2015年4月15日

『ひきずる映画―ポストカタストロフ時代の想像力』

“ひきずる映画”といわれても最初はピンときませんが、「われわれの心に突き刺さったり、心を抉られたり、身をゆさぶったりする映画」(「はじめに」より)だそうです。「虚構を突き破り、フィクションを超えて、世界の在り方に迫りながら、現在の新たな解釈を鋭く投げかけてくる」ような、エッジの効いた作品ですね。
 韓国映画は3作品。第1章「リアルと世界」に〈古典〉としてキム・ギヨン監督の『下女』(石坂健治)、第2章「想定外!」にキム・ギドク監督の『悪い男』(石原陽一郎)、第3章「意味の意味、その先へ」にホン・サンス監督の『アバンチュールはパリで』(石坂健治)が取り上げられています。それぞれを「ひきずるポイント」「技法のポイント」から読み解き、糸のイメージが拡大していく『下女』など、深読みの仕方をわかりやすく解説しています。

『ひきずる映画―ポストカタストロフ時代の想像力』
編:村山匡一郎+編集部
著:村山匡一郎、北小路隆志、三浦哲哉、石原陽一郎、石坂健治、杉原賢彦
フィルムアート社/2,100円(本体価格)+税/2011年8月22日発売
http://www.filmart.co.jp/new/post_151.php

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