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2017年2月22日

安東ククス屋の女


 小説を書くことをあきらめたジヌ(パク・ピョンウン)は妻のヘギョン(シム・イヨン)とネット通販会社を営んでいる。ある日、大学時代の先輩の訃報を受け、安東を訪問。葬儀場でミジン(チョン・へビン)に目を留める。それからというもの、先輩の兄から遺稿の整理を頼まれたジヌは週末になると安東に通う。そして、ミジンに小説のあらすじを語って聞かせるようになるが……。

 安東(アンドン)が舞台の、しみじみとした一編。先輩の遺した小説の内容がミステリアスな女性の悲しみの理由を明らかにするという、なるほどな展開。不倫ドラマになりそうなところをギリギリの線で抑えてました。
 妻のヘギョンが実に鋭い。ジヌは何も言わないのにミジンとの関係性を一発で見抜きます。これってありそう。女性は怖いですね(笑)。「もっと傷ついてほしい。そして大人になってほしい」と言い捨てますが、ほんと、サンギュは大人になりきれてないというか、大事なところで逃げてきたんでしょうね。小説家の夢をあきらめたのもサンギュがデビューしたのがきっかけ。今回も、自分が傷つかないためにミジンを傷つけようとしたのでした。ヘギョン役を演じたのはシム・イヨン。好きな女優です。日本では未DVD化ですが、主演作『愛のバトン』がすごくよかったんですよね。現在、第二子を妊娠中なので、しばらく見納めでしょうか。
 ちなみに、邦題ではククス(そうめん、うどんのような麺料理)となってますが、原題は국수(ククス)ではなく국시(ククシ)。安東の方言だそうです。

2017年2月21日

二十歳になるまで


 二十歳になるまでに童貞を捨てたいジュノ(イ・ジュスン)は大学受験も終えていよいよ初体験のことしか考えられない。しかし、恋人のソギョン(カン・ミナ)に迫っても、おあずけを喰らってしまう。ふくらむ妄想を小説にしてみるが……。

 ヤリたくてたまらない少年の悶々とした日々。
 主演のイ・ジュスンは、最新ドラマ「ボイス」で(ネタバレになるので詳しく書きませんが)まったく正反対の役柄を見た直後だったので違和感ありましたが、本来はこういう役が似合いますね。ベッドで「愛してる?」と訊かれて「わからない……好きなのは確かだけど」と正直に答えたり、誠実。コミカルな脱童貞奮闘記ですが、さわやかです。ジュノの叔父(ミン・ソンウク)もイイ役どころでした。一見すると頼りないけれど、いいこと言うんですよね。
 日の出を見に車を走らせる場面で流れるのはSuper Kiddの"Sundance"。エンディングは볼빨간 사춘기(頬赤い思春期)の"초콜릿(チョコレート)"。ハーフアルバムと称する初のCD『RED ICKLE』に収録されてます。音楽もよかったですね。


2017年2月18日

平壌まで2万ウォン


 ヨンジョン(ハン・ジュワン)は司祭になる道をあきらめ、運転代行の仕事をしながら、その日暮らしの生活をしている。ある夜、神父になったジュニョン(キム・ヨンジェ)と屋台で呑むが、彼の帰った直後、いつの間にか隣にはソウォン(ミラム)が座っていた。自分のことを知っているという彼女に迫られ、ヨンジョンは一夜をともにするが……。

 しばらくどんな展開の話なのか読めなかったのですが、なるほど。ヨンジョンが信仰を捨てて母に反発する理由――つまりは父への想い――が、空港でジュニョンを問いつめる言葉になってるんですね。ヨンジョンは「神に通じる唯一の道は祈りです」という言葉が許せません。ジュニョンがソウォンと結ばれることが、自分の存在の肯定につながるわけです。うーん、深い。また、南北離散家族の話があったり、北の歌が励みになった(それで「平壌まで2万ウォン」という代行運転社の名前に)というエピソードがあったり。短い物語のなかに多くのことが詰め込まれてるのでした。
 ソウォン役のミラムってどこかで見たことあると思ったら、「ショッピング王ルイ」でおしゃべりなゴールドライン社員のヘジュ役ですね。かつてはキム・ミンギョンという本名で活動してたようですが、現在は芸名に。


2017年2月13日

楽しい私の家


 セジョン(ソン・ヨウン)は夫のソンミン(イ・サンヨプ)と幸福に暮らしている。実はソンミンはセジョンの作り上げたサイボーグ。セジョンにとって理想の夫なのだ。ところがある日、ソンミンの前にジア(パク・ハナ)が現れ、「思い出して!」と訴える。セジョンはジアが現れたことを知って動揺。ついにジアが家に押しかけてくると、セジョンは事故に遭って記憶喪失となったソンミンを看病するうちに愛しあうようになったのだと言い張るが……。

