2019年1月31日

空腹な女 シーズン2

前作から2年以上なるというのに、キャストはほぼ続投。ヤン・ヒョンミンだけ、酒場のマスターからVJ(YouTuberみたいなものですね)と別の役になってました。
 ジェヨン(パク・ヒボン)は転職しますが、その会社も風変わりな連中ばかりで、なんだかシュールでさえあります。親友のウジョン(イ・ウジョン)はブラジルに行ってしまいましたが、ときどきチャットで登場。代わりに、ウジョンの友人だったダジョンが相方的なポジションとなりました。脱毛サロンに勤めている設定で、自宅でジェヨンに施術する場面は爆笑です。演じるのはパク・ミンジという舞台女優ですが、この後、役名からアン・ダジョンという芸名にしたそうです。
 シーズン2も気軽に楽しめる作品。エピローグで料理のレシピを紹介するのも同様で、今回はジェヨン以外が登場することも。シーズン3も期待したいところです。

空腹な女

旅行会社に勤めるジェヨン(パク・ヒボン)は30代の独身女性。会社で散々な目に遭って帰宅すると、別れた恋人(パク・ヒョックォン)の姿が浮かんでしまう。それも空腹のせい? ジェヨンは冷凍ごはんと残り物の野菜で炒飯をつくり、ビールを開ける。「おいしいごはんとあたたかい寝床があれば幸せよ」。

 とりたててドラマティックな出来事が起こるわけではなく、30代女性のリアルなシングルライフといった感じ。パク・ヒボンは好きなので楽しく観ました。1話が10分弱というウェブドラマで、毎回、エピローグ的に料理のレシピを紹介します。日本でもエスビー食品が販売する調味料ブランド「李錦記」がスポンサーのため、だいたい似たような料理ですけど。
 エピソード3「不幸の味」ではイ・ランの曲が流れてましたが、エピソードごとに演出家が違って、エピソード3はイ・ラン自身の演出だったんですね。

2019年1月30日

死の賛美

朝鮮人が国と自由を失った日本統治時代。早稲田大学に留学中のウジン(イ・ジョンソク)は、仲間たちと劇団を起ち上げ、祖国の心を忘れまいと劇作に励んでいた。一方、シムドク(シン・ヘソン)は声楽家になることを夢見、上野音楽学校で声楽を学んでいる。ナンパ(イ・ジフン)の紹介で劇団に参加したシムドクは、はじめこそ反発するものの、次第にウジンと惹かれあうようになっていく。ところが、朝鮮での巡回公演を終え、解散式のため集まったウジンの実家で彼に妻がいることを知るのだった。――5年後、父の事業を継いだウジンは、シムドクが声楽家として朝鮮初の洋楽公演を行うことを知って会場へ。再会した2人は……。

 これが2019年の韓国ドラマ始めとなりました。正月に観るような作品ではありませんでしたけど……。ひとことでいえば、心中モノ。メインとなるキャラクターはいずれも実在する人物で、実話がもとになっています。1926年に玄界灘に身を投げたソプラノ歌手の尹心悳[ユン・シムドク]と劇作家・金祐鎭「キム・ウジン」の悲恋物語です。1991年にチャン・ミヒ主演で映画として描かれたほか、ミュージカルもあるそうで、これは特別編成された全3話のドラマとなっています。韓国での放送最終日から日本でもNetflixで観ることができます。
 こういう話って、どうしても「何も死ななくたっていいじゃん」と思ってしまうんです……。でも、“死の賛美”こそしませんが、美しいドラマではありました。とはいえ、日本人の日本語が拙いのはガッカリですね。治安警察役の武田裕光(「医心伝心」のサヤカ役など韓国で活躍中)を除くと、まともに聞けるのは友田恭介役のイ・ジュニの日本語だけでした。韓国ドラマ“あるある”ですけど。
 ちなみに、タイトルになっているのはユン・シムドクによる歌のタイトルで、イヴァノヴィッチ作曲「ドナウ川のさざ波」に朝鮮語の歌詞をつけたもの。日本でのレコーディングからの帰途、関釜フェリーから身を投げたのだそうです。心中事件が起こって爆発的にヒットしたとか。実際のレコードの音声がYouTubeにあったので下に貼っておきます。

2018年12月21日

ウォンテッド

国民的女優のヘイン(キム・アジュン)が引退を表明したその夜、息子のヒョヌ(パク・ミンス)が誘拐された。犯人の要求は、リアリティ番組を生放送し、10のミッションをクリアすること。彼女はプロデューサーのドンウク(オム・テウン)に番組の制作を頼み込み、夫のジョンホ(パク・ヘジュン)が社長を務めるUCNで「ウォンテッド」を開始する。しかし、犯人の真の目的はわからない。ミッションによっていくつもの犯罪が暴かれていくが……。

