2019年2月17日

マグロとイルカ

ヒョノ(パク・ギュヨン)は恋愛経験ゼロの27歳。母の代わりに区民プールの水泳教室に通うことになるが、講師のユラ(ユン・バク)が気に入らない。しかし、そこで出会ったウジン(チョン・ゴンジュ)に一目惚れ。教室の仲間がヒョノの恋を応援しようと盛り上がる一方、ユラはウジンが赤ん坊を抱える女性といっしょにいるのを見かけた。ヒョノが傷つかないよう、ユラは恋の邪魔をするが……。

 2018年の「KBSドラマスペシャル」、3作め。
 原作のウェブトゥーンからかなり端折ってるそうですが、約1時間の枠ですからね。気楽に楽しめるラブコメディとしてまとまってました。ちなみに「イルカ」と言いつつ映像に出てくるのはシャチなのですが、原作でも同様とのこと。ヒョノがそう思い込んでいるという設定なのか、作者の勘違いなのかは不明らしいです。そこは忠実に映像化したわけですね。
 ウジン役のチョン・ゴンジュはJYP ENTERTAINMENTの新人俳優だそうですが、パク・ギュヨンもユン・バクもJYP所属。パク・ギュヨンは「花さく青春ロマンス~マジック学校~」で主人公の親友役を演じてました。さばさばとした感じのいい役どころでしたが、この作品でもコロコロと表情の変わるキュートな役です。

2019年2月16日

忘れられた季節

鷲梁津の孝試院に暮らすウンジェ(コ・ボギョル)は警察官を目指して5年め。薄い壁の向こうから聞こえてくる物音は耳栓で遮断し、生活のすべてを公務員試験の勉強に費やしている。孝試院近くのコンビニで働くウヒョン(ジェホ)は、ウンジェのことが気になっている。ある夜、ウンジェは女性の悲鳴を耳にするが、筆記試験が近いため、無視した。その後、隣室のジヨン(コ・ミンシ)が遺体となって発見される。同じ孝試院に住むジュンギ(キム・ムヨル)が些細な諍いから彼女を殺害したのだった。ジュンギは社会部記者をしている自慢の弟ユンギ(チョン・ジュンウォン)に打ち明けるが……。

 なんともいたたまれない物語……。小さな孝試院で起きた事件が、想像もしなかったかたちで大きくなってしまい、それを当事者たちは知らないまま、さらなる悲劇につながっていくという。誰も救われない、ひとりもハッピーエンドを迎えない後味の悪さはなかなかなものです。それでいて現実味のある悲劇というのがまた……。戦慄のラストです。
 かわいらしいコ・ボギョルがいっさい笑顔のない役どころで、キム・ムヨルもちょっと気味の悪い感じを出してます。

 ところで、コンビニで煙草を買う場面が回想を含めて3度ほどありますが、日本語字幕に「ライターください」と出ました。映像を見れば一発でわかることですが、これ、誤訳ですね。ライターじゃなく煙草のLiteという銘柄を言ってるので、意訳するとしても「煙草ください」。なんで毎回ライターを買うんだよ……って思わなかったんですかね。

2019年2月15日

私の黒歴史 間違いノート

高校で数学を教えているドヘ(チョン・ソミン)は、大学入試問題の出題委員に選ばれ、3週間の合宿へ。問題流出を防ぐため警察から監督官が派遣されているが、そのひとりが、大学の同期、ピルスン(パク・ソンフン)だった。初恋の相手だが、彼こそがドヘの“黒歴史”のはじまり。日々綴っている“間違いノート”の元凶なのだった。しかも元夫のジンサン(オ・ドンミン)が検討委員として合流し……。

 毎年楽しみにしている「KBSドラマスペシャル」が今年も(韓国での放送は去年ですが、日本で)はじまりました。全10作です。まずは1作め。
 チョン・ソミンといえば最近はバラエティ番組「ランニングマン」のイメージなので、主演は同姓同名のもうひとりのほうかと思ってました(笑)。脚本公募の最優秀作。誰にでもある“黒歴史”をどう乗り越えるかといった物語で、数学をからめてるのがちょっとユニークです。再会した初恋の相手、離婚した元夫との三角関係が中心で、チョン・ソミンの天然系の愛らしさを楽しむ作品といったところ。ゲロのシーンは韓国お決まりのパターンですね。

2019年2月12日

to. Jenny

ミュージシャン志望のジョンミン(キム・ソンチョル)は舞台恐怖症という致命的な欠点を抱えている。一方、アイドルとしてデビューしたもののグループが解散して再び練習生となったナラ(チョン・チェヨン)は、シンガーソングライターとして売り出すため、事務所代表(チョ・グァヌ)からギターを練習するよう命じられる。コンビニでアルバイトをしているジョンミンは、高校時代の憧れだったナラと再会し、ギターを教えることになるが……。