 星新一のショートショートにありそうな、ブラックなユーモアで妙な後味の残るサスペンスでした。さすがにサイボーグという設定の描写には甘いところがありますが。
 主演のソン・ヨウンは「明日に向かってハイキック」でジフン(チェ・ダニエル)の見合い相手という役でした。短編だからというのもあるでしょうが、メインキャストを担うようになったんですねぇ。ジア役のパク・ハナは「白夜姫」でヒロインに大抜擢されましたけど(急な代役だったとか)、「金よ出てこい☆コンコン」では宝石店のキム代理、「ミス・コリア」ではドリーム百貨店のエレベータガールという、ほとんど端役でした。短編ドラマって、脇役マニアにはたまらないキャスティングで楽しいものです。
 主題歌の"I Will"をうたうのはJelly Cookieのソオ(서오)。「ドクターズ~恋する気持ち」のOSTにも参加してるようです。Jelly Cookieは女性デュオで「匂いを見る少女」のOSTで1曲うたってますが、メンバーはチョ・ウネ(조은애)とイ・ソヨン(이서영)。ソオというのは名前の近いイ・ソヨンのソロ名義になるんでしょうか。韓国でも「あまりに情報がない」と嘆かれてるようで、詳細不明。この曲も音源リリースはありません。


2017年2月11日

真夏の夢


 マンシク(キム・ヒウォン)は男手ひとつで育てている娘のイェナ(キム・ボミン)の出生届を出すのが唯一の願い。ベトナム人女性と国際結婚でついに夢が叶うと思ったが、直前に断られてしまった。そんなある日、暴力を振るわれていた茶房嬢のミヒ(キム・ガウン)を助ける。ミヒが礼を言いに家を訪ねてくると、イェナは彼女を母親と思い込み、泣きながらしがみつく。マンシクは2000万ウォンで母親代わりを頼み、ミヒは金目当てで婚姻届と出生届にサインをするが……。

 ちょっと前までは悪役の多かったキム・ヒウォンが、いい人すぎるマンシク役を好演。ほんと、おひとよし。キム・ガウンも、やさぐれてはいるものの根に寂しさを抱えるミヒ役をうまく演じてますね。ミン・ドゥルレとは大違いですが(「一途なタンポポちゃん」で健気な主人公を演じてました)。
 脚本は2014年の脚本公募で入選したソン・セリン。オチの想像はつくものの、やさしさにあふれたハートウォーミングな一編でした。
 劇中に流れるのは자전거 탄 풍경(自転車に乗った風景)の"지금처럼 너와 같이"。映画『ラブストーリー』の主題歌「あなたにとって私は、僕にとって君は」で知られる3人組です。ジャタンプンという略称で日本でもリリースしてました。分裂しましたが、2011年に再結成してたんですね。

2017年2月8日

伝説のシャトル


釜山の明成高校にソウルからチャン(イ・ジフン)が転校してきた。彼は17人相手の喧嘩に勝利したという伝説の男。学校を仕切るテウン(ソ・ジフン)にも一目を置かれる存在となるが、ある日、クラスにもうひとりの生徒が転校してくる。そのジェウ(キム・ジヌ)はチャンと同じ高校からやって来たという。チャンはある理由から気が気じゃない……。

 チャンの態度から、ある程度の展開は読めるのですが、とにかく笑いっぱなし。そもそも“加里峰のスリッパ”というニックネームがよくわかりません(笑)。去勢を張ってるのがバレないよう、あの手この手でテウンを言いくるめる姿が滑稽です。ジェウが現れると彼のあわてぶりはますますエスカレート。ジェウがクールなだけに余計おかしいのでした。
 ミンス役の子がSPEEDのソンミンに似てるなぁと思ってたら、まさにそう。いつもおどおどしてる風采の上がらないパシリですが、眼鏡をとると美少年。やっぱりソンミンなのでした。
 特別出演陣も豪華で笑わせてくれます。担任教師役のユ・オソンの台詞が『友へ チング』(言わずと知れた彼の出世作にして名作)のパロディなのがウケます。「ハワイに行けば~」もそうですし、その後の「마이 묵었다. 아이가」はまったくそのまんまですね。日本語字幕には活かされてませんでしたが……。アナウンサー志望のチャンの叔父がチョン・ヒョンムというのにも爆笑(かつて局アナでした)。「テレビに出られる顔だと思ってるの?」となんて言われたりして。
 タイトルにある「シャトル」とは「パシリ」のこと。韓国で大人気だったオンラインゲーム「スタークラフト」の宇宙輸送船「シャトル」から来てるんだとか。KBS WORLDでは「伝説のシャトル(使い走り)」という括弧付きの邦題ですが、劇中の日本語字幕は「パシリ」。俗語をタイトルに入れることに抵抗があったんでしょうか。「伝説のパシリ」でいいのに。


