2018年2月27日

カン・ドクスン愛情変遷史


 1926年、夏。忠清道の山村に暮らすドクスン(キム・ソヘ)は親の決めた結婚相手のソクサム(オ・スンユン)を慕い続けていた。ところが、大学の休みで帰郷したソクサムには好きな女性がいて、「祖国の独立に身を捧げる」と別れを告げられる。あきらめきれないドクスンは、ソクサムの書いてくれた住所を握りしめて京城へ。そこで酒場を営むヒスン(キム・ヨジン)らと出会うが……。

 タイトルに「愛情変遷史」とあると、上京してきて婚約者に裏切られたことを知った主人公が新たな恋と出会う……といった展開を想像しますが、ぜんっぜん違うのでした。まさか独立運動の話だとは。しかし、悲しい展開はあるものの、字を覚えていく過程がうまくストーリーに沿っていたり、ドクスンの成長物語としてなかなかよくできた脚本でした。意外と出番の少なかったソクサム(「あの空に太陽が」でハンス役のオ・スンユン)が最後にいいところを見せたりも。「出会わせて、ジュオ」と同じ間違った小道具を使いまわしてるのは残念でしたけど。
 主演はI.O.I出身のキム・ソヘ。I.O.Iはオーディション番組「PRODUCE 101」から生まれた期間限定のアイドルグループで、もともと俳優志望だった彼女は2017年1月の解散後は女優として活動してます。地上波での主演はこれが初となりますが、溌剌としていて、好感度大。また、母女酒幕の“三人娘”もそれぞれ好演していて、なかでも最年少のグッキ役を演じたパク・ソヨンが印象的でした。同姓同名がたくさんいますが、「凍える華」や「運勢ロマンス」でヒロインの少女期を演じている2002年生まれの子役。いずれも今後が期待される女優といえるでしょう。
 ところで、ドクスンの両親役を演じたホン・ソンドク&ペク・ヒョンジュは「私の心は花の雨」でも夫婦で、主人公コンニム(ナ・ヘリョン)の養父母という役どころでした。たしかに、お似合いのカップルですね。

KBSドラマスペシャル「カン・ドクスン愛情変遷史」

原題 강덕순 애정변천사(カン・ドクスン愛情変遷史)
2017年10月5日放送/1話完結/KBS
KBS WORLDにて2018年1月18日に日本初放送

脚本 ペク・ソヨン
演出 ファン・スンギ(「一人で踊るワルツ」)

キム・ソヘ……カン・ドクスン
パク・ソヨン……チョ・グッキ
パク・キュヨン……ナ・エヒャン
シム・ヨンウン……チャ・ソクチュ
キム・ヨジン……ナム・ヒスン 母女酒幕の女将

オ・スンユン……キム・ソクサム ドクスンの婚約者
アン・ミニョン……ソクサムの母
ホン・ソンドク……カン・ボンパル ドクスンの父
ペク・ヒョンジュ……キム・マルスン ドクスンの母

イ・ジュンオク……セジン 世進洗濯所=独立運動家
ノ・シホン……独立運動家
ソル・チャンヒ?……チョ先生=グッキの父
ソ・ジノン……金田忠吉=キム・チュンギル 伯爵
ハン・ガリム……金田ミユコ ソクサムの結婚相手(写真)
パク・ウォンソク……人力車夫
チョン・テヤ……ソクサムを尋問する日本人刑事
キム・ゴウン……母女酒幕を訪ねてくる少女

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