2017年2月4日

インサイダーズ 内部者たち

オ会長(キム・ホンパ)は大統領候補のチャン議員(イ・ギョンヨン)に裏金を流し、政界を牛耳ろうとしていた。その関係を裏で取り仕切るのは祖国日報の主幹であるガンヒ(ペク・ユンシク)。ガンヒのもとでのし上がろうとするサング(イ・ビョンホン)は裏金の証拠を入手して脅そうとするものの失敗し、腕を切り落とされてしまう。一方、後ろ盾もなく左遷された検事のジャンフン(チョ・スンウ)は、復讐心を抱えるサングに告発をもちかけるが……。

 劇場で逃してしまった『インサイダーズ 内部者たち』のBlu-rayがずいぶん安くなっていたので購入(なんとAmazonで1,091円)。
 あらためてイ・ビョンホンはすごいと思いました。韓流四天王と呼ばれた面々で唯一、衰えることなく作品に出続けてることも含め。まったくもって善人ではありませんが、愛嬌のある役柄で、特にオールバックにスカジャンの落ちぶれたチンピラ姿がカッコいいんです。ウネ(イエル)との関係はあまり深く描写されませんが、そこはかとなくうかがわせるところもいいですね。青龍映画賞、百想芸術大賞、韓国映画評論家協会賞で主演男優賞を受賞しました。
 チョ・スンウは3度もオファーを断ったとのことでしたが、それも大どんでん返しのための演出的な発言じゃないかという気がします。イ・ビョンホン&チョ・スンウという意外な顔合わせ。バディ・ムーヴィー的な一面もあって、とりわけラストシーンのふたりが最高でした。ちょっと名作漫画『サンクチュアリ』を思い出したりも。
 原作はユン・テホによるウェブトゥーン。2015年12月31日には『内部者たち:ザ・オリジナル』と題して180分の拡張版が公開されました。こちらは日本盤に収録されてないんですよね。どんなシーンが加えられてるのか、観てみたいものです。
 R指定にもかかわらず最速で600万人超、そして興行成績No.1に。とても万人受けする作品とは思えないのですが、そこまでヒットするとは驚きです。やはり韓国人にとってリアルだからなのでしょうか。腐敗した政治家、横暴な財閥……下劣な“ち〇こゴルフ酒”は説明するのも憚られるほどゲスの極み。銃が一丁も出てこない代わりに糸ノコギリと小斧というのもブッ飛んでます。
 痛快な娯楽作ですが、残酷な描写が少なくないので、苦手な方はご注意を。

インサイダーズ 内部者たち

原題 내부자들(内部者たち)
2015年/韓国/130分/2015年11月19日公開(韓国)
2016年3月11日公開(日本) http://inside-men.com

監督・脚本 ウ・ミノ(『破壊された男』『スパイな奴ら』)

イ・ビョンホン……アン・サング
チョ・スンウ……ウ・ジャンフン ソウル地方検察庁 特捜部 検事
ペク・ユンシク……イ・ガンヒ 祖国日報 主幹

イエル……チュ・ウネ 元アイドル
ペ・ソンウ……パク・チョンパル 文房サッシ社 社長
パク・チヌ……イ室長 サングの部下

チョ・ジェユン……パン係長 ソウル地方検察庁 特捜部 捜査官
チョン・マンシク……チェ・チュンシク ソウル地方検察庁 部長検事
キム・デミョン……コ・サンチョル 祖国日報 元記者
ナム・イル……ジャンフンの父

イ・ギョンヨン……チャン・ピル 新正党議員
クォン・テウォン……ソン・マンソプ チャン議員の後援会長

キム・ホンパ……オ・ヒョンス 未来自動車 会長
チョ・ウジン……チョ常務 未来自動車
リュ・テホ ……ムン・イルソク 未来自動車 元財務チーム長
キム・ジョンス……チョ・ヤンシク チョヤン未来建設 社長

クォン・ヒョクプン……ソク・ミョングァン ハンギョル銀行 元頭取
キム・ビョンオク……オ・ミョンファン 大統領府 民情首席秘書官
パク・サンギュ……キム・ソグ 新正党議員
チョ・ドクチェ……チェ刑事 ソウル中部警察署
パク・チニョン……ソン議員 ジャンフンの恩師
ムン・スジョン……最高検察庁 庁長
ハン・スンス……ナイトクラブの客
ホン・ジヨン……弁護士事務所 職員

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