2017年2月7日

真っ赤な先生


 1985年、慶尚道の女子高で教師をしているテナムは生徒から「変態」と嫌われている。ある日、テナムは『将軍夫人の危険な愛』という小説を手に入れ、夢中で読み耽る。それを拾ったスンドクから学校中に人気が広まるが、その本は物語の途中で「つづく」となっていて、2巻はどこにも見つからない。スンドクは続きを執筆し、それを知ったテナムも黙認して密かに楽しみにしている。ところが、その本は淫乱図書として禁書扱いなのだった……。

 タイトルの「真っ赤な」というのは、いわゆる「アカ」をかけてるんですね。スンドクの父親が民主化運動で捕まって自殺したという設定で、同級生の母親が「アカの娘と関わるな」と言う場面があったりします。終盤にはデモの風景もありました。時代設定が1985年から1987年で、盧泰愚の民主化宣言の頃までが描かれます。2015年のKBSドラマ脚本公募の当選作だそうで、映像化には多くの演出家の手が挙がったとか。
 物語として先生が最後には生徒を守るのだろうとは想像がつくものの、スンドクが教師扱いすることのなかったテナムをようやく探し当て、ある言葉をかけます。そのラストシーンにはうるっときました。うぶすぎる女子高生たちには大爆笑。ミジャはコンドームが何かわからず両親にしつこく尋ねて叱られ、挙句には隠した食べ物だろうとキレたり、スッキは恋人がポケットにバナナを隠してると思って股間に手を突っ込んだり(笑)。教室では誰も子どもができる仕組みを知らず、スンドクの話に大騒ぎ。今じゃ考えられませんが、当時だったらそんなものでしょうか。
 劇中に流れるのはApril 2ndの"그리워하네"。どのアルバムにも未収録で、調べてみたら、このドラマのための書き下ろしのようです。ナム・ヘスン(남혜승)音楽監督は「もう一度ハッピーエンディング」や「嫉妬の化身」でも彼らを起用してますね。あと、Queenの"Under Pressure"が流れたりもします。

2016年4月11日

両班を返せ!


 父(キム・ヨンゴン)が領議政のホヨン(パク・キウン)は酒と女遊びにうつつを抜かす放蕩息子。下男のグィナム(ソ・ドンウォン)とは幼い頃からのつきあいだが、“ほくろ”と呼んで蔑んでいる。ある日、グィナムは借金で追いつめられた妓生のウォリャン(イエル)を救うため、ホヨンを眠らせて奴婢として売り飛ばしてしまう。カン進士(ヨム・ドンホン)が権力をふるう島で目覚めたホヨンは、自分が両班であると証明することもできず、奴婢としての生活を強いられるが……。

 期待以上! 主人公のホヨンが身分を取り戻すだけじゃなく、もうひとり、身分を取り戻す両班がいるんですね。これは意外な展開でした(実はちゃんと伏線を張ってあるんですが)。そして、最後のピバムパプを食べるシーンも秀逸。島では奴婢たちが食べてるのを「そんなもの食えるか」と突っぱねたホヨンが「実は食べてみたかった」というだけでなく、ごはんとおかずを両班と賤民になぞらえるのでした。「いつか身分もこうしてごちゃまぜになったらよいな」という台詞になります。さらに幼い頃のホヨンとグィナムがひとつの器から食べる姿で終わるという。
 プヨン役の若手女優は「ヨジ」とクレジットされてましたが、現在はハン・ジュヒョンという芸名のようです。ハン・ガインにそっくり! ほとんど記憶に残ってませんが、『1942 奇談』で死体の美少女あおい役だったんですね。そういえば「モダン・ファーマー」では不法滞在者のファラン役でした。

ドラマフェスティバル「両班を返せ!」

原題 상놈 탈출기(奴婢脱出記)
2013年10月31日放送/1話完結/MBC
KNTVにて2014年4月11日に日本初放送

脚本 リュ・ムンサン(「ギターとショートパンツ」)
演出 オ・ヒョンジョン(「メディカル・トップチーム」)

パク・キウン……イ・ホヨン 領議政の息子
ソ・ドンウォン……“ほくろ”グィナム ホヨンの下男
キム・ヨンゴン……イ・テウォン 領議政、ホヨンの父
イエル……ウォリャン 妓生
キム・ヒョンボム……奴婢斡旋業者
ヨジ(=ハン・ジュヒョン)……プヨン
キム・ドンソク……使道、プヨンの父
リュ・ヘリン……カンナン プヨンの下女
ヨム・ドンホン……カン進士 島の名士
チョ・ドクチェ……カン進士の執事
イム・チウ……カン進士の用心棒
チョ・ウジン……パルボク カン進士の奴婢
チョ・ヒョンド……チルボク パルボクの息子
チョン・イルボム……カン進士の奴婢
チョン・ホンテ……科挙の試験官
イ・グァンヨン……渡し船の船頭
ユン・イェソン……商人
チャン・ムンギュ……町人
ミン・ビョンエ……町人
イ・ドゥソク……護衛武士?
ウ・ソルビン……幼いホヨン?
ソン・ウビン……幼いグィナム?

