2009年12月18日

DVD『小説ソウル』

 アラーキーこと荒木経惟のDVD『小説ソウル』をBOOK・OFFにて950円で発見。同名写真集は知ってますが、映像作品があったことは知りませんでした。封入された紙(ライナーノーツと呼べるほどではない)によると写真集と同時発売されたらしいのですが、Amazonなんかでも取り扱いはなく詳細は不詳(下記のリンクは写真集です)。
 1982年以来、7度にわたる訪韓で撮影された何万カットもの写真を振り返るところからはじまり、写真集のメイキング映像のようになってます。初めてフェリーで訪れた釜山で異様に厳しかった税関の話をしたり、出会った青年の写真を見て写真論を語ったり。中上健次との共著『物語ソウル』(1984年/Parco出版)、李良枝(在日韓国人二世の小説家。舞踊家としても知られる)を撮った『移動 ナビの舞う空』(1991年/スイッチ・コーポレーション書籍出版部)についても語られます。彼の目線は路地裏や市井の人々などに向けられるので、生活感のある風景がおもしろいです。

ハン・ゴウンin小説ソウル さまざまな撮影風景が挿入されるのですが、ホテルの部屋らしきところ、漢江のほとりの2ヶ所でモデルとなってる女性に目が留まりました。あれ、ハン・ゴウン!? Googleで検索してみてもそのことに触れてる文章は見当たらないのですが、どう見てもハン・ゴウンです(ただしアラーキーの写真といってもヌードではありません)。さらにYahoo! Koreaで検索。すると、2002年にソウルで開催された荒木経惟写真展『Novel Seoul, Story Tokyo』を観た人のブログに「ハン・ゴウンを見つけた」との記述を発見しました! やっぱり間違いないようです。ジム・ジャームッシュ監督の写真もあって、展示ガイドからアラーキーが彼らと懇意にしてるという話を聞いたそうです。
 最終の撮影は2001年2月とのことなので、ハン・ゴウンはすでに「Happy Together」や「ジュリエットの男」に出演してますが、日本ではほとんど知られてない頃ですね。意外な発見でした。

DVD『小説ソウル』
2001年4月24日発売/スイッチ・パブリッシング/3,000円



2009年12月17日

HERO

 先日、ワケあってイ・ビョンホン出演作をかなりまとめて観たのですが、『HERO』がテレビで放映されるとは(2009年12月11日)......。ついこのあいだレンタルしてしまいました。GEOで100円でしたけど。ほとんど興味がないので、ドラマ版もほとんど観たことがありません。必要に迫られなければ借りてまで観るものじゃなかったなぁ。
 東京地検の久利生公平(木村拓哉)と雨宮舞子(松たか子)が事件の証拠となる密輸車を追って釜山に飛びます。そこで協力を要請されるのが、イ・ビョンホン扮する釜山地方検察庁所属のエリート検事カン・ミンウでした。雨宮曰く「イケメン検事」。超多忙という設定で、出番はほんの数分程度。拉致された雨宮を救いだす、密輸車の発見後、久利生に「彼女を離すなよ」と台詞を残して去る、それだけです。その前に電話の声がありましたが、わずか2シーンのみの登場でした。カッコよさだけを印象づける役どころですね。
 その他、カン検事の部下ということで代わって久利生らに手を貸すキム・ヒョンウ役にペク・トビン。ペク・ユンシクの息子ですね。『死んでもハッピーエンド』の新米刑事役などを演じてます。日本語ができるという設定ですが、おそらく実際に堪能なわけではないのでしょう、残念ながらビミョーな日本語でした。麻薬密売組犯のイム・ヒョンチョル役を演じてたのはアン・ギルガン! 最近は「イルジメ」や「善徳女王」などドラマにも出演してますが、リュ・スンワン監督作の常連ですね。ほとんど台詞はありませんでしたが、出てきたときには掘り出し物を見つけた感じがしました。
 しかしまぁ、韓国が舞台になる必然性はそれほどなかったような気がしますね。