 もう2年以上も前の作品になりますが、今さら視聴。おもしろい! 真犯人が誰なのかはもちろん、本当の目的が何なのかもまったくわからないまま物語は展開していきます。一気に観たくなります。
 キム・アジュンはもちろんいいんですが、チ・ヒョヌがめっちゃカッコよく見えてきます。いわゆるイケメンというわけではありませんし、今まであんまりピンときてなかったんですが、これだけ主役を張っていることに納得。もっと彼の出演作を見たくなりました。
【以下、ネタバレ注意】
 そしてこの物語、もちろんフィクションではありますが、韓国で起きた加湿器殺菌剤事件がモチーフとなっています。日本でも報道されたので覚えている方も多いのではないでしょうか? しかも放送されたのは実際の事件の判決が出るよりも前。世間に情報提供を呼びかけるヘインの姿で終わるという、ドラマとしては「そこで!?」というエンディングですが、現実と地続きなわけですね。劇中のリアリティ番組ほどではないにせよ、当時だったら臨場感のあるものだったでしょう。かなりの意欲作といえます。

2018年12月20日

プランマン~恋のアラームが止まらない!

潔癖症のジョンソク(チョン・ジェヨン)は生活スケジュールを分刻みで徹底的に管理し、規則正しく暮らしている。そんな彼には想いを寄せる女性がいた。自分と同じような性格を見せるコンビニ店員のジウォン(チャ・イェリョン)だ。ところが、思いきって声をかけた相手は、代わりにレジに立っていた自由奔放なソジョン(ハン・ジミン)。彼女のおかげでジウォンに告白する機会を得るが、彼女は潔癖な性格を直そうとしているのだった。ジョンソクはソジョンからオーディション番組に出ようと誘われて……。

 潔癖症の主人公に笑わされっぱなしでしたが、まさかの展開、想像もしていなかった事実に思わず涙……。こういうの、韓国映画らしいですね。安心のチョン・ジェヨンに、ハン・ジミンもサバサバしたヒロインを快活に演じていて好感度大。グループ療法の面々(医師含む)にもウケます。
 日本では劇場未公開のDVDスルーだったでしょうか。気軽に楽しめる良作だと思います。邦題には余計なサブタイトルがついてますが。

2018年12月19日

彼とわたしの漂流日記

リストラに遭い、借金を抱え、恋人にも捨てられた男(チョン・ジェヨン)は、絶望して漢江に身を投げた。が、パム島に漂着。死のうにも死ねない彼は、泳げないため脱出することもできず、島でのサバイバル生活をはじめる。一方、対岸のマンションに暮らす女(チョン・リョウォン)は、引きこもり、3年のあいだ一歩も家を出たことがない。ある晩、彼女はカメラのレンズ越しに彼の姿を見つけ、好奇心を抱きはじめ……。

 数年ぶりに再見。やっぱりいい作品ですね。
 ソウルのど真ん中で漂流生活とはいささか荒唐無稽ですが、舞台となるパム島は生態系保全地域に指定されていて立入禁止なので、もしかしたらこんなことも可能かもと思わせます。絶妙。チャパゲティ(インスタントのチャヂャン麺)の粉末ソースを見つけ、自給自足で念願のチャヂャン麺を完成させるくだりは涙なしには見られません(笑)。
 原題は『キム氏漂流記』。一見すると、むりやり恋愛に寄せた邦題のようですが、実はこれまた絶妙なタイトルかもしれません。主人公がふたりともキム氏で、ヒロインのほうも現実と妄想のあいだを漂流していたといえるわけですから。
 民防(一斉に行われる軍事避難訓練。車両はストップ、歩行者も足を止めなければならない)が重要な役割を果たすところも韓国ならでは。奇想天外でありながらリアルでもある、韓国映画らしい韓国映画で、好きな作品のひとつです。

2018年12月18日

キンコンカンコン 恋の始まり

かつてラッパーとして活動していたスルギ(イ・ジュヨン)は、厳格な母のために夢をあきらめ、今は小学校で音楽を教えている。二日酔いで授業に出たり、あまりやる気はない。そんなある日、ド派手な服装の英語教師ユビン(ユラ)がやって来る。世間の目などまるで気にしないユビンとはそりが合わないが、2人は放課後クラブでヒップホップ班を担当することに……。

 こういう邦題、ほんと、やめてほしいですね。まったく「恋の始まり」なんて話じゃないんですから。イ先生(アン・ウヨン)が主人公に片想いをしているというのはありますが、そこが主題ではありません。
 元ラッパーの教師が嫌々ながら子どもたちにヒップホップを教えていくうちに情熱を取り戻していくという物語。「力道妖精キム・ボクジュ(恋のゴールドメダル)」で重量挙げ部員のひとりを演じていたイ・ジュヨンが主人公です。元ラッパーという役どころは意外な感じでしたが、わりとサマになってますね。Girl's Dayのユラがサバサバとした英語教師のユビン役で、すごくよかったです。振りまわされつつも、彼女のおかげでスルギは変わっていくんですね。2人に芽生える友情がちょっと感動的。生徒の子どもたちもそれぞれが個性的で、楽しめます。