2016年3月29日

そんな愛


 無期懲役で服役していたジヌク(ペ・スビン)は、ある日、大腸癌で余命わずかであることを宣告される。そして出所。社会奉仕活動として訪ねてきては次第に心を開くようになっていたヨンス(イ・ユンジ)を訪ねるが……。

 録画したままだった短編ドラマを消化中。
 そんなタイミングよく死ねないだろ!と無粋なツッコミを入れたくなりますが、ペ・スビンはうまいなぁと思います。特に思いつめた表情とか。
 DV夫役のチェ・ミンチョルは、いま視聴中の「甘く殺伐としたファミリー」でヤクザの部下役。こういうチンピラっぽい役柄がぴったりですね。

ドラマスペシャル「そんな愛」

原題 그런 사랑 (そんな愛)
2014年4月13日放送/1話完結/KBS
KBS WORLDにて2014年7月8日に日本初放送

脚本 イ・ジュヨン(「ガラスの絆創膏」)
演出 チャ・ヨンフン(「サメ~愛の黙示録~」)

ペ・スビン……ホ・ジヌク
イ・ユンジ……チ・ヨンス
チェ・ミンチョル……ジョンホ ヨンスの夫
チョン・ギュス……キム課長 刑務所の看守
キム・テス……ジヌクと同房の受刑者
イ・ウシン(=イ・ビョンシク)……牧師
チェ・ミングム……民宿の女将

2016年3月27日

特命、彼女を守れ!


 高校3年生のジュンシク(チェ・ウシク)は受験勉強そっちのけでドラマ「捜査班長」に夢中になっている。そんなある日、ジョイ・ウォン似のバスの車掌(キム・ボルム)に一目惚れ。彼女が会社で横領の容疑をかけられたと知り、ジュンシクは真犯人を捕まえようと奮闘するが……。

 肩透かしを喰らった感じ! ジュンシクが好きになった相手が実は父親の愛人、もしくは隠し子だった(つまり姉弟だった!)というオチを想像してたのに、まったくそんな話じゃありませんでした。ジュンシクの着ていた服で誤解して抱きついたとか、父親を見かけたと思った直後、彼女は待ち合わせの相手と会えなかったとか、みんな伏線だと思ってたのに……。父親役にチョン・ノミンまで出しておいて、ほとんどストーリーにからんできませんでした。「彼の学費のために」というのも、出稼ぎに行っていたはずの父親が息子の進学費用を工面するためなのかと深読みしてたんですが。
 そうしたひねりがないのなら、とりたてて語ることもありません……。ウブな少年の役にチェ・ウシクがぴったりで、笑えるシーンはたくさんありましたけど。
 ちなみに、原題のサブタイトルは「ワン・ジョヒョンを守れ」なのですが、このワン・ジョヒョン(王祖賢)というのはジョイ・ウォンの韓国名。彼女がジョイ・ウォンに似ているということで「ジョイ」と呼んでます。また、原題の「捜査副班長」は、もちろん大人気だった刑事ドラマ「捜査班長」をもじってるわけですが、主人公の姓とかけてもいるのでしょう、「捜査プ班長」とも読めます。時代設定は1989年。カセットテープや映画のポスターといった小道具にもそんな時代が反映されてました。
 ハン・ボルムは最近はキム・ボルムと名乗ってるんでしょうか。ファン・グムビョルは2006年に改名したファン・ヒョウンという芸名から2013年にさらに改名したようです。

ドラマフェスティバル「特命、彼女を守れ!」

原題 수사부반장 - 왕조현을 지켜라!(捜査副班長~ジョイ・ウォンを守れ!)
2013年11月14日放送/1話完結/MBC
KNTVにて2014年4月25日に日本初放送

脚本 イ・ヒョンジュ(「深夜病院~傷だらけの復讐~」)
演出 クォン・ソンチャン(「ホジュン~伝説の心医」)

チェ・ウシク……プ・ジュンシク 高校3年生
ハン・ボルム……“ジョイ・ウォン”ワン・ユミ バスの車掌
キム・ヒジョン……ジュンシクの母
チョン・ノミン……ジュンシクの父
チョン・マンシク……キム係長 ナムチョル旅客の社員
カン・テオ(5urprise)……ナム・ナムチョル ジュンシクの友人
ファン・グムビョル……ヨンジャ 車掌仲間
チョン・スイン……車掌仲間
チョン・ヒナ……車掌仲間
イ・ドゥギョン……キム係長の借金取り
ファン・チョルスン……スパルタ塾の講師

