2009年11月23日

KAFA作品を一挙上映!

 来月、ユーロスペースで興味深い映画祭が開催されます。ホ・ジノ(『八月のクリスマス』他)やポン・ジュノ(『グエムル』他)ら名だたる監督を輩出してきた韓国国立映画アカデミー(KAFA)の創立25周年を記念するものです。
 すでに日本でもDVD化されてる『ほえる犬は噛まない』 『ハピネス』 『火山高』 などの上映はスルーしますが、KAFA秀作短編集というプログラムがおもしろそうです。2007年に新設された「製作研究過程」での長編作品、特別上映のドキュメンタリ『アメリカ通り』ももちろん日本初上映で、貴重な機会となりそうですね。
 多くのプログラムが1回ずつの上映なので、毎日、渋谷に通わなきゃいけませんが......。

韓国国立映画アカデミー(KAFA)25周年記念映画祭in東京
期間:2009年12月12日~25日
会場:ユーロスペース http://www.eurospace.co.jp/
料金:短編集800円均一/新作長編・卒業生作品・特別上映作品1,000円均一
http://www.eurospace.co.jp/detail.html?no=246

2009年11月21日

ソン・ガンホが『ディア・ドクター』に!?

明日開幕東京フィルメックス 「ツイてる」西川美和監督トークイベント満員
http://www.cinemacafe.net/news/cgi/report/2009/11/7112/

 今日からはじまる映画祭、第10回東京フィルメックス。今年は「水曜シネマ塾」と題する全5回のトーク・イベントが毎週開催されますが、今週は『ディア・ドクター』の西川美和監督がゲストでした。それが記事になってます。
 以前にも西川監督が東京フィルメックス上映作品のうち印象深かった作品として『シークレット・サンシャイン』を挙げたという記事がありましたが、なんと「(『ディア・ドクター』の主人公を)最初はソン・ガンホさんでいきたかったんですけど、なかなか難しくて、行き詰まっていた」とのこと! ファンなんだそうです。結局、相談した是枝裕和監督の「鶴瓶さんはどうだろう」との言葉をきっかけに笑福亭鶴瓶を起用したんだとか。彼女の『ゆれる』がものすごく衝撃的で、気になる映画監督のひとりなのですが、最新作の主演が嫌いな鶴瓶ということでゲッと思ってたのでした。うーん、ソン・ガンホで実現してたらなぁ......。

東京フィルメックス
http://www.filmex.net

2009年11月20日

テロワール

 昨日、BSフジでの放送が最終回を迎えました。「韓国初の本格的ワイン・ドラマ」という触れ込みで「ワインを開ける悪魔さん」が完全にスルーされてますが、ワイン・レストランを舞台に繰り広げられる人間模様を描いています。あんまりパッとしないなぁと思いつつ最後まで観てしまいました。
 脚本は『Sad Movie』や『僕の、世界の中心は、君だ。』のファン・ソング。演出を手がけたのは「H.I.T.―女性特別捜査官―」のキム・ヨンミンです。
 中盤で登場する憎まれ役の日本人タカギ、高木りなという女優なんですね。韓国がらみでいうと『GO』(01)や『素敵な夜、ボクにください』(07)に出演しています。現在は韓国でも活躍中とか。KIA自動車やHaatzのCMに出演したこともあるみたいです。ブログhttp://blog.excite.co.jp/rinatakagiではたまに韓国ネタも書いてます。
『夜を賭けて』でヒロインを演じたリュ・ヒョンギョン(当時はユー・ヒョンギョンとクレジット)はウジュ(ハン・ヘジン)の友人役でしたが、残念ながら、あまり見せ場はありませんでした。
 ジョイ(キ・テヨン)がよかったですねぇ。最初はただの好青年だったんですが、過去の罪悪感から悩んでいて、次第にコワレていくのです。いちばん気になる役どころでした。彼の結末はあんまりすっきりしてませんけど......。
 そうなんです、不完全燃焼な点が多々あるのは否めませんね。「あのエピソードってこれで終わり!?」と。ケドンおじさんの恋愛とか、ウジュのお父さんとか、せっかくのいい話がずいぶんあっさりしてました。BSだと限られた枠内での放送なのでかなりカットされてしまいます。しかたないといえばしかたないですね。DVDで完全版を観たい......とまでは思いません。それなりに楽しめましたけど。

