2009年11月29日

携帯電話(The Phone)

『極楽島殺人事件』(07)のキム・ハンミン監督による第2作。携帯電話をモチーフにしたサスペンス映画です。
 主人公は芸能事務所の代表スンミン(オム・テウン)。ある日、売り出し中の所属女優のスキャンダル動画が保存された携帯電話を失くしたことから、次から次へとトラブルに巻き込まれていきます。その携帯電話を拾ったのは大型スーパーで顧客担当の主任をしているイギュ(パク・ヨンウ)。ところが、スンミンに連絡をしてくるものの携帯電話をただでは返さず、無理難題を押しつけます。スンミンはイギュの居場所を突き止めて反撃に出ようとするのですが......。
 現代人に欠かせない携帯電話というツールを重要な小道具として、いつ誰に似たようなことが起きてもおかしくない、ありえる恐怖を描いてるといえます。が、いまひとつでしたねぇ......。うるさいというか、サウンドが過剰で疲れました。それから、わざとなのかもしれませんが、古臭いとしか思えない音楽も浮いてたような。
 それにしてもオム・テウンって、追いかけられたり追いつめられたり、キレる男が似合いますね。パク・ヨンウは平凡さと異常さの紙一重なところが見事です。古くは『シュリ』(99)の頼りない"コネ入社"や『私のちいさなピアニスト』(06)の好青年役が似合うからこそ、こうした役どころがリアリティをもって迫ってくるのでしょう。『ビューティフル・サンデー』(07)のような鬼気迫る演技を見せてくれます。
 そして特別出演陣が豪華です。ジナのプライベート動画を撮影して脅迫するモデルのユノ役は「善徳女王」のピダム役で人気急上昇中のキム・ナムギル。チンピラまがいの男をふてぶてしく、情けなく演じてて印象に残ります。ジョンヨンの浮気相手の弁護士ジュンス役は「がんばれ!クムスン」などのキム・ユソクでした。最後に登場する刑事役には「復活」「魔王」でもオム・テウンと共演してるチュ・ジンモ。ほかにも名脇役のキム・ビョンチュンがハイテンションな写真家役、いろんな映画で目にするパク・キルスが借金の取り立て屋役、AV出身で『欲望』などを撮ってるポン・マンデ監督が映画監督役、『ミスにんじん』で一躍注目を集めた新人女優のソウがイギュの妹役で出演してます。

携帯電話携帯電話 핸드폰
韓国/2009年/130分/2009年2月19日(韓国)
http://www.handphone2009.co.kr/(韓国)
韓国映画ショーケース2009にて上映 http://filmex.net/kfs/2009/

オム・テウン......オ・スンミン 芸能事務所C&P代表
パク・ヨンウ......チョン・イギュ イーマート主任
パク・ソルミ......キム・ジョンヨン スンミンの妻
ファン・ボヨン......キム・デジン 芸能事務所C&Pマネージャー
イ・セナ......ユン・ジナ 女優
パク・キルス......チェ社長 借金の取り立て屋
イ・スンジュン......カン・ミョンシク イギュの同僚
チョン・ベス......ソン・ギテク SBSの録音技師
キム・ジェゴン......チャン・ジョンホ 掃除機じじい
オ・ジュヒ......イーマート支店長
オ・チャンギョン......パクPD 「風花」演出家
チョ・ムニ......チェPD
イム・ジヒョン......ジナのコーディネーター

キム・ナムギル......チャン・ユノ モデル、ジナの恋人 ※特別出演
キム・ユソク......ハン・ジュンス 弁護士 ※特別出演
キム・ビョンチュン......写真家 ※特別出演
ポン・マンデ......映画監督 ※特別出演
チェ・ジュボン......飼い犬を捜すイーマートの客 ※特別出演
チュ・ジンモ......キム・ミンギ 捜査班長 ※特別出演
ソウ......イギュの妹 ※特別出演
キム・グラ......ラジオDJ ※特別出演
キム・ジョンソク......結婚式の司会者 ※特別出演

【監督・脚色】キム・ハンミン
【製作】シネトリー、ハンコム
【製作総指揮】チョン・ヘヨン
【脚本】キム・ミヒョン
【撮影】パク・サンフン(KSC)
【照明】ソン・ジェソク(KSLD)
【音楽】キム・ジュンソン
【美術】チャン・チュンソプ
【編集】キム・ソンミン
【配給】SKテレコム



※2012年12月26日に『The Phone』としてDVD発売

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