2012年9月17日

普通の恋愛

 全州の観光案内所に勤めるユネ(ユ・ダイン)は祖母(イ・ジュシル)と二人暮らし。他人に迷惑をかけないよう、必要以上に目立たないよう、ひっそりと暮らしている。それは父のジュピョン(イ・ソンミン)が7年前の殺人事件の容疑者として指名手配されているからだ。ユネは父の無実を信じているが、周囲からは殺人犯の娘として白い目で見られている。そんなある日、ユネの前にジェグァン(ヨン・ウジン)が現れた。彼は著名な写真家で、地元の案内にユネを指名する。ユネは自分のことを知らないジェグァンと"普通の恋愛"ができるのではないかと淡い期待を寄せるようになっていった。
 ところが、実はジェグァンにはユネに近づく目的があった。父が指名手配されていることをユネが告白すると、ジェグァンは「知っている」という。ジュピョンが容疑をかけられている殺人事件の被害者はジェグァンの兄だったのだ……。

 このあいだ劇場で観た『短い記憶』のユ・ダインが主演ということで、衛星劇場で放送されたのを観てみました。これが期待以上。通常は一話完結の「KBSドラマスペシャル」の一貫ではありますが、ミニシリーズ「乱暴なロマンス」と「赤道の男」のあいだに変則的に放送された全4話の作品です。脚本のイ・ヒョンジュは、短編とミニシリーズの一部を手がけているのみなので新人なのでしょうか、しかしながらよくできていると思いました。ありきたりな物語に終わらず。
 タイトルの"普通の恋愛"というのは、ユネの憧れであるだけでなく、もうひとつの意味があるんですね。ネタバレになるので詳しくは書きませんが、ジェグァンの兄を巡る"普通の恋愛"です。キャストにチョイ役なわけない人がいたので後半に何かあるとは思ってましたが、予想しなかった展開。ユネとジェグァンの関係が中心的な軸ですが、ジェグァンと母の関係もポイントです。そして、ユネの父は本当に殺人犯なのか、はたして真犯人はいるのかというサスペンス要素もあって、地味ではありますが、飽きさせません。
 わかりやすいハッピーエンドじゃないので「え、それで終わり!?」と思わないでもないのですが、余韻の残るラストシーンです。その後の二人を想像してみることもできるでしょう。7年前に止まっていた二人の時間が動きだした……少なくともそう受け取れるラストシーンで、よかったと思います。
 2012年10月30日と31日に衛星劇場で一挙放送があるので、オススメです。

普通の恋愛 

原題 보통의 연애(普通の恋愛)
KBS2/全4話/2012年2月29日~3月8日放送
http://www.kbs.co.kr/drama/series2/special/love/
脚本 イ・ヒョンジュ(「私は蝶」「深夜病院」「私がもっとも美しかったとき」)
演出 キム・ジンウォン(「ロマンスタウン」「世界のどこにもいない優しい男」)、ペク・サンフン(「私がもっとも美しかったとき」)
日本では衛星劇場にて放送 http://www.eigeki.com/korea/ordinarylove/

普通の恋愛ユ・ダイン......キム・ユネ 観光案内所職員
ヨン・ウジン......ハン・ジェグァン 写真家

イ・ソンミン......キム・ジュピョン ユネの父
イ・ジュシル......ユネの祖母
キム・ミギョン......シン女史 ジェグァンの母
キム・ヨンジェ......カン・モクス 芸術家

オ・ヨン......オ・ジョング 観光案内所の係長
チェ・ミンソン......クォン・デウン 自動車整備士、ユネの幼なじみ
ソン・ミンジ......チュ・サンア 出版社のチーフ、ジェグァンの友人
シン・ドンミ......キム・ギョンジャ カフェ店主

クォン・セイン......ハン・ジェミン ジェグァンの兄
チョ・ユヌ......ハン・ジェグァン(子役)
ムン・ガヨン......キム・ユネ(子役)

