2009年10月18日

うちにどうして来たの?

 毎年恒例のコリアン・シネマ・ウィーク、今年の観るべきはこの1作品のみでした。
 女性監督ファン・スアの長編デビュー作。CMのディレクターとして活躍し、イ・スンチョル「長い一日」(04/7集『長い一日』に収録)やメイダニ「わからないing」(09/『7teen』に収録)などのミュージックビデオも手がけてるそうです。
 物語はすでにスガン(カン・ヘジョン)が死体となって発見されたところからはじまります。警察で事情聴取を受けるビョンヒ(パク・ヒスン)の供述で過去が語られていくので、パク・ヒスンのナレーションが多め。ナレーションで物語を進めるのって好きじゃないのですが、さほど気になりませんでした。まったくもって不可解なスガンの行動の謎に迫っていくのに最適な方法だったのかもしれませんね。
 ビョンヒは3年前にある事件で妻を失い、自殺することばかりを考えている男です。いつも失敗ばかり。その日も首を吊って死のうとしていると、突然「ただいま!」と見知らぬ女性がやって来ます。それがスガンというホームレスの女性。ビョンヒを監禁し、双眼鏡で向かいの家を監視しています。次第に監禁生活に慣れていくビョンヒでしたが、隙を突いて形勢逆転。でも、ビョンヒは逃げだそうとせず(って自分の家ですから!)、やがて好奇心からスガンに手を貸そうとします。
 スガンが監視しているのは復讐したい相手。このジミン役を演じるのはBIGBANGのスンニ(日本ではV.I)ことイ・スンヒョンです。出番は少ないものの、重要な役どころ。下がった眉が、復讐するに値しない頼りなさを増長してて適役ではないかと思います。レンタルビデオ店のアルバイトという終盤のチョイ役で出てるのがムン・ジェウォン。「ビリー・ジーン 私を見て」のバンヒ(パク・ヒボン)の弟バンギ役、「アクシデントカップル」のドンベク(ファン・ジョンミン)の郵便局の後輩ユンソプ役で、いずれも頼りない印象の役どころ。本作でも飄々とした感じ。そのほかオ・グァンノクやチョ・ウンジが特別出演してます。
 整形(というか歯列矯正)をしたカン・ヘジョンの顔にはいまだに慣れません。でも、かわいいですね。細やかな表情の変化が愛らしいです。『トンマッコルへようこそ』なんかの純真無垢なキャラクターからそう遠くはありません。臭いけど(笑)。
 床に寝転がるスガンとソファで寝そべるビョンヒの顔を収めた構図、浴槽にもたれて髪を洗ってもらうスガンの顔を見下ろしたアングルなど、切り取り方がちょっと新鮮。ところどころファンタジーを織り込んだ演出があって、そういう映画にしかできない表現、好きです。ヒロインが死ぬことは最初に明示されてるわけですが、けっして後味も悪くなってません。
 ところで、内容的に関連性は皆無だから、2008年のドラマ「なんでウチに来たの?」と原題がまったく同じなのは偶然なんでしょうね。それにしても紛らわしいです......。ちなみに、原題にない「?」がついているものの、邦題はこちらのほうが直訳ですね。

うちにどうして来たの? 우리 집에 왜 왔니(うちにどうして来たの)
韓国/2009年/107分/2009年4月9日公開(韓国)
コリアン・シネマ・ウィーク2009上映

パク・ヒスン......キム・ビョンヒ
カン・ヘジョン......イ・スガン
イ・スンヒョン(スンニ)......ジミン
イ・デビッド......少年時代のジミン
アン・ビョンギュン......小さい刑事
イ・ドヒョン......大きい刑事
リュ・ヘヨン......ビョンヒの妻
ソ・ヨンファ......妻の妹
キム・モア......妻の妹
キム・コッピ......妻の妹
ムン・ジェウォン......レンタルビデオ店のアルバイト
オ・グァンノク(特別出演)......自殺する男
チョ・ウンジ(特別出演)......ホームレス

【監督】ファン・スア
【製作】オーガスト
【製作】チョ・オゴン、チョ・ヨンチョル、チョン・ソングァン
【プロデューサー】ウォン・ソニ
【企画】チョン・ソングァン
【脚本】キム・ジヘ
【撮影】パク・スンイン
【照明】パク・チュンギュ
【音楽】チョン・ジェヒョン
【美術】ラ・ヒョンギョン
【編集】シン・ミギョン


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