――12年後、ヘジが見つかったと連絡が入る。実母に連れ去られ、ばあちゃんは死んだと聞かされていたのだという。ケチュンとふたりで暮らしはじめたヘジは、高校に通うようになり、幼い頃から好きだった絵の才能を美術教師のチュンソプ(ヤン・イクチュン)に見いだされる。しかし、ソウルで開催された美術コンテストの会場で再び姿を消してしまう……。
ベテランのユン・ヨジョンと、若手実力派のキム・ゴウン。安心なふたりの主演で、切なくも、あたたかな気持ちにさせられる作品でした。ぶっきらぼうながらヘジの才能を伸ばす美術教師役のヤン・イクチュンも、いいたたずまいをしてますね。
もっとも気になるのがヘジの正体なわけですが、はじめは詐欺師なのかと思ってしまいました。本人でなければ知らないはずの幼い頃の思い出をちゃんと語るものの、何かを隠してるようで……。それが、ひねりの効いた、それでいて納得の設定。やられました。そして、ケチュンばあちゃんの最期の言葉は真実を知ったうえでも思いやりにあふれたもの。終盤は泣かずにいられませんでした。
ちなみに、タイトルにある할망(ハルマン)は済州方言だそうで、 할머니(ハルモニ)、つまり「おばあさん」のことです。
SHINeeのミノも出てることですし、日本でも劇場公開されるといいですね。
ケチュンばあちゃん
原題 계춘할망(ケチュンばあちゃん)2015年/韓国/116分/2016年5月19日公開(韓国)
第29回東京国際映画祭にて日本初上映