋愛

 全州の観光案内所に勤めるユネ(ユ・ダイン)は祖母(イ・ジュシル)と二人暮らし。他人に迷惑をかけないよう、必要以上に目立たないよう、ひっそりと暮らしている。それは父のジュピョン(イ・ソンミン)が7年前の殺人事件の容疑者として指名手配されているからだ。ユネは父の無実を信じているが、周囲からは殺人犯の娘として白い目で見られている。そんなある日、ユネの前にジェグァン(ヨン・ウジン)が現れた。彼は著名な写真家で、地元の案内にユネを指名する。ユネは自分のことを知らないジェグァンと"普通の恋愛"ができるのではないかと淡い期待を寄せるようになっていった。
 ところが、実はジェグァンにはユネに近づく目的があった。父が指名手配されていることをユネが告白すると、ジェグァンは「知っている」という。ジュピョンが容疑をかけられている殺人事件の被害者はジェグァンの兄だったのだ……。

 このあいだ劇場で観た『短い記憶』のユ・ダインが主演ということで、衛星劇場で放送されたのを観てみました。これが期待以上。通常は一話完結の「KBSドラマスペシャル」の一貫ではありますが、ミニシリーズ「乱暴なロマンス」と「赤道の男」のあいだに変則的に放送された全4話の作品です。脚本のイ・ヒョンジュは、短編とミニシリーズの一部を手がけているのみなので新人なのでしょうか、しかしながらよくできていると思いました。ありきたりな物語に終わらず。
 タイトルの"普通の恋愛"というのは、ユネの憧れであるだけでなく、もうひとつの意味があるんですね。ネタバレになるので詳しくは書きませんが、ジェグァンの兄を巡る"普通の恋愛"です。キャストにチョイ役なわけない人がいたので後半に何かあるとは思ってましたが、予想しなかった展開。ユネとジェグァンの関係が中心的な軸ですが、ジェグァンと母の関係もポイントです。そして、ユネの父は本当に殺人犯なのか、はたして真犯人はいるのかというサスペンス要素もあって、地味ではありますが、飽きさせません。
 わかりやすいハッピーエンドじゃないので「え、それで終わり!?」と思わないでもないのですが、余韻の残るラストシーンです。その後の二人を想像してみることもできるでしょう。7年前に止まっていた二人の時間が動きだした……少なくともそう受け取れるラストシーンで、よかったと思います。
 2012年10月30日と31日に衛星劇場で一挙放送があるので、オススメです。

普通の恋愛 

原題 보통의 연애(普通の恋愛)
KBS2/全4話/2012年2月29日~3月8日放送
http://www.kbs.co.kr/drama/series2/special/love/
脚本 イ・ヒョンジュ(「私は蝶」「深夜病院」「私がもっとも美しかったとき」)
演出 キム・ジンウォン(「ロマンスタウン」「世界のどこにもいない優しい男」)、ペク・サンフン(「私がもっとも美しかったとき」)
日本では衛星劇場にて放送 http://www.eigeki.com/korea/ordinarylove/

普通の恋愛ユ・ダイン......キム・ユネ 観光案内所職員
ヨン・ウジン......ハン・ジェグァン 写真家

イ・ソンミン......キム・ジュピョン ユネの父
イ・ジュシル......ユネの祖母
キム・ミギョン......シン女史 ジェグァンの母
キム・ヨンジェ......カン・モクス 芸術家

オ・ヨン......オ・ジョング 観光案内所の係長
チェ・ミンソン......クォン・デウン 自動車整備士、ユネの幼なじみ
ソン・ミンジ......チュ・サンア 出版社のチーフ、ジェグァンの友人
シン・ドンミ......キム・ギョンジャ カフェ店主

クォン・セイン......ハン・ジェミン ジェグァンの兄
チョ・ユヌ......ハン・ジェグァン(子役)
ムン・ガヨン......キム・ユネ(子役)

キム・ギョンリョン......教会の神父 ※1・4話
ホン・スンチャン......悟木台の警備員 ※1話

2011年6月27日

藤田麗子・崔漢勝『韓国の歴史をめぐる旅 ソウル編』

 韓国には十数回も行ってるのに、そういえば観光らしい観光をしたことがありません。そんなうちに南大門(=崇礼門)は焼失してしまい......。次にソウルに行くときにはこの本を参考にいくつか巡ってみようと思ってます。
「朝鮮王朝500年の歴史をもつ街、ソウルを歩こう!」をテーマに、韓国在住の日本人女性が史跡や韓国時代劇のロケ地を紹介。特に、思悼世子が閉じ込められた米櫃が置かれた(「イ・サン」)とされる昌慶宮や、粛宗(「トンイ」)が東屋を建てた昌徳宮など、観たことのあるドラマにゆかりの地を訪ねてみたいところです。そのほかにも「宮廷女官チャングムの誓い」「風の絵師」「トキメキ☆成均館スキャンダル」など作品別インデックスがあります。
 かわいらしいイラストが豊富で、親しみやすい旅行ガイドです。巻末にはエリアごとの地図があるものの、本文ではイラストマップを掲載。近道が書いてあったり、たんなる情報の寄せ集めではなく、実際に自分の足を使ってつくられたことがわかります。「朝鮮王朝にまつわる豆知識」や「駅名から知るソウルの歴史」といった読み物もけっしておカタいものではなく、知的好奇心を刺激してくれるはず。ところどころで紹介するおみやげなんかも目線がイイんです。ハングルのクリップとか、韓国のデザイン文具や雑貨に興味があるので、ぜひチェックしてみたいと思います。
 意外におもしろかったのが「切手で楽しむ韓国の歴史」。小さな古切手屋に勇気を出して入ってみたところ、怪訝そうな店主が初恋の思い出を日本語で語りだす......。まぁ、本筋とはまったく関係ないわけですが、もっと詳しく読みたくなったほどでした。これも地道な取材の成果でしょう。
 お仕着せの堅苦しい"旅行"ではなく、気楽な"散歩"を楽しむための一冊。ぜひソウル編以外も出してもらいたいものです。

藤田麗子・崔漢勝『韓国の歴史をめぐる旅 ソウル編』
キネマ旬報社/1,365円/2011年3月11日発売
http://www.kinejun.com/

【目次】
PART1 朝鮮王朝の王宮を訪ねて
景福宮/昌徳宮/昌慶宮/徳寿宮/慶熙宮/雲[山見]宮
PART2 歴史の舞台、鍾路を歩く
鍾路/仁寺洞ギル/普信閣/曹渓寺/光化門広場
PART3 朝鮮王が眠る場所
宗廟/宣陵・靖陵/成均館
PART4 韓屋めぐりでタイムトリップ
北村韓屋村/南山ゴル韓屋村
PART5 幻の都、水原へ
イ・サンの理想都市 水原華城へ/華城行宮
PART6 王様のデザートを味わう
王様の食事とデザートの話/韓国の伝統菓子
PART7 博物館で歴史を学ぶ
国立古宮博物館/国立民俗博物館/国立子ども博物館/国立中央博物館/ホ・ジュン博物館/ロッテワールド民俗博物館/ソウル歴史博物館