テロワール 떼루아
全20話/SBS/2008年12月1日~2009年2月17日放送
演出:キム・ヨンミン/脚本:ファン・ソング
http://tv.sbs.co.kr/terroir/
日本ではBSフジにて放送 http://www.bsfuji.tv/terroir/
DVDはポニーキャニオンより2009年12月16日~発売

キム・ジュヒョク......カン・テミン
ハン・ヘジン......イ・ウジュ
キ・テヨン......ジョイ・パク テミンの従弟
ユソン......アン・ジソン テミンの恋人
チョン・ソンファン......イ・ムガン ウジュの祖父、ナムチョ社長
パク・ビョンホ......カン会長 テミンの祖父、漢江建設会長
チョン・ホビン......カン・ジョンテ テミンの叔父、漢江建設常務
クォン・ヒョクプン......チョン・サンジン ウジュの父
リュ・ヒョンギョン......コン・ユッコン ウジュの友人
チョン・スギョン......オンニム 元ナムチョの厨房従業員
パク・テギョン......ファン・ゲドン 元ナムチョの厨房従業員
キム・ビョンセ......アンドレ・イム テロワールのシェフ テミンの先輩
ユ・ヒョンス......キム・ジュンス アンドレ・イムの一番弟子
チェ・ヨンイン......チョ・ミンジ テロワールのマネージャー兼ソムリエ
キム・ジェスン......イ・ジェジュ テロワールのアルバイト
ソン・スンファン......ヤン・スンゴル ミル貿易の代表
チャン・ヒョジン......シン代理 ミル貿易、テミンをライバル視
イム・チェホン......イ・ウゴン ミル貿易、テミンの後輩
チョン・ドンギュ......ミル貿易の理事
高木りな......タカギ レストラン・コンサルタント
チョン・ヨンスク......ソン女史
チョン・ジェジン......評論家
パク・ヨンジ......キム会長
パク・キルス......オ・チュンベ オンニムの元夫
イ・テソン......タンビョル ウジュの元恋人
イ・ソンミン......ウジュが面接を受けた会社の職員 ※特別出演
ユン・ギウォン......ウジュの見合い相手 ※第1話のみ

 

2009年11月17日

ELTにペ・ドゥナ

 明日発売されるEvery Little Thingのニューシングル「冷たい雨」、初回限定盤はDVD付きで「冷たい雨(Long Ver.)」のミュージック・ビデオが収録されてます。
 で、ペ・ドゥナが主演! 共演は高良健吾で、切ない雰囲気のラブストーリーになってます。ぬいぐるみ、ポラロイド・カメラ、ところてん(!)が重要な小道具でした。

Every Little Thing「冷たい雨」
初回限定盤【CD+DVD】AVCD-31746/B
avex trax/1,680円/2009年11月18日発売





2009年11月12日

TRASH-UP!! vol.4

 季刊の超カルトなカルチャーマガジン「TRASH-UP!!」、前号ではキム・ギヨン監督の特集なんていうマニアックな企画がありましたが、vol.4も韓国ネタがたっぷりです。
 まずは1p弱のDVD『下女』レビュー。キム・ギヨン監督の名作がついにDVD発売! ぼくはまだ購入していませんが、韓国映像資料院が修復したHDリマスター版、かなり期待できそうです。
 それから連載になるのか、韓国の映画誌「CINE 21」のキム・ヨンウンによる最新韓国ホラー映画レビューも1pあります。取り上げるのはナム・サンミ主演の『不信地獄』です。
 7pもある「イ・ジュニク監督の音楽映画三部作~挫折から再生への旅路~」は『ラジオスター』『楽しき人生』『あなたは遠いところに』の3作品をじっくり語る読みごたえたっぷりの評論でした。
 さらにマニアックなのが「音楽青春映画の傑作『GO GO 70s』 70年代を駆け抜けた伝説のバンド《デビルス》の軌跡」です。映画『GO GO 70s』だけでなく、そのモデルとなったバンドの軌跡にも触れています。これまた6pとボリュームたっぷりです。
 そして「『グッド・バッド・ウィアード』と満州ウェスタンの世界」。前半、どこかで読んだような......と思ったら、筆者のブログSimply Deadに掲載された文章とほぼ同じだったのでした。うーん。しかし、6pで、満州映画のレアなポスターもふんだんに掲載。必読・必見です。