キム・ギョンリョン......教会の神父 ※1・4話
ホン・スンチャン......悟木台の警備員 ※1話

2009年11月11日

セリが帰ってきた

 イ・ビョンホンの出演作として日本に紹介されましたが、主人公はイ・ジウンです。第4回女性週間とやらを記念し、「新世代女性の自意識」をテーマにした短編ドラマとのこと。「私を愛してくれて私が愛せる人と出会えるだろうか」「私の男は私が決める」といった台詞が象徴するように、自立した女性を描くことに焦点が当てられてます。
 ヒロインである裕福な家庭に育った画家志望のセリを演じるのは「若者の日なた」(95)や『悪い女~青い門~』(98)のイ・ジウン。恋愛に執着したくないため、3人の男と付き合ってるらしいです。が、1年の予定で留学中。恋人たちはほかの女性と浮気をしてるのですが、それがイム・チャンジョン扮する小説家志望のハンスと、イ・ビョンホン扮するカフェ・バーのオーナーであるシチャンです(3人目はほとんど出てきません)。セリとシチャンは小学4年生のときからの仲で、1年ほど前に再会して付き合いはじめたという設定。セリが帰ってきたことで浮気の証拠隠滅に奔走する2人の姿が滑稽です。しかもハンスの恋人がシチャンの元恋人だったりして、その"修羅場"にハラハラします。笑いながらですけど。
 しかし、エキセントリックな魅力はあるものの、イ・ジウンが何人もの男を翻弄するほどかというと......。さらに終盤になって急にセリの独白がはじまるところもなんだかなぁ。「新世代女性の自意識」をテーマにしてるからなんでしょうが、とってつけたような感じがします。もはや新世代じゃないというのもありますし。
 ただ、イ・ビョンホンのファンは必見の作品といえるでしょう。二枚目なんだけれど、滑稽。落ちたライターをこっそり足先を伸ばして拾おうとしたり、ライターの炎で額を火傷したり、2度も恋人に酒をぶちまけられたり、他作品では見られない姿が随所に出てきます。
 10年も前の作品で、メイン・キャスト以外には現役で活躍してる俳優があまりいませんが、さまざまなドラマで見かけるペ・ドファンが出てました。中華料理屋の出前持ちという役どころです。
 DVD-BOX『韓国スターコレクション』には「戻ってきたセリ」として収録されてます。が、現在は廃盤。単体で「セリが帰ってきた」としてレンタル中です。

日曜ベスト「セリが帰ってきた」

原題 세리가 돌아왔다(セリが帰ってきた)
1999年7月4日放送/1話完結/KBS
DVD-BOX『韓国スターコレクション』に収録(「戻ってきたセリ」)
ケイブ、コリアデパートより2004年7月12日発売

演出:オム・ギベク/脚本:ワン・ボギョン

イ・ジウン......セリ
イム・チャンジョン......ハンス
イ・ビョンホン......シチャン
キム・ソンファン......シチャンの店のバーテンダー
イ・ウンジュ(イ・ソヨン)......シチャンの元恋人、ハンスの恋人
ペ・ドファン......香港飯店の出前持ち



【関連記事】
「セリが帰ってきた」の脚本
http://www.kbs.co.kr/drama/sundaybest/script704.htm

2009年10月9日

ワインを開ける悪魔さん

 うーん。ビミョーな......。
 そもそも主役がカン・ソンジンというのがかなりの不安要素です。いや、カン・ソンジンは好きなんです。しかし最近のドラマでの役まわりがピンときません。「彼女がラブハンター」のイケメン詐欺師役とか、お世辞にもイケメンとはいいがたいし......。脇であってこそ映える役者なんじゃないかと思うのです。
 そんな彼が、ワイン業界の大物、ムッシュ・ディアブロというワイン・レストランも経営しているチン・アシム役。人の神経を逆なでするようなことばかり言い、ワインに対して愛情の欠片もなく、ビジネスとしか考えていない。あだ名は「悪魔」。ところがある日、本物の悪魔になってしまいます。さらにはやがてすべてを失うことに......。
 で、ヒロインはキム・ジョンファ。アシムとは20年来の友人で、有能なソムリエのミン・スヨン役。韓国産ワインに情熱を傾けるドンニョク(イム・ヨンシク)を手伝ったりしています。彼女が出ているから借りてみたといっても過言ではありません。ブチ切れて怒鳴ったり、酔っぱらったりしたときの表情がすごくいいんですよねぇ。しかし、ソムリエといってもそれらしい場面はありませんし、どうも地に足の着いた役どころには思えませんね。いまひとつ魅力も出しきれていないというか。だいたい、腐れ縁とはいえ、アシムに惹かれるのが納得できません!
 一方、新人ソムリエとして現れるアン・チョンサ役のパク・スジンがイイ! SUGAR時代から好きなんですが、女優としてもイイですねぇ。実は「チョンサ」という名前は「天使」を意味します。ネタバレになってしまいますが、アシムを本物の悪魔にするためにやって来た自称・悪魔のチョンサ、最後にはアシムに救いの手を差し伸べる天使なのです。アシムを誘惑するときの小悪魔的な振る舞いが、なかなか堂に入ってます。第3話でかなりウトウトしてしまったんですが、考えてみると彼女の出番が少なかったからですね、間違いなく。
 その他、ワイナリーに勤務するチャン爺さん役でイム・ヒョンシクが出ていますが、ほとんど無名のパッとしない出演陣ということもあって、どうも全体的に地味な印象です。地上波放送の作品じゃないですし、予算が限られていたのでしょうか。それにしてもそれほど目新しいストーリーではなく、ひどく中途半端な結果になってしまったような気がします......。残念。