 すごくよかった! 映画『ONCE ダブリンの街角で』みたいな、音楽をテーマにした青春ドラマ。「ミュージックドラマ」と銘打っているだけあって、チャン・ギハと顔たちの「ㅋ」をストリートミュージシャンたちが歌う場面ではじまり、冒頭から期待が高まります。音楽がちゃんと重要な役割を担っていて、好感のもてる、後味もよい作品でした。
 なんといってもキム・ソンチョルの歌がいい。ミュージカル出身だそうで、さすがですね。『刑務所のルールブック(賢い監房生活)』の飄々とした役どころが印象的でしたが、これがドラマ初主演。妹のオクヒ(チェ・ユリ)もまた最高で、兄のジョンミンを慰め、励まし、8歳とは思えない頼もしさです(笑)。音楽をやることに反対する叔父役は『息もできない』のヤン・イクジュンでした。
 OSTはデジタル配信のみのようですが、Apple Musicで全7曲が聴けます。最初にオクヒから「何その歌詞」と言われる「논현동 삼겹살(論峴洞サムギョプサル)」は“知ってみると昏睡状態”(すごい名前……本名はキム・ギョンボム)の2016年の楽曲が元で、出演もしてるチョ・ジョンチが編曲してるそうです。ナラに贈った「Your Song」はサム・キム、デソン役のイ・サンイといっしょに歌う「Grab Me」はチェ・ナクタのカヴァーなんですね。オクヒがコーラスで加わる「Tiramisu cake」は、ナラが引きこもる場面で流れる「깊은 우리 젊은 날」のWe Are The Nightによる2015年の楽曲。すべてオリジナルというわけじゃなかったんですね。ちなみに解散したアイドルグループ“ココア”の曲として流れるのはDIAの「나랑 사귈래」でした。これもOSTに含まれてます。
 演出は「1泊2日」などバラエティ番組を手がけてきたパク・ジヌ(メインPDではないようですが)。キム・ジュノがチョイ役で出てくるのはその縁ですね。

2019年2月1日

花さく青春ロマンス~マジック学校~

大学生のイ・ナラ(ジニョン)は幼なじみのウリ(パク・ギュョン)に告白するため、伝説のマジシャン、マスター・ハン(リュ・スンス)の開くマジック学校の門を叩いた。そこには、手術を控える小児患者を励ましたい研修医ジュン(ニックン)、なんでも理屈で解明しないと気が済まない天才物理学者のソン(カン・ユンジェ)、そして人気マジシャンのジェイ(ユン・バク)もやって来る。ジェイは脱出マジックに失敗して行方不明の兄ケイ(パク・ジュヒョン)が生きていると信じ、最後に言葉を交わしたマスター・ハンから手がかりをつかもうとしているのだった。それぞれの事情で集まった4人だが……。

 ほとんどの出演者がJYP所属ですが、そもそも制作がJYPピクチャーズなのでした。脚本・演出のキム・ドウォンはインディ系の映画監督だそうです。
 GOT7のジニョンが中心人物ではありますが、4人それぞれの物語で、青春群像劇。イ・ソン役のカン・ユンジェが、韓国版のヴィジュアルでは中央にいるように、主人公並みの比重を占めてました。ソンとイスル(シン・ウンス)のぎこちない恋模様が楽しい。

2019年1月31日

空腹な女 シーズン2

前作から2年以上なるというのに、キャストはほぼ続投。ヤン・ヒョンミンだけ、酒場のマスターからVJ(YouTuberみたいなものですね)と別の役になってました。
 ジェヨン(パク・ヒボン)は転職しますが、その会社も風変わりな連中ばかりで、なんだかシュールでさえあります。親友のウジョン(イ・ウジョン)はブラジルに行ってしまいましたが、ときどきチャットで登場。代わりに、ウジョンの友人だったダジョンが相方的なポジションとなりました。脱毛サロンに勤めている設定で、自宅でジェヨンに施術する場面は爆笑です。演じるのはパク・ミンジという舞台女優ですが、この後、役名からアン・ダジョンという芸名にしたそうです。
 シーズン2も気軽に楽しめる作品。エピローグで料理のレシピを紹介するのも同様で、今回はジェヨン以外が登場することも。シーズン3も期待したいところです。

空腹な女

旅行会社に勤めるジェヨン(パク・ヒボン)は30代の独身女性。会社で散々な目に遭って帰宅すると、別れた恋人(パク・ヒョックォン)の姿が浮かんでしまう。それも空腹のせい? ジェヨンは冷凍ごはんと残り物の野菜で炒飯をつくり、ビールを開ける。「おいしいごはんとあたたかい寝床があれば幸せよ」。

 とりたててドラマティックな出来事が起こるわけではなく、30代女性のリアルなシングルライフといった感じ。パク・ヒボンは好きなので楽しく観ました。1話が10分弱というウェブドラマで、毎回、エピローグ的に料理のレシピを紹介します。日本でもエスビー食品が販売する調味料ブランド「李錦記」がスポンサーのため、だいたい似たような料理ですけど。
 エピソード3「不幸の味」ではイ・ランの曲が流れてましたが、エピソードごとに演出家が違って、エピソード3はイ・ラン自身の演出だったんですね。