TRASH-UP!! vol.4
トラッシュ・アップ /1,575円/2009年10月19日発売
【掲載記事】
祝DVD化!『下女』
最新韓国ホラー『不信地獄』byキム・ヨンウン(CINE 21)
イ・ジュニク監督の音楽映画三部作~挫折から再生への旅路~
音楽青春映画の傑作『GO GO 70s』 70年代を駆け抜けた伝説のバンド《デビルス》の軌跡
『グッド・バッド・ウィアード』と満州ウェスタンの世界



2009年11月11日

セリが帰ってきた

 イ・ビョンホンの出演作として日本に紹介されましたが、主人公はイ・ジウンです。第4回女性週間とやらを記念し、「新世代女性の自意識」をテーマにした短編ドラマとのこと。「私を愛してくれて私が愛せる人と出会えるだろうか」「私の男は私が決める」といった台詞が象徴するように、自立した女性を描くことに焦点が当てられてます。
 ヒロインである裕福な家庭に育った画家志望のセリを演じるのは「若者の日なた」(95)や『悪い女~青い門~』(98)のイ・ジウン。恋愛に執着したくないため、3人の男と付き合ってるらしいです。が、1年の予定で留学中。恋人たちはほかの女性と浮気をしてるのですが、それがイム・チャンジョン扮する小説家志望のハンスと、イ・ビョンホン扮するカフェ・バーのオーナーであるシチャンです(3人目はほとんど出てきません)。セリとシチャンは小学4年生のときからの仲で、1年ほど前に再会して付き合いはじめたという設定。セリが帰ってきたことで浮気の証拠隠滅に奔走する2人の姿が滑稽です。しかもハンスの恋人がシチャンの元恋人だったりして、その"修羅場"にハラハラします。笑いながらですけど。
 しかし、エキセントリックな魅力はあるものの、イ・ジウンが何人もの男を翻弄するほどかというと......。さらに終盤になって急にセリの独白がはじまるところもなんだかなぁ。「新世代女性の自意識」をテーマにしてるからなんでしょうが、とってつけたような感じがします。もはや新世代じゃないというのもありますし。
 ただ、イ・ビョンホンのファンは必見の作品といえるでしょう。二枚目なんだけれど、滑稽。落ちたライターをこっそり足先を伸ばして拾おうとしたり、ライターの炎で額を火傷したり、2度も恋人に酒をぶちまけられたり、他作品では見られない姿が随所に出てきます。
 10年も前の作品で、メイン・キャスト以外には現役で活躍してる俳優があまりいませんが、さまざまなドラマで見かけるペ・ドファンが出てました。中華料理屋の出前持ちという役どころです。
 DVD-BOX『韓国スターコレクション』には「戻ってきたセリ」として収録されてます。が、現在は廃盤。単体で「セリが帰ってきた」としてレンタル中です。

日曜ベスト「セリが帰ってきた」

原題 세리가 돌아왔다(セリが帰ってきた)
1999年7月4日放送/1話完結/KBS
DVD-BOX『韓国スターコレクション』に収録(「戻ってきたセリ」)
ケイブ、コリアデパートより2004年7月12日発売

演出:オム・ギベク/脚本:ワン・ボギョン

イ・ジウン......セリ
イム・チャンジョン......ハンス
イ・ビョンホン......シチャン
キム・ソンファン......シチャンの店のバーテンダー
イ・ウンジュ(イ・ソヨン)......シチャンの元恋人、ハンスの恋人
ペ・ドファン......香港飯店の出前持ち



【関連記事】
「セリが帰ってきた」の脚本
http://www.kbs.co.kr/drama/sundaybest/script704.htm

2009年11月10日

映画秘宝 2009年12月号

 今月の「映画秘宝」には「『母なる証明』とモーレツ・オカン映画21」なる見開き記事がありました。
 江戸木純による「『息子は無罪だ!』法を超えた親子愛が爆走する究極の"モンスター"映画」と題する評論が1p。ポン・ジュノ監督を「恐怖と怪物を描き続けるジャンル映画の監督、我々の作家なのである」と評しているところに納得です。もう1pではタフなお母さんの登場する映画21作品を紹介しています。

映画秘宝 2009年12月号
洋泉社/1,050円(本体1,000円)/2009年10月21日発売
【掲載記事】
『母なる証明』とモーレツ・オカン映画21