ワインを開ける悪魔さんワインを開ける悪魔さん
原題 와인따는 악마씨
2007年10月19日~11月9日放送/全4話/MBC every1
DVDはファインフィルムズより2009年4月3日発売

演出:チェ・ビョンギル/脚本:イ・ジュヒ

ワインを開ける悪魔さんカン・ソンジン......チン・アシム ワイン業者、ムッシュ・ディアブロ経営
キム・ジョンファ......ミン・スヨン ソムリエ
パク・スジン......アン・チョンサ 自称・悪魔の新人ソムリエ
イム・ヨンシク......チェ・ドンニョク ワインマスター
ナム・ギョンウプ......キム室長 ムッシュ・ディアブロのマネージャー、ソムリエ
イム・ヒョンシク......チャン爺さん ワイナリー勤務
チェ・ユンジョン......タルスン ワイナリー勤務
イム・チェホン......キャプテン ムッシュ・ディアブロ従業員
ユン・ヨンサム......サーバー ムッシュ・ディアブロ従業員
ソン・ミョンウン......ミス・キム ムッシュ・ディアブロ従業員



2009年10月7日

取っておいたものは忘れない

取っておいたものは忘れない 衛星劇場でも放送されましたが、見逃してしまったので、ホームドラマチャンネルで2009年9月30日に放送されたものを見ました。「あなたを忘れられない~せつないラブストーリー~」としてDVD化されてるのに、なぜタイトルを変えるんですかね。このほうが原題に近いとはいえ、混乱を招くだけだと思うのですが。
 デビュー間もない頃のソ・ジソプが出演しているということで日本に紹介されたのでしょうが、主人公はチョン・ドヨンです。
 セジン(チョン・ドヨン)は農村の茶畑で働いている内気で読書好きの少女。耳が聞こえず、話すこともできません。ある日、茶畑のオーナーの孫であるドンウ(ソ・ジソプ)がソウルからバイクでやって来ます。野の花を撮るのが趣味らしいです。セジンは次第にドンウのことが気になりますが、遠くから見つめるだけ。ところが、ドンウがソウルへ帰るその日、セジンはバイクと接触し、転倒してしまいます。ようやく目を覚ましたセジンを心配そうに見つめるドンウ。セジンは大丈夫だと伝え、ドンウはバイクのキーにつけていた小さなハーモニカをプレゼントして別れます。ところがその後、セジンは寝込み、心配する母親にも何も話そうとはしません。日に日に衰弱していき、やがて小さなハーモニカを握りしめたまま......。
 って! 唐突すぎる展開が意味不明です。いろいろと調べてみたところ、実は接触事故の後遺症だったらしいんですが、まったくはっきりしません! 好きな人に迷惑がかかるから? それにしても......。再会を約束した半年後にドンウは彼女の死を知ることになるでしょうけれど、知らぬこととはいえドンウは加害者なわけで、まったくひどい話です。
 風の音や虫の声が聞こえてきて、自然の風景(「夏の香り」のロケ地にもなっている場所だとか)がとても美しい。髪を結う姉妹の姿が小川の水面に映るシーンなどもきれいです。のちに「宮」を撮ったファン・インネの演出作品ということもあって、韓国でも再放送を望む声が根強く、2006年3月11日にアンコール放送があったようです。が、こんな不可解なドラマは初めて見ましたね。ちなみにキム・ナムジョ(김남조/詩人/1927~)の『美しい人々(아름다운 사람들)』が原作だそうです。

取っておいたものは忘れないベスト劇場「取っておいたものは忘れない」
原題 간직한 것은 잊혀지지 않는다
1998年6月5日放送/1話完結/MBC
DVDはK-PLAZA.comより2005年8月19日発売
『あなたを忘れられない~せつないラブストーリー~』)

演出:ファン・インネ/脚本:キム・グァンシク

チョン・ドヨン......セジン 茶畑で働く耳の聞こえない少女
ソ・ジソプ......ドンウ 茶畑のオーナーの孫 大学生
イ・ギヨン......茶畑のバスの運転手



2009年10月4日

悲しい誘惑

悲しい誘惑 レンタル・ショップで偶然に見つけて思わず借りてしまった作品。まったく知りませんでした。チュ・ジンモとキム・ガプスの同性愛ドラマ......!? まぁ、実際は同性愛そのものを描くというよりも、現代に生きる人々の孤独を描いているといったほうが正しいでしょう。1999年に「世紀末特集劇」と題する特別番組として放送されたようです。タイトルバックや途中のスーパーでも「アンコール特集ドラマ」と出るのですが、いつ再放送されたのかは不明。それにしても日本盤にするときに元のテープを借りることはできなかったのでしょうか......。
 キム・ガプス&キム・ミスクのベッドでの息遣いからはじまるのには驚きです。しかも続けてキム・ミスクのトイレ・シーンって......。

