2017年2月16日

3本足のカラス

1984年に初の詩集『労働の夜明け』を刊行し、労働者運動のカリスマとなったパク・ノヘ。1991年に拘束されてからも獄中詩人として活動を続けるが、オ・ジョンフン監督は、彼が労働詩人から環境活動家に転向したかのように感じている。彼の家族や仲間を訪ね、めまぐるしく変化する現代社会で彼の思想の実際性を問う。

 第8回座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルの特集「アジアの波」で鑑賞。思いっきり鼾をかいて寝てる人もいましたが、たしかに何度も睡魔に襲われました……。「パク・ノヘに期待しすぎていた自分を恥じた」と監督のナレーションで締めくくったり、独りよがりというか、なんだかなぁというところが少なくありません。アフタートークで崔洋一監督も「おまえの内省は家に帰ってやれよ」なんて言ってましたが、まさに。
 ちなみに、20年も前の1997年作品ですが、最後に1998年8月15日に特赦で釈放されたことがスーパーが挿入されます。2011年にインディ・ドキュメンタリ・フェスティバルで上映されているようなので、そのときに追加したのでしょうか。
 中盤、パク・ノヘの詩に曲をつけているユン・ドヒョン・バンドのライヴ映像があります。たんに客席からステージを仰いでるだけので完全なる逆光でメンバーの顔はまったく判別できませんが……。ユ・ドヒョン・バンド(現YB)は1996年の結成なので(1集はユン・ドヒョンのソロ名義)、ごく初期のステージ映像になりますね。長髪(!)のユン・ドヒョンがコメントする場面もあって「若いうちは言いたいことを言う」などと語ってました。そのとおりかなりアグレッシヴな演奏で、わりと小さなハコですが、ファンも熱狂的な雰囲気。貴重映像です。曲は"이땅에 살기 위하여(この地に生きるために)"で、2集に収録されてます。

3本足のカラス

原題 세 발 까마귀(三足烏)
1997年/韓国/72分
山形国際ドキュメンタリー映画祭1999にて日本初上映
第8回座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルにて上映

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