今年のコリアン・シネマ・ウィークは、6本のうち、2本が日本でも劇場公開済み(『タクシー運転手 約束は海を越えて』『犯罪都市』)で、1本(『復讐のトリック』)はまもなく公開。ここでしか観られないものは半分の3本でした。最後に観たのがこの作品。テーマに沿ってのセレクションなのか、どれも家族の再生といった物語でしたが、こちらは母と息子の物語です。ちなみに「日本初上映」と謳ってましたが、京都国際映画祭で2週間ほど早く上映されているので「初」ではないですね。
泣けます。
が、ちょっと引っかかるところも……。【ネタバレ注意】エラン(イ・ジュシル)には幼くして亡くした息子がいたわけですが、だからといってギュヒョン(イ・ジョンヒョク)に冷たいのはどうなんでしょう? 「あなたを責めてるわけじゃない。自分を責めてるの」とは言うものの、明らかにそんな態度じゃない。しかも何十年も経ってそれを知らされるギュヒョンの気持ちは……。それと、最後の最後に「おまえが私の宝物」と言いますが、それじゃ妹の立場は!?と思ってしまいました。また、エンドロールで一般人の「お母さん大好き」といったメッセージ動画がたくさん流れます。『トック』では同じように祖父と孫の写真が映し出されましたが、そういうの、あまり好きじゃないんです。
感動の押しつけように感じてしまったのは自分が素直じゃないからでしょうか……。
感動の押しつけように感じてしまったのは自分が素直じゃないからでしょうか……。