 

2009年12月16日

ソ・チャニ「TATTOO」

 ソ・チャニは1972年1月20日生まれの女性歌手です。まだ高校2年生だった1989年、女性ロック・バンドEVEのギタリストとしてデビューしました。その後、ダンス・ユニットCUBEのメンバーとしても活動しましたが、1996年以降はソロ歌手。2006年までに8枚のアルバムをリリースしてます。

 で、なぜ取り上げたかというと「ザ・スリングショット」で気になったホ・ウクがミュージック・ビデオに出演してるから。この「TATTOO」は2002年の6集『The beginning』に収録されてる曲です。ヒロインの親友の恋人という役どころのようで、ところどころで幸福そうなカップルとして姿を見せます。ほんのちょっとですが。

ソ・チャニ(소찬휘)「TATTOO」


ホ・ウク

ケイ(ホ・ウク)「ザ・スリングショット」を観ていて気になったのがケイ役でした。悪役であるチェ・ドウ(キム・ガンウ)の忠実な部下。寡黙で、ほとんど口を開くことはありませんが、ドウのためなら殺人すら厭いません。終盤、ドウから海外への高飛びを命じられたときの「いつ呼び戻してくれますか!?」という台詞にはホモセクシュアルな雰囲気さえ感じられます。陰のある役どころで、気になる存在となったのでした。
 このケイ役を演じたのがホ・ウクです。慶星大学の体育学科卒でスポーツ万能らしく、2001年にPSBタレント2期生としてデビューしました。が、あまり出演作がありません。何をしてたんでしょうねぇ。『トンケの蒼い空』と『タイフーン』に出演してますが、どちらも印象にありません......。さらに遡ること2002年にはソ・チャニ「TATTOO」(6集『The beginning』に収録)のミュージック・ビデオに出演してました。これは映像を探して観てみたのですが、ヒロインの親友の恋人といった役柄のようです。ところどころ出てくるだけですが、育ちのよさそうな青年をさわやかに演じてて、ケイとは大違いでした。
 ちなみに、父親のホ・ナムシクは現職の釜山市長!

ホ・ウクホ・ウク 허욱
生年月日:1978年3月24日
身長:183cm

「ザ・スリングショット~男の物語」(09) ケイ(カン・チヨン)役

『トンケの蒼い空』(03) ケファン役
『タイフーン』(05) チェ・チーム長役


ホ・ナムソク釜山市長←お父さんのホ・ナムソクは現職の釜山市長。顔のかたちが似てるか?


2009年12月15日

ザ・スリングショット

 録画して観るのをしばらく中断していた「ザ・スリングショット~男の物語」を最終話まで観ました。脚本はシン・ジナ。「黎明の瞳」(91)「砂時計」(95)に続く"大韓民国3部作"の完結編ということで、骨太な作品に仕上がってます。サブタイトル(=原題)どおり"男ドラマ"でしたね。
 兄を自殺に追いやった大企業の後継者に復讐をする物語。その過程で一癖も二癖もある連中が仲間になっていきます。なかでもパク・キウン演じる伝説の証券アナリスト"マジンガー"ことアン・ギョンテ役がサイコー。おそらく『デス・ノート』のLを参考にしたんでしょうけど、挙動不審な立ち振る舞いが笑わせてくれます。それでいて頭脳明晰。後半、ウンス(ハン・ヨウン)に恋をしてからはかわいらしい仕種を見せたりも。イ・フィリップは「太王四神記」以来の2作目ですね。LA育ちの国際弁護士、女ったらしのト・ジェミョン役。カッコよかったです。元詐欺師のパク・ムノ役はイ・ムンシク。飄々とした雰囲気がぴったりでした。パク・ヨンハも「オンエアー」に続いて俳優として再評価されたことでしょう。男臭く、イイ役どころでした。
 で、彼ら"ドリーム・チーム"の前に立ちはだかるのが、キム・ガンウ扮するチェ・ドウ。感情などない冷酷な男です。自分の夢(っていうか妄想)を実現するためには手段を選ばない非情な人間。終盤のコワレていく姿には鬼気迫るものがあります。最終話では怪演と呼べるほどでしたね。
 ところでその最終話、まぁ「物語はまだ終わってない!」という落とし方はよくありますけど、いまひとつだったような気がしないでもありません。特に第19話がドキドキハラハラの展開だっただけに、もっとスカッと終わらせてほしかったというか......。もちろんおもしろい作品でありましたが。

