2017年2月5日

The NET 網に囚われた男

北朝鮮の国境近くで妻子と平穏な毎日を送る漁師のチョル(リュ・スンボム)だが、ある日、船のエンジンに網が絡まり、韓国側へ流されてしまった。身柄を拘束された彼はスパイ容疑で尋問を受けることに。身のまわりの世話をするジヌ(イ・ウォングン)はチョルが潔白であると信じるが、調査官(キム・ヨンミン)は何が何でも自白させようと暴力も辞さない。チョルは妻子のもとへ帰りたい一心で耐え続けるが……。

 東京フィルメックスのチケットを取ったものの、予定が入っていて行けず……。劇場公開を待って、ようやくシネマカリテで鑑賞したのでした。
 衝撃的な作品を撮り続けるキム・ギドク監督ですが、これはやや描写がマイルド。とはいえ、南北分断のなか、現実にありそうな――実際、ただの漁師がスパイに仕立てられたことが何度もあるそうで――強烈な痛々しい物語です。ハッピーエンドはありえないだろうと思うわけですが、そこはやはり……。余韻の残るラストショットでした。
 ところで、亡命を説得する担当者役でソン・ヒョナが特別出演してます。売春斡旋容疑で起訴され、一審、二審で罰金刑を言い渡されてましたが、最高裁で無罪判決。これが復帰作のようです。2006年の『絶対の愛』以来、10年ぶりのキム・ギドク作品となりました。チョイ役ですが。


The NET 網に囚われた男

原題 그물(網)
2016年/韓国/112分/2016年10月6日公開(韓国)
第17回東京フィルメックスにて開幕作として日本初上映
2017年1月7日公開(日本) http://www.thenet-ami.com

監督・脚本・製作・撮影 キム・ギドク(『メビウス』『殺されたミンジュ』)

リュ・スンボム……ナム・チョル
イ・ウヌ……チョルの妻
ハン・ユジョン……ソリ チョルの娘

イ・ウォングン……オ・ジヌ 国家情報院
キム・ヨンミン……国家情報院 調査官
チェ・グィファ……イ室長 国家情報院
アン・ジヘ……ミンジャ 風俗嬢
ソン・ヒョナ……転向チーム担当者

ソン・ミンソク……北朝鮮保衛部 調査員
チョ・ジェリョン……北朝鮮軍 小隊長
パク・チイル……北朝鮮軍 幹部
イ・ソルグ……リ・ドゥチュン 脱北者
チョン・ハダム……チンダルレ

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