悲しい誘惑 チョン室長(キム・ガプス)は創業時から会社にすべてを捧げてきたけれど、企画の失敗で会社に損失を与えてしまい、今では社長(チョン・ウク)の信頼も薄れつつあります。家に帰っても20年も連れ添った妻のチョンヘ(キム・ミスク)とはほとんど会話はなく、1ヶ月ぶりのセックスにもチョンヘは「何も感じなかった。彼も同じだろう」と冷めきった関係です......。そんなときに現れたのが、ニューヨーク支社からやって来たシン・ジュニョン(チュ・ジンモ)。やり手なのは認めるものの、会社を支えてきた古株への敬意がないと、チョン室長はジュニョンが気に入りません。
 ジュニョンには唯一の肉親である兄がいますが、会社から一方的に解雇されて事業をはじめたものの失敗し、失踪中。どうもジュニョクはチョン室長に兄の姿を重ねてる様子です。ついに辞表を書いたチョン室長に、ジュニョクは「社長好みの企画だと思います」と企画書を渡すのでした。その企画でチョン室長は社長の信頼を回復することに成功。その後、2人ははじめて酒を酌み交わすのですが、チョン室長は「これくらいの屈辱は生きるためなら」と本音を漏らします。やっぱりジュニョクは兄にもそうあってほしいと願っているのでしょう。
 ところで、ジュニョクは同性愛者です。恋人がいましたが、見合い結婚をするためにジュニョンのもとを去っていきました。社内にはジュニョンがゲイであるという噂が広まっています。酔ったジュニョンを部屋まで送ったとき、チョン室長は上半身裸のジュニョンを見て戸惑う瞬間がありますが、この時点では思いとどまります。その後、2人で電車を乗り過ごして海辺の町で民宿に泊まることになりますが、チョン室長、ジュニョンの手を握るものの、やっぱり踏みとどまって外へ出ます。
 ここからの台詞がいいですねー。「なぜ同性愛者になったのか」と尋ねるチョン室長に、ジュニョンは「女だから奥さんを愛したのですか?」と問い返すのです。今まで2人と付き合ったジュニョン、男だから愛したのではなく「愛した人が男だったんです」と言います。そして奥さんとの仲が冷えきっていることを知るジュニョンはこう言うのです。
「男の愛し方ではなく、人の愛し方を知らないのでは?」
 やがてジュニョンのもとに兄が自殺したとの知らせが届きます。大粒の涙を流すジュニョン。チュ・ジンモってちょっと眠そうな顔をしてるときがありますが、このシーンではなかなかイイ顔を見せます。長回しのシーンにも耐えうる芝居をしっかりしてるんですね。デビューの翌年ですが、主役を任されるだけのことはあります。
 そして、いよいよチュ・ジンモ&キム・ガプスのキス・シーン!
 ジュニョンの部屋にやって来たチョン室長。「人が人を愛せなければ厳しい世の中を生きていけない」と言うジュニョンの頬に、こちらもツーッと涙を流したチョン室長が手を伸ばし、そして......。唇が触れるか触れないかのところで暗転となりますが、なかなか美しい場面です。違和感はおぼえませんでした。
 その後、チョン室長は常務への昇進という名の左遷で地方へ、ジュニョンは再びニューヨークへ。チョンヘは「私の愛に気づいただろうか」というジュニョンへの想いを綴った夫の日記を目にします。「おたがいを求めていたのだろう」と淡々としたモノローグが流れるのみで、もちろん具体的に2人のあいだに何があったかは知る由はないにしても、特に咎める様子はないところが意外。意外だけれど、好感がもてます。チョン室長が妻に初めて苦悩を語ったのはジュニョンとの出会いがあったからこそ。そのことをチョンヘも理解してるように思えるのです。
 ラスト・シーンは、チョン室長とジュニョンが手をつないで並木道を歩いていくうしろ姿を固定カメラが延々と映しすというもの。余韻があって、印象に残ります。

 この作品、演出は「フルハウス」「インスンはきれいだ」などのピョ・ミンス、脚本は「愛の群像」「花より美しく」「グッバイ・ソロ」などのノ・ヒギョンです。前年の「嘘」でも組んでいて、のちに「彼らが生きる世界」でも組むことになります。
 たんに同性愛をテーマにしたドラマじゃないところがよかったですね。深い。

世紀末特集劇「悲しい誘惑」

原題 슬픈유혹(悲しい誘惑)
1999年12月26日放送/全2話/KBS
DVDはブロードウェイより2009年2月6日発売

演出:ピョ・ミンス/脚本:ノ・ヒギョン

キム・ガプス......チョン・ムンギ室長
チュ・ジンモ......シン・ジュニョン チョン室長の部下
キム・ミスク......ソ・ジョンヘ ムンギの妻
チョン・ウク......社長