 この作品でもっとも気になった俳優は、ドウの忠実な部下ケイ(本名はカン・チヨン)役のホ・ウク。出演作は多くないようで、『トンケの蒼い空』(03)や『タイフーン』(05)でも印象にはありません。このケイ役はほとんど台詞がありませんが、ドウに影のように寄り添い、その命令を忠実に遂行していきます。「ファン・ジニ」の護衛兵イセン役(イ・シファン)みたいに、こういう役どころは気になるものです。
 シン(パク・ヨンハ)の後ろ盾となるヤクザのボス役は『花嫁はギャングスター』の"白鮫"チャン・セジンでした。その部下のジュンホ役には「守護天使」の"ライター"キム・ヒョンボム。どうやらシンの兄嫁に惚れちゃったらしく、照れ隠しをしつつ手助けをする好感のもてる役どころでしたね。市長の補佐官、のちに市長に立候補するキム・ジョンジン役は「インスンはきれいだ」でヒロイン(キム・ヒョンジュ)を支える教師役を演じてたオム・ヒョソプ。本作でも人のいい役どころです。「糟糠の妻クラブ」で広く顔が知られるようになったアン・ネサンは冒頭、自殺に追いやられるシンの兄役で特別出演してました。「太王四神記」の鍛冶職人パソン役で知名度が急上昇したキム・ミギョンは後半、無愛想ながらシンたちの味方となる刑事で登場します。回想シーンで登場するドウの母役は「宮」のユン・ユソンでした。
 映画の名脇役がチラッと出てたりもします。『ブラザーフッド』のチョン・ジェヒョンは前半のみ、『小さな恋のステップ』のチョン・ギュスは第9話のみでした。コウモリみたいなオ・サンウォン役のキム・レハ(ポン・ジュノ監督作の常連)、ミョンド市長役のチョン・ソンファン(『弓』)などは最近、ドラマでもよく見かけますね。『マルチュク青春通り』のキム・ビョンチュンはこれまた狡猾なミョンド警察署長役。
 それから意外なところでは歌手のヤン・ヒウン(「がんばれ!クムスン」などのヤン・ヒギョンの姉)が投資家ミミ・チャン役で第15話のみ友情出演してます。

ザ・スリングショット~男の物語 남자 이야기(男の物語)
KBS2/全20話/2009年4月6日~6月9日放送
http://www.kbs.co.kr/drama/slingshot/
演出:ユン・ソンシク/脚本:ソン・ジナ
日本ではKBS Worldにて放送
DVDはメディアファクトリーより2010年1月8日~発売

