2017年2月12日

最終兵器 ムスダン

韓国と北朝鮮の国境に位置するDMZ(非武装地帯)の603セクターで部隊の失踪事件が発生。24時間以内に事態を把握するよう、チョ大尉(キム・ミンジュン)をはじめ、生化学兵器に詳しいシン中尉(イ・ジア)ら精鋭が集められた。ところが特任チームの作戦開始早々、ハン中士(キム・サグォン)の姿が消える。不穏な空気が漂うなか部隊が廃倉庫に辿り着くと、そこには北朝鮮軍が待ちかまえていた。しかし、本当の脅威は別にあり……。

 冒頭は『プレデター』を思わせる描写ではじまり、次々と兵士を襲う謎の存在が示唆されます。一人称視点の主観ショットが緊迫感を煽りますが、終盤、正体を現したときには……ずいぶんチープで、ある意味、衝撃的なのでした。
 ターゲットの始末を優先するチーム長のチョ大尉は何かを隠しているようで、一方のシン中尉も別の任務が与えられている模様。そしてまたチームの末っ子で19日後の除隊を待ち望んでいるノ兵長(キム・ドンヨン)も密かに何かを命じられていて……とサスペンスフル。
 タイトルの「ムスダン」は北朝鮮の開発した中距離弾道ミサイルの呼称で、発射基地があるとされている舞水端(ムスダン)の地名から。なのですが、ということは、この作品のストーリー上はそういうミサイルは存在していないということになりますね。ミサイルではない、ある“兵器”のコードネームなわけですから。
 B級映画をおもしろがれるかどうかが評価の分かれ目でしょう。キム・ミンジュン、元Click-Bのオ・ジョンヒョク、ユチョンの弟のパク・ユファンと女性ファンに目配せをしたキャスティングですが、いかにも低予算な印象。イ・ジアもなぜひさびさの映画にこれを選んだのか……。とはいえ、予想できる展開ではあるものの、シン中尉のアップになるラストショットはゾッとします。

最終兵器 ムスダン

原題 무수단(ムスダン)
2015年/韓国/87分/2016年3月3日公開(韓国)
アルティメット・ムービー・フェスタ2016(2016年12月24日~)上映

脚本・監督 ク・モ

イ・ジア……シン・ユファ中尉 副チーム長 第1地域隊
キム・ミンジュン……チョ・ジノ大尉 チーム長
チョン・ジン……パク・サンチョル上士
オ・ジョンヒョク……ユ・チョラン中佐 第1地域隊
キム・サグォン……ハン・スンホ中佐 第3地域隊
パク・ユファン……ク・ユンギル下士 第3地域隊
キム・ドンヨン……ノ・イルグォン兵長 通信担当
キム・ビョンチョル……作戦監
キム・ミョンゴン……参謀長
ソ・ヒョヌ……イ・ヒョンソク中尉
ハ・ユンソ……看護将校

ト・ジハン……チェ・チョル中尉 北朝鮮軍
キム・グヒョン……リ・ホジン中尉 北朝鮮軍
チェ・ヨンソン……パク・ソンジェ下士 北朝鮮軍
ミョン・ゲナム……北朝鮮軍 上士
イ・デグァン……ジェハク=ムスダン
※ネタバレになる箇所は背景色になってます。範囲選択すると読めます

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