パク・ヨンハ......キム・シン
キム・ガンウ......チェ・ドウ チェドン建設の後継者
パク・シヨン......ソ・ギョンア シンの元恋人
ハン・ヨウン......チェ・ウンス ドウの妹
パク・キウン......アン・ギョンテ 証券アナリスト"マジンガー"
イ・フィリップ......ト・ジェミョン LA育ちの国際弁護士
イ・ムンシク......パク・ムノ 元詐欺師、音楽喫茶「ミューズ」店主
ホ・ウク......ケイ(カン・チヨン) ドウの忠実な部下
チャン・セジン......ボムファン ナンバン組のボス
キム・ヒョンボム......ジュンホ ナンバン組の構成員
パン・ウニ......ミョンソン シンの兄嫁
チャン・ハンソン......チェ・ドンス チェドン建設の会長、ドウとウンスの父
キム・レハ......オ・サンウォン チェドン建設の理事、チェ会長の側近
チョン・ソンファン......ヤン・ウソン ミョンド市長
オム・ヒョソプ......キム・ジョンジン 市長の補佐官
キム・ビョンチュン......イ・ジュング ミョンド警察署長
キム・ミギョン......キム・ギョンジュ刑事
チェ・ジナ......チャン・マダム ギョンアが働くルームサロンのママ
イ・ビョンジュン......ト・マニ ジェミョンの父
チョン・ジェヒョン......ジェソプ ナンバン組の下っ端
シン・ジュニョン......サリ村の住人
チョン・ギュス......キム社長 第9話
アン・ネサン......キム・ウク、シンの兄 ※特別出演
ユン・ユソン......ドウの母 ※特別出演
ヤン・ヒウン......ミミ・チャン 投資家 第15話 ※友情出演

 

2009年12月14日

2010年1月発売のDVD

 特に韓流スターの出演作じゃなくても、まだまだDVDスルー作品が出るんですね。
 お宝探しの『ワンス・アポン・ア・タイム』はまるでインディ・ジョーンズのようなジャケです。『青燕』『R-POINT』『親知らず』は原題そのままですが、あいかわらず原形をとどめない困りものの邦題も。ほぼ原題どおり『11番目のママ』として衛星劇場で放送されたキム・ヘス主演作が『愛してる、泣かないで~最後の約束~』なんていう涙の押し売り的なタイトルでリリースされます。チョン・ジェヨン主演の『マイ・キャプテン キム・デチュル』は『ぼくら特殊発掘捜査隊』に......。
 クァク・チェヨン(クァク・ジェヨンという表記が浸透してしまいましたが......)監督の『僕の彼女はサイボーグ』はすでに通常版とスペシャル・エディションが発売されていますが、再編集されたインターナショナル特別版が発売になります。
 イ・ビョンホンが出演した『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』は通常版のほか豪華版、Blu-rayも発売されます。

1月1日
『青燕』
『ワンス・アポン・ア・タイム 東方の光の秘密』
 

1月13日
『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』Blu-ray/豪華版/通常版
  

1月29日
『R-POINT』
『親知らず』
『愛してる、泣かないで~最後の約束~』 原題『11番目のママ』
『ぼくら特殊発掘捜査隊』 原題『マイ・キャプテン キム・デチュル』
『僕の彼女はサイボーグ』インターナショナル特別版
    

2009年12月13日

ペク・チニ

 先日の韓国映画ショーケース2009『バンドゥビ』でヒロインを演じていたペク・チニが気になります。
 2004年に路上でスカウトされ、数々のCMで活躍。テッサロニキ国際映画祭で芸術功労賞、全州国際映画祭の長編コンペティション部門で最優秀作品賞を受賞したイ・ソ監督の『人を捜します』がデビュー作になるようです。女優としての活動はまだ1年程度ですが、『バンドゥビ』で主演に抜擢。不機嫌なイマドキの女子高生が外国人労働者と知り合ったことで変わっていく姿をうまく演じてます。この作品のなかだけでもさまざまな表情を見せてくれるので、ほかの作品も観てみたいところですね。『キッチン』では端役のようですが、「1000万回愛してる」ではヒロイン(イ・スギョン)の妹役ということで知名度も上がってきてるんじゃないでしょうか。

ペク・チニペク・チニ 백진희
生年月日:1990年2月8日
身長:163cm

「CRIME シーズン2」(08)
「1000万回愛してる」(09) コ・ウンジョン役 ウンニム(イ・スギョン)の妹

『人を捜します』(08)
『キッチン~3人のレシピ~』(09) カップルの女子学生役
『バンドゥビ』(09) ミンソ役

ペク・チニ公式ファンカフェ
http://cafe.daum.net/Baekjinhee/